- 私の旅行記
アメリカ アリゾナ 化石の森国立公園
更新日:2020年12月28日

こちらは、〖アリゾナ州(Arizona)〗西部に広がる人里離れた広大なバックカントリーの奥地「化石の森国立公園(ペトリファイド・フォレスト)(Petrified Forest National Park)」です!
「化石の森国立公園(ペトリファイド・フォレスト)」は、81,000ヘクタールの土地に、2億2,500万年かけてできた化石の森が広がっています。
「化石の森国立公園」には、毎年世界中から50万人以上もの観光客が訪れ、空高く突き出している尖塔岩や古代の石をひと目見ようと遠路から遥々やってくる方たちもいます。
車または冒険心に溢れる方は徒歩で曲がりくねった道路や岩だらけのトレイルを進むと、あちらこちらで地球の激動の歴史と古代文明の名残を感じることができます。
今回は、2億年前の木の化石、700年前の集落、古き良き「ルート66」時代、そして現代を繋ぐ広大な国定公園をご紹介させていただきます!
【歴史】

「化石の森国立公園」には、遥か昔の森林遺跡、化石となった大木が荒涼とした砂漠に散らばり、まるで違う惑星に降り立ったような不思議な光景が広がります。
「化石の森国立公園」の地域は、1906年に国定公園に指定され、その後「ペインテッド砂漠」が公園に編入された後、1962年に国定公園全体が国立公園に変更されました。
2億2500万年の昔、大陸はまだ現在よりもずっと南の位置にあり、平均温度も現在に比べ20度近く高かったと言われ、周辺は熱帯雨林化した濃い森林が生い茂り、現在とは正反対だったようです。 あたりは恐竜達が徘徊し、濃い酸素と濃い森林に囲まれた古代の自然がありました。
その後、長い年月が過ぎ、大陸は北の方へと移動を続け、氷河期を繰り返し熱帯雨林だった気候は砂漠地方へと姿を変えていきました。 遠めに見ると大木が倒れているように見えますが、近づいてよく見てみると火山灰で化石化した大木は石のように固くなっています。
近づいて触ってみると紛れもない石、化石化し自らの重さに耐えられず割れてしまった断面部分は、宝石のようにキラキラと輝いています。
「化石の森国立公園」は、同じ〖アリゾナ州〗の「グランドキャニオン」からは少し離れ、「モニュメント・バレー」に続く幹線道路からも外れてしまうため、他のメジャーな国立公園に比べると観光客はぐっと減ります。
しかし、「キャニオン・デ・シェイ国立モニュメント」や「メテオラ・アリゾナ隕石孔」等まで訪れる方には通り道ですので、是非とも観光することをおすすめします!
【ビジターセンター】

「化石の森国立公園(Petrified Forest National Park)」は、約885平方メートルという広大な土地に主要な7つのトレイルを持ち、公園内を見渡せるいくつかのビューポイントや遺跡等が点在しています。
また、7つのトレイルの他に限定公開されているトレイルもあり、滞在する時期や時間によって様々な楽しみ方ができる公園です。
そんな「化石の森国立公園」には北エントランス、南のエントランスの2か所の「ビジターセンター(入り口)」があり、これらを繋ぐように南北に約27マイルの道路が整備されています。
おすすめは「ハイウェイI-40」の「311番」出口から入場できる北側のエントランスからの入場です。アメリカの国立公園のスタンプを集めている人は「ビジターセンター」で必ず入手しましょう!
また、「ビジターセンター」には詳しい公園内の地図やビデオでの公園の説明等を見ることができます。公園内の地図は料金所でもらうことができます。
南側の「ビジターセンター」の裏側には、遊歩道のようなものが設置されており、美しい見事な化石木を見学できるようになっています。
石の化石が多く見ることができるのは、南の入り口の近くのなので、時間がない人は南の入口の近くだけを観光すると良いでしょう!
【見どころ!】
〖ペインテッド・デザート(Painted Desert)〗

北側から公園に来た場合、最初に目に飛び込んでくるのが、色鮮やかな砂漠「ペインテッド・デザート」です!9ケ所の展望台からは、鉱物を含んだカラフルな地層と豪快なフォーメーションを眺めることができます。
アリゾナ砂漠特有の火山灰、石灰岩、砂岩は、アーティストが自然のキャンパスに絵を描いたような見事な自然に色の砂漠です。
また、「カチナ・ポイント」には昔ホテルであった「ペインテッド・デザート・イン」の建物が残り、「チンデ・ポイント」、「ピンタド・ポイント」は「ペインテッド・デザート」を見渡せるポイントです!砂漠に突き出た場所なので、360度の絶景に囲まれます。
〖プエルコ遺跡(Puerco Pueblo)〗

