- 私の旅行記
アメリカ シカゴ シカゴ名建築part①
更新日:2020年12月28日

アメリカ第3の都市「シカゴ」は、工業や農業などのイメージが強く、観光のイメージはあまり湧かない。という方も多いのではないでしょうか。
しかしシカゴは、現代建築のパイオニアとなった、言わずと知れた建築の街。個性豊かな高層建築が建ち並ぶ様子は、街全体が巨大な建築美術館と称されるほどです。
今回は、ただの街歩きには留まらない、まるで美術館の中を彷徨うような数々のシカゴ名建築をご紹介させていただきます。
【シカゴの大火と建築】
1871年に起きたシカゴの大火災により、市内の建物のほとんどが焼失したシカゴでは、18,000の建物に着火しただけではなく、建築革命を引き起こしました。
アメリカ中から集まった優秀な建築家が、数多くの高層ビルを設計し、「シカゴ派」としてオフィス高層計画を実現させたのが、この街の建築大国なる所以です。
野心的な若手デザイナーは、1885年に登場した世界初の超高層ビルのように、街の新しく空白の景観を試すために、大胆なアイデアでストリームしました。
急進的な新技術を使用していたまもなく高貴な建物は、「シカゴ・スクール」スタイルとして知られていました。そして皮肉にも建築の実験場としてシカゴに多くの名建築を残し、後の建築・デザイン界に強い影響を与え、現在シカゴの街を歩くと当時から現代の建築がひしめくように林立しているのです。
中でも、「ダニエル・バーナム」は時代の最重要建築家の一人であり、今日まで残っている街の信条をまとめています。スカイハイのレコードブレイカーからアートデコランドマーク、モッズの新人、Frank Lloyd Wrightのショーピースまで、10の必見アイテムがあります。
【シカゴ建築財団】

「シカゴ建築財団」とのクルーズよりも、シカゴの強風を感じる良い方法はありません。
おすすめのクルーズは、「シカゴ建築財団リバークルーズChicago Architecture Foundation River Cruise)」の「シカゴズ・ファースト・レディ・クルーズ(Chicago’s First Lady Cruises)」です!
シカゴ川から市内の象徴的な建築物を眺めながら、地元の歴史におけるそれぞれの建物の特徴と地位を学ぶことができるのです。クルーズの始まりは、「シカゴ・リバーウォーク」から「マグ二フィセント・マイル」のすぐそばまでです。
シカゴのダウンタウンを突っ切る90分間のコースを、天高くそびえる市内のスカイラインを街の地面よりも低い位置から見上げることができます。川からでも、建物1つ1つの構造設計を至近距離で観察することができます。
高層ビルを見上げ、そのスケールを感じながら、新旧織り交ぜた数えきれないほどの建築物を通過していくため、象徴的な建物をあらゆる角度から眺めることができます。「シカゴ・ファースト・レディ・クルーズ」の「シカゴ建築財団リバークルーズ」を率いるのは、ツアーガイドというよりも講師と呼ぶべき存在です。
「シカゴ建築財団(CAF)」と提携し、高度な訓練を積んだ財団のボランティアが同行してガイドを務める唯一のツアーです。シカゴに関する専門家であり、優秀なストリーテラーでもあります。
未来の専門家を育てるため、チケットの売り上げの一部は「シカゴ建築財団(CAF)」を通して建築教育の支援に利用されます。シカゴ川をのんびりと下りながら、たくさんの建物について学び、歴史についても知識を深めることができるというのは、とても貴重な体験になること間違いなしです。
このグループはまた、繁華街の本部「ダニエルバーナム」がシカゴの計画を描いた1904年のオフィスビルに、十分に位置しているため、素晴らしいギフトショップとともに、バスやウォーキングツアーも提供しています。
【基本情報】
シカゴ建築財団
住所:111 E Upper Wacker Dr, Chicago, IL 60601 アメリカ合衆国
電話番号:+1 312-922-8687
営業時間9時30分~17時00分
公式サイト:http://www.architecture.org/
【ウィリスタワー】

