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アメリカ ワシントンDC マーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念碑
更新日:2020年12月28日

こちらは、「I Have A Dream」の演説で有名な偉人「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(以下キング牧師)」の記念碑、「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念碑」です!「キング牧師」という方が皆さんは親しみがあるでしょうか。
「ナショナル・モール」東側「リンカーン記念館」と南側「トーマス・ジェニファーソン記念館」の中間地点「タイダル・ベースン」沿いにこの記念碑があります。
【マーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念碑:基本情報】
〖歴史・概要〗

「キング牧師」が「ワシントン行進(The March on Washington for Jobs and Freedom)」で、「リンカーン記念館」から世界に向けて、「人種差別撤廃」に向け「I Have a Dream(私には夢がある)」という有名な演説を行ったのは、1963年8月28日のこと。
それから48年後の2011年8月28日、その「キング牧師」の偉業を讃え、この「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念碑」がワシントンDCに設立公開されました。
ちなみに、議会から記念碑建設の許可が下りたのは1996年のことでしたが、資金集めなどに時間がかかってしまったため、建設が始まったのは2009年12月のことでした。彫刻家には、中国人の「Lei Yexin」が選ばれました。
〖住所〗
1964 Independence Ave SW, Washington, DC 20003
〖電話番号〗
+12024266841
〖アクセス〗
【サーキュレーター】

「サーキュレーター(Circulator)」とは、一律$1で乗れるワシントンDC内の循環バス。「サーキュレーター」の「ナショナル・モールルート(レッドライン)」は、「ナショナル・モール」を1周しており、各観光スポット付近が停留所になっているので観光客に大変便利です。
「ナショナル・モールルート」の「停留所8」で降りると、「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念碑」のすぐ近くに行くことができます。
サーキュレーター公式サイト:https://www.dccirculator.com/
【メトロ地下鉄(Metrolink)】

最寄り駅: Foggy Bottom-GWU
※メトロ地下鉄の「ブルーライン」・「シルバーライン」・「オレンジライン」の3本が通っています。「Foggy Bottom-GWU駅」から「朝鮮戦争戦没者慰霊碑」までは、徒歩15分程度かかります。
DC Metro 公式サイト:https://www.wmata.com/
路線図:https://www.wmata.com/rider-guide/new-riders/upload/pocket-guide-English.pdf
近くには「朝鮮戦争戦没者慰霊碑」や「リンカーン記念堂」などがあるため、モール内の他の博物館やモニュメントと合わせて効率よく回ることができ、様々なルートで行くことができます。
〖入場料金〗
無料
〖営業時間〗
24時間
※レンジャーは朝9時半〜午後11時半まで勤務。
〖公式サイト〗
https://www.nps.gov/mlkm/planyourvisit/basicinfo.htm
【キング牧師像】

メインは、巨大な岩から「キング牧師」が切り出されているような形をした、高さ30フィート(約9メートル)にもなる大きな「キング牧師像」です。
これは、「I Have a Dream(私には夢がある)」の演説の1節にある「With this Faith,We will be able to hew out of the Mountain of despair Stone of Hope.(この信念を持ってすれば、絶望の山からも希望の石を切り出すことができるのだ。)」から造られた物で、「巨大な山」が「絶望の山」で、「キング牧師像」が「希望の石」を体現しています。
【14の言葉が刻まれた壁】

「キング牧師像」を囲むようにしてある壁には、「キング牧師」が行ったスピーチなどから「14の言葉」が刻まれています。
1955年の「モンゴメリ」の「バスボイコット」での言葉から、暗殺される4日前の言葉などが刻まれていますが、この記念碑を管理する「国立公園局」によりますと、この「14の言葉」は「キング牧師」の4つの基本的理念である〖正義(jastice)〗・〖民主主義(democracy)〗・〖希望(hope)〗・〖愛(love)〗を表現したものだとしています。
【キング牧師について】