先住民族の遺跡がある「プエルコ遺跡」は、先住民族の祖先であるアナサジから発達し、部落作りをするようになったプエブロ民達の遺産です。
この周辺には1300年代~1400年代が最盛期だったらしく、何かの原因で突然姿を消してしまった痕跡が数多く残されています。日干しレンガで造った集合住宅の跡や岩絵などが残されています。
絵文字(ペトログリフ)はほとんど解読されておらず、どのような意味を持つのかは謎のままです。わかっていることは、日本人と同じ「モンゴロイド」のルーツを持つアメリカ先住民であるインディアン達は、約1億4千万年前頃にアメリカ巨大な大地渡ってきました。
時には豊饒を享受し、時には飢餓に堪え、台地や渓谷を移動しながら彼ら独自の文化体系を形作り、長い旅の過程でアメリカの大地に重要な岩絵を数多く残していったということです。
つまり、文字を持たないインディアンにとって、仲間に、他者に、祖先の霊魂にそして神に、具体的な情報、あるいは言葉に置き換えられない魂を視覚的に伝達する試みの証だったのです。
現在使われている、電話、インターネットはコミュニケーションの道具で、これらの原点が「ペトログリフ」や「ピクトグラフ」なのです。
数千年前から岩に描かれ続けられたものが多く、北米のものはアメリカ合衆国のインディアンやカナダのファースト・シティズンが描いたもので全米に痕跡があり、現代へのメッセージでもあり、芸術でもあります。
〖ブルー・メサ(Blue Mesa)〗

「ブルー・メサ」は青白い岩山に囲まれた非常に幻想的な場所です。石灰岩とちょっとした木がテーブルトップメサを青くして、「ブルーメサ」と呼ばれているこのポイントは、化石化した大木が見ることができます。
「ブルー・メサ」は一番人気のトレイルで、青い色をしている丘ですが、この石灰岩できた丘はよく見ると様々な地層からできており、一言で青とは言うことができません。
今まで見たことのない美しい青い地層が延々と続いており、気が付くと自分がまるで別の惑星を歩いているかのような感覚に襲われます。この地層は気の遠くなるくらい長い時間をかけて積みあがったものです。
起伏のあまり激しくない1マイルのループトレイルですので、ゆっくり歩いて写真をとっても1時間程度のトレッキングコースです。「化石の森国立公園」へ来たら絶対に歩いてほしいトレイルです!
また、「ブルー・メサ」から南下すると「クリスタル・フォレスト・ポイント」がありますが、ここも1km少々のトレールがあり、無数に転がる大木の化石を見ながら歩くことができます。
距離:1周1.6km
標高差:36.6メートル
所要時間:1周約1時間
〖クリスタル・フォレスト(Cristal Forest)〗

「ブルー・メサ」から南下すると、木の化石が並んでいるエリア「クリスタル・フォレスト」があります。
ここには、数多くの樹の形をし年輪や皮まで残っている丸太の化石が無造作に転がっており、写真のような光景がいたるところで見られます。約0.8マイルのトレイルは舗装されており、とても歩きやすくなっています。
距離:1周1.2km
所要時間:1周約30~45分
〖レインボー・フォレスト(Rainbow Forest)〗

「化石の森国立公園」の一番南側にあるのが、「レインボー・フォレスト(Rainbow Forest)」です!
ここには、「化石の森国立公園」について簡単な展示がされている「レインボー・フォレスト博物館」があり、ここから「ロングログス・トレイル」やその先の「アガーテハウス・トレイル」、さらに博物館裏手の「ジャイアントログス・トレイル」へ行くことができます。
中でも「ジャイアントログス・トレイル」はとても歩きやすい上、巨大な丸太があちこちに転がっています。
公園の中で最も大きな丸太の化石である「オールド・フェイスフル」もこの「ジャイアントログス・トレイル」で見ることができます。道も舗装されていて、とても歩きやすいトレイルです。
【ルート66(ROUTE 66)】

「ルート66」は、「イリノイ州・シカゴ」と「カリフォルニア州・サンタモニカ」を結ぶ全長3,755キロメートルにも及ぶアメリカの東西を結ぶ「旧国道66号線」で、長年にわたりアメリカ西部の発展に貢献してきました。
その為、映画や小説、音楽などの中に多く登場し、今なおアメリカのポップ・カルチャーの題材にされています。アメリカ人の誇りであり、アメリカ文化の根っこなのです。
しかし、高速道路が広く建設されることによって1985年にその歴史を閉じ、現在では「ルート66」は古くて遠くて懐かしいアメリカを今に伝える歴史的街道として世界的に有名になっています。この「ルート66」が、「化石の森国立公園(Petrified Forest National Park)」を横切っているのです。
この公園内では今でもオリジナルの「ルート66」を見ることができます。しかし、道はすでに草に覆われ、影も形もありません。ただ、今でも電柱が残っていて、昔の道筋を示してくれています。
【お土産】