モダンなオフィスビルである「ウィリス・タワー」は高さ442メートル、110階建てを誇るアメリカで2番目に高いビルです!
展望デッキにはガラス張りの空間もあり、スリリングな高揚感を楽しんだり、ジャンプして空を飛んでるようなトリック写真を撮影したり色々な楽しみ方があります。
「ウィリス・タワー」は、もともと百貨店「シアーズ」の本社ビルとして建設され、名前は「シアーズタワーでした」。
1960年代はシアーズ・ローバック社の黄金期で、当時世界最大の小売業者として破竹の勢いで拡大を続けていた「シアーズ」は、約35万人の社員のうち13,000人が収容できる本社をシカゴの「ダウンタウン」に建設しようと考えます。
当初の建設案はかなり地味なものだったのですが、建築家とブローカーが「シアーズ」を説得した結果、上層階に住居フロアを併設する豪華な高層ビルが建設されることになりました。1970年、シアーズは世界最高層のタワーの建設を発表し、1973年の完成当時、442mの高さは当時世界一だったそうです。
そしてその建築費用はなんと1.5億ドルと言われています。しかしながら、「シアーズ」の経営不振に陥り、2008年に「ウィリスグループ」へ売却されます。それから名前が「ウィリスタワー」に変更されましたが、シカゴ市民には「シアーズタワー」の方がまだまだ愛着があるようです。
そんな「シアーズタワー」は、ニューヨークの「世界貿易センター」より25mほど高く、数十年にわたって最高層の記録を維持していました。
しかし、1998年にはクアラルンプールの「ペトロナスツインタワー」にその座を譲り渡すことになり、今日では、ニューヨークの新しい「ワンワールド・トレードセンター」が、屋根の避雷針の分だけ「ウィリスタワー」を追い抜いています。
また、これに伴い、「ワン・ワールドトレードセンター」がアメリカ最高層の建物となりました。
【基本情報】
住所:233 south wacker drive,Chicago, IL 60606
電話番号:(312) 875-9696
営業時間:
3月~9月 22時まで(最終入場 21時30分)
10月~2月 20時まで(最終入場 19時30分)
利用料金:23ドル 49ドル(行列なしで展望台へ行ける日付指定のファストパス)
アクセス:上記参照
【ロビー邸】

こちらは、アメリカを代表する建築家「フランク・ロイド・ライト」の代表作で、世界中の建築ファンの憧れの観光スポット「ロビー邸」です!
シカゴ大学に隣接している「ロビー邸」は、レーリースタイルと呼ばれる草原住宅様式で建てられており、その特徴は何といっても美しい水平を強調したデザインです。シカゴと言えば高層ビル群ですが、「ロビー邸」はとにかく美しい水平の低層住宅となっています。
細長い敷地で、間口60フィート、幅は約3倍の180フィート(55m弱)もあり、あまりにも近代的でユニークな佇まいに、当時は近燐から「戦艦」とあだ名が付いていたといいます。
レンガ1つ取って見ても、水平であることに重点を置いた造りであることがわかります。また、天然素材を使用しているため、優しい風合いもとても素晴らしいです。
「ロビー邸」は、「フランク・ロイド・ライト」により1909年から1910にかけて建設された家で、その歴史的重要性から現在では、「歴史的建造物(National Hysteric Landmark)」・「国家歴史登録財産(National Register of Hysteric Places)」に指定されています。
しかし、そんな「ロビー邸」も初代ロビー家から短期間のうちにオーナーが次々に代わり、「シカゴ大学」に寄付された後は一時学生寮としても利用されましたが、老朽が進み、戦前、戦後に何度か解体の危機がありました。
そのたびにライトが手紙で嘆願したり、直接訪問したり(90歳の時)し、マスコミに訴え、修復、維持保全が叶ったといいます。そんな、ロビー邸はライトが生涯で最も愛した作品だったと言われている所以でしょう。
【基本情報】
ロビー邸/Frank Lloyd Wright's Frederick C. Robie House
住所:5757 S. Woodlawn Ave., Chicago
電話番号:+1 312-994-4000
営業時間:木曜日~月曜日 10時00分~15時00分
定休日:火曜日・水曜日
アクセス:シカゴ・ダウンタウンから約10マイル(16km)
公式サイト:http://www.flwright.org/visit/robiehouse
【トリビューンタワー】

こちらは、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴにあるアメリカ中西部の主要な新聞で、その本社ビル「トリビューンタワー」です!
高さが141メートル、階数が36階の「トリビューンタワー」は、1922年に「世界で一番美しいオフィスビルディング」の概念をもとに、建築デザイン設計公募を開催し、建築家はもちろん様々な分野からも評判となり、世界各国から264の作品が応募されました。
そして、1922年に有名建築士「ジョン・ミード・ホーウェル(John Mead Howell)」と「レイモンド・M・フッド(Raymond M. Hood)」によって手掛けれた美しいゴシック様式のタワーは、現在でもその威厳を保つ重圧感は圧巻です。
「インターナショナル・スタイル」と呼ばれる歴史的なヨーロッパの設計を嫌い、飾りを避け、最小限の実用性を追求した建物で、建築後にはこの傾向が数々の高層ビルの設計に大きく貢献することになります。
「トリビューンタワー」の特徴は、神秘的なゴシックデザインで、フランスの「ルーアン大聖堂」での「バタータワー」のモデルにし、最上部には8つの「蝙蝠」や空想的な怪物に見立てた、雨水のゲートやスパイローなどが設けられています。
外壁には「ピラミッド」・「ベルリンの壁」・「万里の長城」・「アラモ」・「月」・「タジマハル」などの破片が埋め込まれているそうです。シカゴのランドマーク的存在として、ダウンタウンで最も有名な高層ビルの一つとして、連日多くの観光客が訪れています。
【基本情報】
住所:435 N. Michigan Ave., Chicago
料金:無料
営業時間:24時間
休業日:年中無休
アクセス:地下鉄レッドラインGrand(グランド)駅下車徒歩約10分
公式サイト:http://tribunetower.info/toc.cfm
【シカゴ・ウォータータワー】

