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アメリカ ワシントンDC ベトナム戦争戦没者慰霊碑
更新日:2020年12月28日

こちらは、アメリカ合衆国の首都ワシントンDCの人気観光スポット「ナショナル・モール」にある戦争記念碑「The wall(壁)」とも呼ばれる「ベトナム戦争戦没者慰霊碑(Vietnam Veterans Memorial)」です。
「ベトナム戦争」で命を落とした兵士5800名あまりの氏名が刻まれ、ゲリラ戦で熾烈を極め社会復帰後の帰還兵に深刻な心理的障害を残したことでも知られる「ベトナム戦争」で戦死した兵士を顕彰する「ベトナム戦争戦没者慰霊碑(Vietnam Veterans Memorial)」と「3人の兵士像」があります。
【ベトナム戦争戦没者慰霊碑:基本情報】
〖歴史・概要〗

「ベトナム戦争戦没者慰霊碑(Vietnam Veterans Memorial)」はワシントンDCの中心部にある「ナショナル・モール」の西側に位置する記念慰霊碑の一つで、高さ3メートルの長さ151メートルの御影石の壁に「ベトナム戦争」で命を落とした戦死者と行方不明の名前が刻まれています。
ワシントンDCの人気観光スポット「リンカーン記念館」の北東に位置する「べトナム戦争戦没者慰霊碑」は、年間300万人もの方が訪れる人気のスポットです。
年代順に並んだ名前は今の更新を続けており、2017年で58,318人の戦死者。3000人の行方不明者の氏名が記されています。オプティマという書体で記されており、シンプルでエレガントな落ち着きをもつフォントとして広く愛されています。
〖住所〗
5 Henry Bacon Dr NW, Washington, DC 20245
〖電話番号〗
+12024266841
〖アクセス〗
【サーキュレーター】

「サーキュレーター(Circulator)」とは、一律$1で乗れるワシントンDC内の循環バス。「サーキュレーター」の「ナショナル・モールルート(レッドライン)」は、「ナショナル・モール」を1周しており、各観光スポット付近が停留所になっているので観光客に大変便利です。
「ナショナル・モールルート」の「停留所10」で降りると、「ベトナム戦争戦没者慰霊碑」のすぐ前に行くことができます。
サーキュレーター公式サイト:https://www.dccirculator.com/
【メトロ地下鉄(Metrolink)】

最寄り駅: Foggy Bottom-GWU
※メトロ地下鉄の「ブルーライン」・「シルバーライン」・「オレンジライン」の3本が通っています。「Foggy Bottom-GWU駅」から「ベトナム戦争戦没者慰霊碑」までは、徒歩20分程度かかります。
DC Metro 公式サイト:https://www.wmata.com/
路線図:https://www.wmata.com/rider-guide/new-riders/upload/pocket-guide-English.pdf
近くには「リンカーン記念館」などがあるため、モール内の他の博物館やモニュメントと合わせて効率よく回ることができ、様々なルートで行くことができます。
〖入場料金〗
無料
〖営業時間〗
24時間
※パークレンジャーは9時30分~23時の間駐在。
〖公式サイト〗
https://www.nps.gov/vive/index.htm/index.htm
【ベトナム戦争について】

「ベトナム戦争」は、ベトナム独立をかけ1946年から8年続いた「第一次インドシナ戦争」で南北に分断したベトナムを舞台におきた戦争で、当時はアメリカを中心とする資本主義と旧ソ連を中心とする共産主義による冷戦下で、ベトナムはその境界線にあたりました。
そこへ旧ソ連に押された北ベトナムが「ベトコン」による国家再統一を進めたことから、当時のアメリカ合衆国大統領「ジョン・F・ケネディ」は1961年に特殊部隊4000名を送り、南ベトナムの支援を始めました。
そして間もなく、「ケネディ大統領」が暗殺されアメリカ合衆国大統領が「ジョンソン」氏に代わると、北ベトナムに255万トンもの爆弾を落としました。(第二次世界大戦で日本が受けた爆弾は13万トン)