「キング牧師」は1929年、ジョージア州アトランタで牧師「マイケル・ルーサー・キング」の息子として生まれました。父親と同じ名前でしたが、父子とも「マーティン・ルーサー・キング」と改名し、宗教改革をはじめた「マルティン・ルター」から父親が命名したのです。
「キング牧師」は6歳の時、一緒に遊んでいた近所の白人の子の母親から「黒人とは二度と遊ばせない」と人生で最初の人種差別を経験し、高校時代には討論大会で優勝した帰りのバスの中で白人から席を譲れと強制されるなどという差別を受け続けました。
1862年の「リンカーン大統領」の奴隷解放宣言により、アメリカの奴隷制は廃止されましたが、これは人種差別の撤廃を意味するものではなく、学校やトイレ、プール、バスなどにおいて白人と非白人の区別により、異なる施設が用いられることは容認されていたのです。

1955年、白人に席を譲るのを拒んで逮捕された「ローザ・パークス逮捕事件」に抗議して「キング牧師」は「バス・ボイコット運動」を指導し、連邦最高裁判所からバス車内人種分離法違憲判決を勝ち取ります。
これ以降、キング牧師は全米各地で公民権運動を展開していきます。キング牧師の運動の特徴は「非暴力主義」。インド独立の父「マハトマ・ガンジー」に啓蒙され、一切抵抗しない非暴力主義を貫きました。
1963年の「キング牧師」の有名な演説「I Have A Dream(私には夢がある)」は広くに共感を呼び、これらの運動によりアメリカ内の世論も盛り上がりを見せ、1964年に「公民権法が制定」されました。
その後キング牧師は「ベトナム反戦運動」への積極的な関与を始め、敵も増えていく中で精力的に活動を続けましたが、1968年テネシー州で「I’ve Been to the Mountaintop(私は山頂に達した)」と演説後、モーテルで白人男性の凶弾によって倒れてしまいます。
【キング牧師記念日】

アメリカでは1月の第三月曜日は、1964年に「ノーベル平和賞」を受賞した「公民権運動」の先駆的なリーダーの一人「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア(Martin Luther King, Jr.以下キング牧師)」牧師を称える国民の祝日です。
1983年に議会で決定され1986年からその祝日となったこの日には「追悼式」・「式典」・「公開討論会」、教育機関では「人種差別」・「平等」・「平和」について教えるための授業が行われ、教会などでは「キング牧師」の活動を称える説教がされます。
また1994年、議会は「キング牧師記念日と奉仕活動法」を制定し、「キング牧師記念日」を国民のボランティアの日「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア、ディオブ・サービス(Martin Luther King, Jr. Day of Service)」と定めました。

この日は、国としてボランティを推奨する唯一の休日です。「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア」の頭文字をとって「MLKデー」と呼ばれています。そのため、この祝日は国民にとって「デイ・オフ(休日)ではなく、デイ・オン(活動する日)」。
「MLKデー」は、大統領が全国的に推奨している「United We Serve」の一部、アメリカ人が共に働き、急務な国の問題に解決していくことが期待されています。
「MLKデー」は、毎年数十万人のアメリカ人が子どもの学習指導にあたり、また子どもたちのメンターとなり、また学校やシニア・センターの塗装、食事の提供、住宅の建設を行い、まさに「キング牧師」の人生とその教えを反映した活動を行っています。
「MLKデー」に始まったプロジェクトの多くは、その日1日のみならず1年を通じて地域社会に影響を与えているのです。
【MLK デーのボランティア活動を見つけるウェブサイト】
https://www.nationalservice.gov/mlkday
〖All for Good, A service of POINTS OF LIGHT〗
https://www.allforgood.org/search?&query=king%20day
いかがでしたでしょうか。
「マーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念碑」は石像はもちろん素晴らしいのですが、それ以上に素晴らしいのが、上記でも紹介した石像の後ろに続いている「キング牧師」が行ったスピーチなどから「14の言葉」が刻まれた石板です。
これは是非とも最後まで読んでもらいたい味わい深いものです。
夜になると読みやすいように明かりがつきます。
雰囲気がでてとても良いです。
【基本情報】
マーティン・ルーサー・キング・ジュニア記念碑
住所:1964 Independence Ave SW, Washington, DC 20024
電話番号:+1 202-426-6841
営業時間:24時間営業
※担当者(レンジャー)がいるのは朝9時半〜午後11時半。
※解説付きツアーは1時間ごとに朝10時〜午後11時まで。
入場料:無料
公式サイト:https://www.nps.gov/mlkm/planyourvisit/basicinfo.htm
※記事内容は執筆時点のものですので、最新の内容をご確認ください。
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