こちらは、1869年に給水塔として作られた歴史的建造物で、アメリカの中では2番目に古い給水塔「シカゴ・ウォータータワー(Chicago Water Tower)」です!
シカゴ・「ダウンタウン」の北側に位置するショッピングエリア「マグニフィセント・マイル」に建つ「シカゴ・ウォータータワー」。現在は機能していませんが、昔は「ミシガン湖」の水をシカゴの街へ汲み上げて給水するために作られたそうです。
1869年、建築家「ウィリアム ボーイントン」により建築されたアメリカ合衆国内で歴史ある建造物のひとつとして知られています。石灰石を用いて建設された47メートルあるタワーの内部には、貯水や消火に使用するための立て管があり、この水圧を調整することによって地域を洪水から救ってきたと言われています。
また、この塔が全国的に知られるようになったきっかけは、 1871年に起きた「シカゴ大火」でした。唯一焼け残った公共建築として有名になり、 復興のシンボルとされたのです。
街はこの「シカゴ大火」をバネに、急速に発展し、現在はアメリカを代表する都市となっています。焼け残った建物はほかにもいくつかありますが、現存するものはこの塔だけ。そんな「シカゴ・ウォータータワー」は、高層ビルが続々と建つ中、古くから変わらない姿を守り続け、現在もシカゴのシンボルとして愛されているのです。
建物の1階はギャラリーになっており、この建物も歴史を見るとこができ、隣にあるポンプ局の建物には「公式観光案内所」があります。向かい側には「ウォータータワー・プレイス」というショッピングモールがあるので、お買い物のついでに寄ってみるのがおすすめです。
【基本情報】
住所:806 N Michigan Ave, Chicago
電話番号:+1 312-742-0808
料金:無料
営業時間:10:00-18:30
休日:10:00-16:00
休業日:年中無休
アクセス:地下鉄レッドラインChicago(シカゴ)駅下車徒歩約5分
公式サイト:https://www.chicago.gov/city/en/depts/dca/supp_info/city_gallery_in_thehistoricwatertower.html
【マリーナ・シティ】

こちらは、シカゴのシンボルとしても有名な「マリーナ・シティ(Marina City)」です!
地方特産のとうもろこしさながらの2つの筒状の超高層マンションは、「市の中の市(city within a city)」、つまり住宅や駐車場、店舗、レクレーションなどがすべて同一敷地内に建てられ、生活圏がすべてそこで完結するという60年代の近代都市建築の概念にもとづき建たれた総合ビルです。
1960年代の建築・デザインパワーそのもので、隣には黒く均整のとれたモノリスのような「IBMビル」もあります。偶然にもシカゴ川沿いに建つふたつの高層ビルは現代建築・デザインの水源であるドイツ「バウハウス」の流れを受け継いでいます。
「IBMビル」は、ナチスによって閉校させられた「バウハウス・デッサウ」の最後の学長「ミース・ファン・デル・ローエ」による設計です。「ミース」は教え子たちの招きでシカゴへ移り建築家として開花。
いくつかの貴重な作品をシカゴに残しており、「IBMビル」はシカゴで最後(1971年)の高層建築となったものです。その鉄とガラスの美しさは今でも現役です。
ちなみに、閉校した「バウハウス」は教授であった「モホリ=ナギ」によってシカゴで生まれ変わり、「ニューバウハウス」として再開しました(現在はイリノイ工科大学の一部)。シカゴには「バウハウス」を通じた建築とデザインに対する確かな水脈があるのです。
【基本情報】
マリーナ・シティ
住所:Chicago, IL 60654
【シカゴ文化センター】