一方で北ベトナムもゲリラ戦では攻防し、旧ソ連をはじめとする共産国からの支援もあり、アメリカは思わぬ苦戦を強いられることになりました。戦争は長期化し、1968年解放戦線によるテト攻勢からアメリカ軍の後退が始まり、1973年には撤退しました。
1975年には南ベトナム政府の首都サイゴンが陥落し、北によるベトナム統一が行われ、完全に終結したのです。戦争範囲がベトナムにとどまらなかったほど大きな戦いで、「ベトナム戦争」は未だに多くの人の心に深い傷跡を残しているのです。
【ベトナム戦争帰還兵による発案】

「ベトナム戦争戦没者慰霊碑(Vietnam Veterans Memorial)」は、ベトナム戦争帰還兵の「ジャン・スクラグス」によって計画され、「マイケル・チミノ」監督の映画「ディアハンター」を見た際、「国家がこの戦争を敗北の記憶ともに忘れようとしている。」と懸念し、戦争で深く傷ついた帰還兵の心の癒しとベトナム戦争を巡って国論が二分したアメリカが癒されることを願い、寄付を募りデザインを公募したのです。
「ベトナム戦争戦没者慰霊碑(Vietnam Veterans Memorial)」に刻まれた名前は、両側に設置された案内によって誰でも探したい名前が見つけられるようになっており、名前の頭についているダイヤや十字架の小さなアイコンによって、死亡が確認された方とそうでない方を見分けが付けられるようになっています。
行方不明だった兵士の死亡が確認された場合には、十字架の上にダイヤのアイコンが重ねられ、無事生還した場合には、十字架が丸に塗られる予定だとされています。
【3人の兵士像】

「The wall(壁)」とも呼ばれる「ベトナム戦争戦没者慰霊碑」のデザインは1981年のコンペで優勝した中国系アメリカの女性建築家アーティスト「マヤ・リン(Maya Lin)」が手がけたもので、1982年(昭和57年)にその大部分が完成しました。
ところが、「ベトナム戦争戦没者慰霊碑」の外観はそれまでの戦争慰霊碑の慣例とは異なり、墓石のように地味だったことで一部の反感を買うことになります。ベトナム戦争の戦死者は国家の英雄でなくてはならず、犠牲者ではないというのが主な理由でした。
また、デザイナーがアジア人だったことも不評だったようです。そのため急遽、「ベトナム戦争戦没者慰霊碑」の西向かいに「3人の兵士像」と、星条旗を掲揚するポールが追加されることになったのです。
【メモリアルデー】

アメリカでは、5月の最終月曜日は「Memorial Day(メモリアルデー)」で3連休となり、9月の「Labor Day(レイバーデー)」までの間がサマーシーズンになります。このため、夏休みをとって旅行へ出かける人が大変多くなります。
11月の「Veteran Day(ベテランデー)」同様、軍に関わる祝日ですが、「Memorial Day(メモリアルデー)」は、特に戦没者を悼む祝日となり、戦没者のメモリアルやお墓が美しく飾り付けがされます。
サマーシーズンの始まりを告げる日となっている「Memorial Day(メモリアルデー)」ですが、南北戦争の北軍の戦没者のお墓を飾り付けするという習慣から生まれた祝日です。
いかがでしたでしょうか。
国家のために命を落とした兵士を顕彰するために建てられたという「ベトナム戦争戦没者慰霊碑」。
ちなみに、「ベトナム戦争戦没者慰霊碑(Vietnam Veterans Memorial)」は夜はライトアップされ、より静かな祈り場となっています。大事なことを考えさせてくれるとても貴重で大事なスポットです。
【基本情報】
ベトナム戦争戦没者慰霊碑
住所:5 Henry Bacon Dr NW, Washington, DC 20245 電話番号:+1 202-426-6841 営業時間:24時間 ※夜間はライトアップされます。 アクセス:バス停Constitution Ave NW & 21st St NW下車
公式サイト:http://www.nps.gov/vive/index.htm
※記事内容は執筆時点のものですので、最新の内容をご確認ください。
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