「化石の森国立公園」の南北両方の「ビジターセンター」近くには、お土産物売り場が設けられています。 ここで販売されている化石木は国立公園の敷地の外側で採取されています。
元々これらがこの地に生い茂っていた天然木であったとは思えないほど美しく、ここで販売されている化石木は、良いものが選ばれています。 なかなかいいお値段ですが、気に入った化石木があれば記念に買って行くことをおすすめします!
南側のエントランスを出てすぐのところにもお土産物売り場があり、そこでも化石木を購入することができます。 感覚的には、南側のエントランスを出たところのお土産物売り場の方が、並んでいる化石木のバリエーションが豊富でお値段の方も手頃だったように思いました。
【アクセス】
「化石の森国立公園」は、「フリーウェイI-40」沿いにあり、車があればアクセスはとても良いです。最寄りの国際空港は、「アリゾナ州・フェニックス」で、ここから約4時間。
近くの大きな町は「アリゾナ州・フラッグスタッフ」でここから約1時間半。「セドナ」からは約2時間で、「グランドキャニオン」からは約3時間。これらの町からは、十分日帰りができます。
ちなみに、「フラッグスタッフ」からは日帰りのツアーも催行されています。また、公園内には宿泊施設は無く、近いところでは約20分ほど離れた「Chambers」の町に「ベスト・ウエスタン(モーテル)」があり、約30分弱離れた「Holbrook」の町にはホテルやモーテルがたくさんあります。
ただ、拠点の町から町へ行く際の距離がある上に、道中には何も施設はなく、各町自体も小さいので、宿の手配や車の整備、事前情報収集は万全にして行きましょう!
日本で車の運転に問題がなくても、レンタカーはアメリカの車であること、荒野の真っ只中の大自然であること、全てにおいて英語のやりとりになることなど、個人旅行はハードルが中々高いです。
ですので、不安な方は」「ラスベガス」からの現地オプショナルツアーや、〖日本〗からのグランドサークルツアーに参加してしまうのが良いでしょう。
〖化石の森国立公園内〗

「化石の森国立公園」には、公園内を縦断するように道路が走っています。 出口・入り口は、北側と南側にあり、一方から入って道路を縦断し反対側から出ていくということになります。
公園内は片側1車線、制限速度は低く抑えられています。 一気に縦断するだけでも1時間程度かかりますので、途中多くの見どころにとまって楽しむなら最低でも2時間は考えておく方が良いでしょう!
また、車で1時間程度の場所に、隕石が落下した跡地を見ることができる「メテオクレーター」がありますので、時間がある時には是非一緒に見てください!
※広い道路で単調な運転になりますので、スピードの出しすぎと居眠りにはくれぐれも要注意です。
・「チャンバーズ(Chambers)」~「化石の森国立公園」:車で20分
・「ホルブルック(Holbrook)」~「化石の森国立公園」:車で30分
・「フラッグスタッフ」~「化石の森国立公園」:車で1時間半
・「キャニオン・デ・シェイ」~「化石の森国立公園」:車で約2時間
・「グランドキャニオン」~「化石の森国立公園」:車で2時間半
・「フェニックス」~「化石の森国立公園」:車で4時間
【注意事項】
「化石の森国立公園」付近は、真夏の日中は最高気温が50度近くまで上がるので、この時期に行く場合は十分な水分と日差し対策が必要となります。ただし、昼と夜の寒暖差もあるため、上に1枚羽織れる物を持って行くと良いでしょう。
トレッキングの際は1人1リットル以上の水を用意すること、また冬場でも日差しが強い日がありますので、日焼け止め、帽子、サングラスは常に用意しておくことをおすすめします!そして、絶対にやっていけないのが「化石木」を持ち帰る行為です!
入場する際、料金所の係員に「化石木を持ち帰ることは許されない」と念を押されます。 更に、公園内のあちこちに持ち帰り禁止の看板があり、「化石の森国立公園」では、南北のエントランスから出場するときに車の停車が義務付けられていて、抜き打ちで持ち物のチェックが入ります。
「持って帰っても良いと思っていた。」などという言い訳は通用しません。 記念に持って帰りたいという方は、先ほどご紹介したお土産物売り場で購入することができます。ルールを守って楽しみましょう!
入場料金は、料金乗用車1台20ドル、年間パス(全米で利用可)は80ドルです。 1年間にアメリカの国立公園・国定公園を4か所以上巡る予定にしているなら年間パスを購入するのがおすすめです!
いかがでしたでしょうか。
「アリゾナ州・フラッグスタッフ」の東180 ㎞に位置する「化石の森国立公園」には、名前の由来にもなっている世界的に有名な木の化石だけでなく、さまざまな感動が待っています。化石、丘やメサ、古代の岩面彫刻の他、季節に応じてさまざまな野生動物や野生の花々を見ることができます。
また、「化石の森国立公園」内には「ロッジ複合施設」があり、現在は宿泊やレストランでの食事利用は提供されておらず、史跡として見学用に公開されています。
「化石の森国立公園」は、時間をかけても全てを回る価値のあるスポットです!時間に余裕がないという方でも是非とも「化石の森国立公園」に訪れてみて下さい!
【基本情報】
化石の森国立公園(ペトリファイド・フォレスト)(Petrified Forest National Park)
電話番号:+1 928-524-6228
料金(7日間有効):車両20USD/1台 モーターサイクル・自転車・個人10USD
公式サイト:https://www.nps.gov/pefo/index.htm
※記事内容は執筆時点のものですので、最新の内容をご確認ください。