こちらは、1897年に建てられたシカゴの有名なランドマークの一つ「シカゴ文化センター」です!
1972年7月31日アメリカ合衆国国家歴史登録財に指定され、1976年11月15日シカゴのランドマークに指定されました。シカゴでも有名なランドマークなだけあり、インテリアの壮大さやその繊細さには何度見ても圧倒されるものがあります。
設計は、「シカゴ美術館」を手掛けたボストンの設計事務所「Shepley, Rutan & Coolidge」により行われ、その材質の豪華さや装飾の繊細さ、室内の構成の美しさは一世紀以上経った現在でも驚くほど美しいもので、大理石や真鍮、モザイク、ステンド・グラスは世界で一流のものばかりです。
20世紀に入ると、シカゴの著しい発展と人口の増加により図書館の需要は拡大し、図書館はステイト通りに移動することになり、その後建物は改修され「文化センター」と命名され、1991年にアメリカ最初の無料の「文化センター」として再び門を開きました。
改修された建物には数々の展示場やコンサートホールが設けられ、コミュニティーの文化交流や教育の向上、芸術の場として活用されています。
特に有名なのは、南側の3階「プレストン・ブラドリーホール」、北側の2階「ヒーリー・アンド・ミレットドーム」、そして「ヒーリー・アンド・ミレットドーム」の先に続く「グランド・アーミー・オブ・ザ・リパブリックホール」です。
「プレストン・ブラドリーホール」と「グランド・アーミー・オブ・ザ・リパブリックホール」の2部屋には、巨大ステンドグラスのドーム型天井があり、その大きさと光の美しさには思わず息を飲んでしまいます。
「プレストン・ブラドリーホール」は明るく煌びやか、「グランド・アーミー・オブ・ザ・リパブリックホール」は厳粛とした雰囲気があり、それぞれを見比べるのも非常におもしろいです。更に、それらのホールに辿り着くまでの階段や窓の装飾も見逃せません。
南側の4階には季節ごとに様々な展示会をやっており、いつ来ても観光客を楽しませてくれます。この文化センターはシカゴ都市の公式な観光案内所で、この都市に関するイベント、美術館、劇場、アトラクション、観光、ホテルなどのパンフレットや小冊子が数多く置いてあり、シカゴの旅をより有意義にする情報がたくさん得られる場所です。
【基本情報】
シカゴ文化センター(Chicago Cultural Center)
住所:78 E. Washington St., Chicago
電話番号:+1 312-744-6630
営業時間:10時00分~19時00分
アクセス:最寄り駅・地下鉄〖ブラウン〗・〖グリーン〗・〖オレンジ〗・〖ピンク〗・〖パープル〗の通る「Washington/Wabash」駅から徒歩約2分。
公式サイト:https://www.cityofchicago.org/city/en/depts/dca/supp_info/chicago_culturalcenter.html
【シカゴ美術館】

こちらは、アメリカ三大美術館の1つ「シカゴ美術館」です!シカゴに来たら是非とも訪れてほしいスポットの1つです。
「シカゴ美術館」は30万点以上の収蔵品数を誇り、古代エジプトから現代まで、様々な文化や歴史を称える芸術作品を豊富に所蔵しています。
「シカゴ美術館」の前身は、1866年市内「ディアボーン通り」のアトリエに設立された「シカゴ・アカデミー・オブ・デザイン(Chicago Academy of Design)」でした。
このアカデミーは1868年から授業を開始し、1870年には「ウェスト・アダムズ通り」に移転したのですが、翌年の1871年に起きた「シカゴ大火」で焼失してしまいます。
1879年に「シカゴ・アカデミー・オブ・ファイン・アーツ(Chicago Academy of Fine Arts)」として再発足されたため、通常この1879年をもって「シカゴ美術館」の設立年としています。
1882年、「シカゴ美術研究所(The Art Institute of Chicago)」と改称し、19世紀末に向けてのアメリカ合衆国での「万国博覧会」ブームは、美術学校、美術館設立の機運を大きく高め、「ロードアイランド・スクール・オブ・デザイン」や「ボストン美術館」などと同様、その流れのなかで設立されています。
本館の建物は、1893年の「シカゴ万国博覧会」の際に建てられ、その後も数度にわたり増築が行われ、展示室の構成はかなり複雑になっています。
「日本ギャラリー(屏風ギャラリー)」は「安藤忠雄」の設計によるもので、2009年には「レンゾ・ピアノ」の設計による新館が建設されました。
【基本情報】
住所:111 South Michigan Avenue Chicago, Illinois 60603
開 館:1879年
入館者数:161万人(2017年)
電話番号:(312) 443-3600
営業時間:10時から17時まで。木曜日のみ20時まで。
サンクス・ギビングとクリスマス以外、毎日オープン。
入館料:25ドル(大人・個人・当日)
※毎週木曜日の夕方5時以降の入館は無料。
※その他詳細は上記参照。
公式サイト : http://www.artic.edu/
➡【アメリカ シカゴ シカゴ名建築part②】へ続きます。
※記事内容は執筆時点のものですので、最新の内容をご確認ください。