- 私の旅行記
アメリカ ワシントンDC フォード劇場&ピーターセンハウス
更新日:2020年12月28日

こちらは、アメリカ合衆国史上最も有名な大統領と言っても過言ではない第16代アメリカ合衆国大統領「エイブラハム・リンカーン」が暗殺された劇場「フォード劇場」です。
「エイブラハム・リンカーン」は南北戦争が終結して間もない1865年、観劇中に狙撃され暗殺されました。その劇場がワシントンDCのダウンタウン中心部にある「フォード劇場」です。

狙撃直後、「エイブラハム・リンカーン」が瀕死の状態で運び込まれたのが「フォード劇場」の道路を挟んで目の前にある「ピーターセンハウス」です。「エイブラハム・リンカーン」はここで56歳の生涯を終えました。
現在この「フォード劇場」と「ピーターセンハウス」は、「フォード劇場国立史跡」として観光地になっています。「フォード劇場」は現在も現役の劇場として使われていますので、ロビーまでは自由に入場できます。
しかし、劇場内と「ピーターセンハウス」の中を見学するのは別途ツアーに参加(無料)する必要があります。ツアーは最長90分程で終了しますので、時間に余裕がある方は是非参加してみて下さい。
【フォード劇場:基本情報】
〖住所〗
516 10th St NW, Washington, DC 20004
〖電話番号〗
+12023474833
〖アクセス〗
最寄り駅は、地下鉄「ブルーライン」・「オレンジライン」・「レッドライン」の「メトロ・センター(Metro Center)駅」になります。
「メトロ・センター(Metro Center)駅」を下車後、徒歩で約5分。「FBI本部」の1ブロック北にあります。
〖入場料金〗
無料
【ツアーの事前予約】

当日の整理券は毎日8:30分から配布されており、並んで手に入れることもできますが、ストレスなく効率的に観光したいのであれば事前に予約することができますのでおすすめです。
予約は「フォード劇場」の公式HPから簡単に行うことが出来ますが、事前予約の場合別途で手数料$3(3ドル)が必要になります。
公式HP➡https://www.fords.org/ticketing/day/
ツアー見学の流れとしては、、、
・劇場地下展示室→・劇場内(ガイド付き)→・ピーターセンハウス内部→・ピーターセンハウス隣展示室
といった流れになります。
※予約する時間によってはどれかが欠ける場合もありますので、参加したい内容に漏れがないか確認してから時間指定して下さい。
予約が完了すれば登録したメールアドレスにチケットが送信されますので、当日は忘れずにバーコードが記載されているチケットを印刷して持参して下さい。
〖営業時間〗
9時00分~16時30分
※公演スケジュールにより異なる。最終入場は16時でチケット売り場は8時30分~17時00分。もしくは20時までオープン。
〖定休日/休業日〗
なし/感謝祭(11月)・12/25
※劇場は公演スケジュールにより異なる。
〖公式サイト〗
【劇場地下展示室】

「劇場内ロビー」で、「ギフトショップ」や「リンカーン」の肖像画を見学していると、ツアー開始の5分ほど前から呼び込みが始まります。
この時は、すでに行列ができているので印刷した予約票を持って並んでください。1回のツアー参加者の人数は約30名弱です。
そして、まずはそのまま「劇場地下」にある「展示室」へと移動します。「展示室」内にガイドさんがいませんので、ツアー参加者は自由に「展示室」内を周ります。

展示室には、犯人「ジョン・ブース」が「リンカーン」暗殺に実際に使用した「デリンジャー」。

かなり生々しいですが、当時の血が色あせて残っている「リンカーン」を暗殺する際に使用された枕などが展示してあります。その他、「リンカーン」が暗殺された時に着ていた「スーツ」や「リンカーン」の「執務室」が再現された展示、「リンカーン」の「デスマスク」、「ブッシュ元大統領」・「クリントン元大統領」らが出演し「リンカーン」について紹介する映像などがあります。
約20分ほど「展示室」内を見学していると、ガイドさんからお呼びがかかりますので、そこから「フォード劇場」内へと移動します。劇場までの移動中では、事件当日の朝から暗殺までの「リンカーン」と「犯人」の行動を追った展示を観ることができます。これを観ると150年以上前の暗殺事件が現実味をもって感じられますが、行列ができてしまうため流し見になってしまうのが残念です。
【フォード劇場内】

「フォード劇場内」は、意外と小さな劇場ですが、歴史ある格調高い劇場の雰囲気があります。

そしてこちらが「リンカーン」が座っていた2階のバルコニー席です。現在も星条旗と肖像画が飾られています。ツアー参加者は自由に劇場内の席に着席し英語ガイドさんの説明を聞きます。
暗殺犯である「ジョン・ブース」は、当時有名な舞台俳優でこの劇場の構造を詳細に把握していました。裏口から「リンカーン」のボックス席へ侵入し、後ろから忍び寄り「リンカーン」の頭部をピストルで近距離から狙撃。
その後、彼は席からステージへ飛び下り、足を骨折しつつも劇場から馬へ乗って逃亡。当時、劇場にいた観客はこれを芝居の一部だと勘違いをしていたそうです。

