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アメリカ シカゴ シカゴ歴史博物館
更新日:2020年12月28日

こちらは、シカゴの豊かで変化に富んだ歴史をたどる歴史的資料の宝庫「シカゴ歴史博物館」です!
150 年の歴史を誇る「シカゴ歴史博物館」は、負の部分を含めてシカゴの歴史と文化に真正面から向き合っている歴史博物館で、さまざまな遺物、体験型の展示、マルチメディアを使用したプレゼンテーションを通して、シカゴの歴史を余すことなく学べる博物館です。
しかし、博物館や美術館も多く見所の多いこの街で、観光客からは意外とマイナーは「シカゴ歴史博物館」。
「フィールド自然史博物館」や「シカゴ美術館」などに行っても、観光ではこの「シカゴ歴史博物館」までは足が向かないかもしれません。
しかし、この博物館は、展示手法も小さな子どもも楽しめるよう工夫されていますし、多様なテーマに多角的にアプローチしてかなり見ごたえもありますので、ここを訪れるのはかなり有意義だと思います。
シカゴの見事な高層建築群の契機となった「シカゴ大火」や「リンカーン大統領最期のベッド」など、目玉展示がたくさんあることをご存知でしょうか。
今回は、そんな「シカゴ歴史博物館」で必見の展示をご紹介させていただきます!
【歴史】
「シカゴ歴史博物館」の正式な設立年は不明ですが、設立の母体になった「The Chicago Historical Society」は1856年に創設され、1857年に法人化されました。
この組織が母体となり資料を収集し博物館をオープンさせたものの、1871年に起きた「シカゴ大火」により建物・資料ともに大部分が焼失してしまいました。
その後再建はされましたが、資料の増大などにも対応するため、1932年に現在の建物に移転し、その後も建物は増改築されて現在に至っています。
【アクセス】
「シカゴ歴史博物館」は、「ダウンタウン」北側の「ミシガン湖畔」にある「リンカーン・パーク」に立地しています。
「North Dearborn Dearborn Street」を通る「22番バス・Howard」に乗り、「Clark&Burton」のバス停で下車してください。Loop内からですと約25分でアクセス可能です。
【展示・見どころ!】
「シカゴ歴史博物館」は、通史は通史としてきちんとおさえつつも、特定のテーマを大きく取り上げながら歴史や文化を体験・体感し学ぶことができるようになっています。
「南北戦争」・「シカゴ大火」・「建築」・「鉄道・交通」・「ジャズ」・「ギャング」・「スポーツ」などのテーマがあります。
人種問題などもわかりやすい形で展示され、また第二次世界大戦時の日系人の強制収容のことにも触れられており、「disroyal」とみなされた理由がPCでゲーム的に学ぶこともできます。
そのほか、比較的、低年齢の子どもたちが体験・体感しながら学ぶことができる「Sensing Chicago」も興味深い展示コーナーとなっています。
〖展示①:シカゴ大火〗

「シカゴ大火」は1871年10月8日の夜、シカゴで発生した火事のことを言い、「シカゴ歴史博物館」には、当時の様子を再現した「ジオラマ」が展示されています。
その日は風が強くとても乾燥しており、また当時の建築物が木造だったことから、火事はどんどん広がります。その被害状況は250人が死亡、市内中心部の建設物17,000件が全焼するという大変なものでした。
これだけの大被害の火元は、なんと牛がランプを蹴り倒したことが原因だと言われており、その様子を描いた絵画の展示もされています。
その後、シカゴは復興を始めますが、木造建築物が火災を拡大させた一因ということから、行政は木造建築物を禁止してしまいます。そこから鉄製等の高層ビルの建設ラッシュが始まり、現在のシカゴの美しい高層ビル群の発展に繋がっていったのです。
もしかすると、この「シカゴ大火」が無かったら現在のシカゴの姿はなかったかもしれません。それにしても、あまりに大きい代償だったんだと考えさせられてしまいます。
〖展示②:LINCOLN’S UNDYING WORDS〗

「シカゴ歴史博物館」の目玉「リンカーン大統領最後のベッド」が展示してある、「エイブラハム・リンカーン」にスポットを当てた展示コーナーがあります。
「リンカーン大統領」は〖ワシントンDC〗の「フォード劇場」で観劇中に銃撃され、そのまま劇場の向かいのホテルの一室で処置を受け、そしてそのまま息を引き取ってしまいます。その「リンカーン大統領」が最期を迎えたベッドの実物と、当時を再現した絵画も展示されています。
ベッドは、ほとんど傷もなく状態が良く驚きました。ちなみに、「リンカーン大統領」は身長193cmと背が高く、斜めにしないと横たわることができなかったそうです。
〖ワシントンDC〗の「フォード劇場」で彼が亡くなった最期の部屋を見学することができますが、そこに置いてあるベッドはレプリカになります。本物は、こちらの「シカゴ歴史博物館」に展示されているというわけです。
どういう経緯でシカゴに来たのか気になりますが、リンカーンがかつてイリノイ州の議員であったことが関係しているのでしょうか。
また、「リンカーン」の生前に作られたというライフマスクもあり、自分の手や顔と比較することもできます。隣には「リンカーン」が斧で薪を割る姿を描いた等身大絵画もあります。
「リンカーン」は薪割の名手であったと言われています。その他にも、「リンカーン」と大統領選を争った「ダグラス」と「リンカーン」の肖像画などもあり、奴隷禁止の拡大を望む「リンカーン」とアメリカ人の奴隷を持つ自由を唱える「ダグラス」で当時、アメリはこの2つの意見で真っ二つに分かれていました。
〖展示③:CROSSROADS OF AMERICA〗

「CROSSROADS OF AMERICA」には、1848年制の蒸気機関車「パイオニア(Pioneer)号」が展示されています。機関室に乗車することもでき、中の様子を近くで見ることもできます。
1871年の大火で被災した住宅の焼け跡から集められた品も展示されています。
1915年に沈没し、800人以上の犠牲者を出した「イーストランド号」の舵輪 (だりん) や、「フランク・ロイド・ライト」が設計した建築物の一部も見ることができます。ちなみに、すべての展示品に詳細な説明パネルが付いています。

1892年開業の鉄道システム「L」の客車第1号も見ることができます。
また、「シカゴ大火」でも焼け落ちなかった貴重な建物でシカゴ復興のシンボル「シカゴ・ウォータータワー」の模型もあり、現在でも「ダウンタウン」北部にありますので、街散策の際に実物を見てみてください。

こちらは、「暗黒街の顔役」といわれ、世界的に有名なギャング「アルカポネ」にスポットを当てたコーナーです。
彼が暗躍したのもシカゴの街で、禁酒法が発令され市民の不満が爆発する1920年代、彼は酒を密造し市民に提供することで大成しました。そのほかにも賭博や売春宿など人間の欲望に訴えるビジネスを数多く手がけ、シカゴで1929年起こったギャングの抗争「聖バレンタインデーの虐殺」に係る展示もされています。
この他にも、シカゴのあるイリノイ州旗の成り立ちに関する展示があり、こちらには左の星から「ディアボーン砦の大虐殺(1812年)」・「シカゴ大火(1871年)」・「シカゴ万博(1893年)」・「シカゴ万博(1933年)」を表している4つの星が描かれた旗が展示してあります。

更に、ジャズやスポーツに関する展示やクイズコーナーもあり、見ていて飽きることがありません。
〖展示④:THE GREAT CHICAGO ADVENTURE FILM〗
一通り見学した後は、シカゴの歴史に関するショートムービー「THE GREAT CHICAGO ADVENTURE FILM」を観ましょう!
内容は、少年と少女が突如過去のシカゴにタイムスリップし、「シカゴ大火」や「ウィリスタワー(シアーズタワー)」建設の時など、シカゴの歴史を映像で振り返ることができます。
このムービーは30分おきに上映しており、エンドロールを見なければ25分ほどで観賞できます。クオリティもかなり高いので必見です!
〖展示⑤:Sensing Chicago〗

ご家族連れにおすすめなのは、「Sensing Chicago (シカゴの歴史体験)」展です!
実際に触れて歴史の一端を体験できるファミリー向けの展示で、野球スタジオを再現した模型でボールをキャッチしたり、「ペニー・ファージング」と呼ばれるクラシックな自転車に乗ったりとご家族で楽しむことができます。
いかがでしたでしょうか。
「シカゴ歴史博物館」にお越しの前は必ず公式サイトを確認し、特別展をゆっくり見るための時間も残しておきましょう。
パネルより詳しい解説、ガイドツアーや音声ガイド機器で用意されており、どちらも無料です。博物館は車や公共の交通機関で簡単に行くことができ、車の方も駐車場はすぐに見つかるでしょう。
館内にはカフェが併設されており、サラダやサンドイッチなどの軽食、コーヒー、ケーキ類が販売され、終日朝食メニューが食べられます。ギフトショップでは、本やおもちゃなど、シカゴならではのお土産を買うこともできます。
ガイドブックでもあまり取り上げられることのない、シカゴ観光においては意外とマイナーな「シカゴ歴史博物館」ですが、シカゴの様々な一面が学べて、とても楽しめる博物館になっています。
博物館を満喫した後は隣接する「リンカーン・パーク」を散策するのもおすすめです!
【基本情報】
シカゴ歴史博物館
住所:1601 N Clark St, Chicago, IL 60614
電話番号:+1 312-642-4600
営業時間:月曜日・水曜日~土曜日9時30分~16時30分 火曜日 9時30分~21時00分 日曜日 12時00分~17時00分
料金:大人$19.00 シニア(Ages 65+)$17.00 学生(19-22)$17.00 子供(18 & under if Illinois Residents)無料
公式サイト:https://www.chicagohistory.org/
※記事内容は執筆時点のものですので、最新の内容をご確認ください。