ちなみに、「ジョン・ブース」は、数日前に「リー将軍」が「南北戦争」に敗北した結果に不満を持つ「南部連合」の支持者であり、「Sic semper tyrannis(専制者は常にかくのごとし)(これで南部の報復は果たされた)」と叫び逃走。
12日間の逃走と潜伏の後、射殺されました。事実この場所で、映画みたいな歴史が起こり、150年以上の時を経てその場に自分がいるなんとも不思議な感覚を味わいます。ガイドさんの説明後は、ツアー参加者は自由に動いて劇場内で記念撮影することができます。
バルコニー席がより間近に見える2階へも階段で移動することが可能です。劇場内の写真撮影や見学を終えたツアー参加者から次の見学先である「ピーターセンハウス」へと移動します。
【ピーターセンハウス】

1865年4月15日午前7時22分「リンカーン」が亡くなった場所「ピーターセンハウス」です。
「ピーターセンハウス」の入口には「House Where Lincoln died」の文字が書かれており、当時「ピータセンハウス」は民宿であり、頭部を狙撃され重傷を負った「リンカーン」が運び込まれた建物。
その後、その歴史的重要性から政府に買い取られ、「フォード劇場」と共に国立史跡に登録されました。

こちらが瀕死の「リンカーン」が運び込まれた1階奥の部屋です。彼は翌朝の、1865年4月15日午前7時22分にこの部屋のベッドで息を引き取りました。偉大な大統領の最期を看取った部屋が、このような小さな民宿の一室であったとは、なんとも言えない気持ちになります。
更に驚くべきことに、実はこの部屋はその数日前に暗殺犯「ジョン・ブース」が泊まっていた部屋だとのこと。「ジョン・ブース」が暗殺計画を練っていた部屋、同じベッドで「リンカーン」は最後を迎えたとは。。。
また、部屋に置かれたベッドは190㎝と大柄だったリンカーンの身長には長さが足りなかったという逸話も。なお、このベッドはレプリカであり、本物は彼の地元である「シカゴ歴史博物館」に展示されています。

また、「リンカーン」の容態を朝まで見守った「メアリー夫人」と「長男」など側近たちが控えていたという部屋も隣にあります。

こちらは、陸軍大臣が「ジョン・ブース」の逮捕状などを書いた部屋です。
そして「ピーターセンハウス」内の見学を終えると、そのままエレベーターに乗り込み、隣接している「展示室」へと向かいます。
【リンカーン死後を追う展示室】
「ピーターセンハウス」と隣接する「展示室」は「リンカーン」死後の状況を追った内容になっています。

こちらは、「リンカーン」の葬儀の様子です。彼の遺体は特別列車に乗せられ、亡くなったワシントンから北部の都市を周り、故郷の「スプリングフィールド」まで運ばれました。
「リンカーン」に弔意を捧げるために訪れた人は数十万人と言われています。

こちらでは、星条旗に包まれた当時の棺が再現されていました。現在の星条旗よりも星の数が少なくデザインが異なっていることがわかります。

当時の暗殺犯を捜すポスターで、懸賞金がかけられています。
暗殺の実行犯「ジョン・ブース」の逃亡から発見までの経緯や、共謀者が絞首刑されたことについての展示もされています。

また、「展示室」の中心吹き抜け部分には、「リンカーン」についての著書約1万5千タイトルが積み上げられたタワーがあります。このタワー3階まで達しており、下から見るも上から見るもすごい迫力です。
これらすべての本が1人の人物「リンカーン」について書かれた本だというから驚きです。彼が死してなお、社会に大きな影響を与えていることが身に染みて実感できます。
また、この「展示室」の1階にはギフトショップがありますので、お土産探しもお忘れなく!以上で「フォード劇場」&「ピーターセンハウス」の見学ツアーは終了になります。
いかがでしたでしょうか。
「フォード劇場」&「ピーターセンハウス」では、「リンカーン暗殺」という約150年前の歴史的大事件を肌で感じることができ、「展示室」もサスペンス仕立てになっていますので非常に興味深い体験をすることができます。
イラストや物の展示が多いので、英語があまり得意でない方も十分楽しめます。これだけ充実したツアーで見学料無料なのですから、ワシントンDCを観光される際はぜひとも参加してみてくださいね!
【基本情報】
フォード劇場
住所:511 10Th Street N.W., Washington, D.C. 20004
電話番号:(202)3474833
開館時間毎日9:00~17:00(サンクスギビング、12/25除く)
アクセス:地下鉄 メトロ センター(METRO CENTER)駅から0.2km、徒歩約5分。FBI本部の1ブロック北にあります。
駐車場:無
※記事内容は執筆時点のものですので、最新の内容をご確認ください。
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