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イギリス ロンドン カティーサーク

更新日:2020年12月28日


こちらは、19世紀に作られたイギリスの快速帆船で、現存する唯一の「ティークリッパー」・「カティーサーク(Cutty Sark)」です!

「カティー サーク」に乗り込み、19世紀の船乗りたちの生活の一端をご覧ください!この木造の貿易船は当時、最速の船舶のひとつとして世界の海を航海しました。

「ティークリッパー」は中国からの一番茶を届けるかを競った帆船として作られ、「カティーサーク」は20世紀まで残った唯一の船で、1957年から「グリニッジ」の「テムズ川岸」のドックで一般公開されていました。

しかし、痛みがひどかったことからミレニアム事業で改修を実施。そのさなかの2007年5月に作業中の失火で燃えてしまいました。

5000万ポンドをかけた修復作業ののち、2012年4月に一般公開が再開され、世界遺産「グリニッジ」の一角を占める文化財にもなっています。

今回はそんな、「カティーサーク」について詳しくご紹介させていただきます!

【歴史】

「日の沈まない帝国」と言わしめた大英帝国の最盛期を支えたのは、優れた海事力。そして安全かつ効率よく航海するためには「天文学」や「気象学」、「航海術」の発達が必須であり、中心地となった「グリニッジ」には「天文台」や「王立海軍大学」などが設立されました。

その「グリニッジ河湾」で象徴的な存在感を示すのが「カティーサーク号」。「カティーサーク号」は、1869年に建造されたイギリスの快速帆船で、中国からイギリスまで紅茶を輸送する「ティークリッパー」として「ジャック・ウィルス船会社(Jock Willis shipping line)」の中国航路に就航し、いかに速く紅茶の一番茶を届けるかを競いました。

しかし、その建造時期は「スエズ運河」の完成直後であったため、「ティークリッパー」として活躍した期間は短期間でした。

その後はオーストラリアからの「羊毛輸送」に使われるようになり、輸送船の役割を終えた後は航海学校で練習船として使用されるなど、1954年に現在の位置に保存展示が行われるまで広く活躍をしていました。

そんな「カティーサーク号」は、「紅茶貿易船」として中国航路に就役して、中国からイギリスまで107日から122日で紅茶を輸送することができました。

「ティークリッパー」として極めて優秀な成績でしたが、最短輸送期間の記録を更新することも「ティーレース」に勝利することもできませんでした。

ちなみに、「カティーサーク号」の競争相手は、イギリスの「ジョージ・トンプソン・アンド・カンパニー社(George Thompson & Co)ホワイトスターライン(White Star Line)」の帆船「サーモピレー号(Thermopylae, 1868)」で、その最高巡航速度は14.5ノット(時速約27km)、最高速度は20ノット(時速約37km)でした。

「カティーサーク」の意味は、スコットランド語(Scots)の「短い(Cutty)」・「シュミーズ」(英:Chemise、スコ:Sark)で、「ロバート・バーンズ(Robert Burns)」作の詩「タモシャンター(Tam o' Shanter)」に登場する魔女に由来し、「カティーサーク号」の船首を飾る「フィギュア・ヘッド(船首像)」は「カティーサーク(短い(下着の)シュミーズ)」を身にまとった魔女であり、その手には馬の尾が握りしめられています。

現在船内は一般公開され、船の甲板や内部は帆船での生活や紅茶輸送船の歴史を知ることができる博物館となっています。

〖年表〗

・1869/11/17:「スエズ運河」が開通する。ー「スエズ運河」はほとんど無風で、帆船時代は急速に終焉を迎える。

・1869/11/22:スコットランドの「ダンバートン (Dumbarton)」で「カティーサーク号進水式」が挙行される。

・1872/06/17:「カティーサーク号」と「サーモピレー号」が中国の上海を同日に出帆し、「ティーレース」が開始。

・1872/08/17:インド洋での悪天候で「カティーサーク号」は舵を破損し、「ケープタウン」で修理。

・1872/10/11:「サーモピレー号」がロンドンに入港。

・1872/10/18:「カティーサーク号」がロンドンに入港。ー「カティーサーク(122日)」と「サーモピレー(115日)」は熾烈な競争を演じてイギリス到着。

・1878年:「カティーサーク号」最後の航海、その後は紅茶輸送を引退。ー以後5年間はイギリスからニューヨークへの「ジュート(Jute:黄麻)」の輸送・ロンドンへの「バッファロー」の角の輸送など様々な業務に従事。

・1883年以降:「カティーサーク号」はオーストラリア~イギリス間の「羊毛輸送」に従事。ー同じく「羊毛輸送」に転用されていた「サーモピレー号」とデッドヒートを演じるも今度は「カティーサーク号」が勝者となる。

・1885年:シドニーからイギリスまで72日間で航海するという大記録を打ち立てる。

・1889年:シドニーからイギリスまで79日間で航海。ーこの時に最新鋭の蒸気船「ブリンタニア号 (Brintania)」 を追い抜くという快挙を達成。

1895年:「カティーサーク号」がポルトガルに売却される。ー以後27年間ポルトガルと南米や東アフリカの植民地との間で輸送業務に従事し、ポルトガルでは「フェレイラ号(Ferreira)」となる。

・1907年:ライバルの「サーモピレー号」がポルトガル海軍の標的艦で最期を迎える。

・1916年:南アフリカへの石炭輸送中に「フェレイラ号」が帆柱を破損し、「第一次世界大戦中(1914-1918)」の資材不足でマストの補修はなされず、2本マスト船に改装される。

・1922年:イギリス人船長「ドウマン(Wilfred Dowman)」が買い「カティサーク号」に改名される。ー「ドウマン」の補修で3本マスト船となり、「ドウマン」没後は妻が「テムズ大学」に寄贈する。

・1936年:「航海学校 (Incorporated Themes Nautical Training College)」で練習船となる。

・1951年:「カティーサークトラスト(Cutty Sark Trust)」に寄贈される。

・1954年:「テムズ川」に面する「グリニッジ」に移され、「博物館船(Museum ship)」として保存展示される。ー保存事業は「カティーサークトラスト」が行う。

・1957/6/25:内部も一般公開されロンドン市民に親しまれる(一時一般公開を中止)。

・2006/11~2008年迄:2500万UKポンドで大規模な修理。ー1869年建造当時の状態に復元する作業が開始される。

・2007/5/21:午前4時45分頃「カティーサーク号」の船体より出火・火災が発生。ー作業現場に放置の掃除機の電源の消し忘れによる失火。

・2012/4/25:女王「エリザベス2世」が一般公開の再会を宣言。ー船体を3m持ち上げてドックの側面からの支柱で支え、観光客は入場料を払えば、船内や甲板だけでなく船底を下から見上げることが出来るようになる。

【カティー サーク:基本情報】

〖カティー サーク号の装備〗

船型:イギリスの快速帆船・ティー・クリッパー(Tea Clipper)

帆柱:3本・高:15,6m

全長:86m

全幅:11m

喫水:7m(積載時)

重量:936屯:総トン数 (gross weight)

積載量:

通常:601,010kg

最大積載量:1876年623,855kg

乗組員:28~35人

進水:1869/11/22・ダンバートン (Dumbarton)

最後:1954年・「テムズ河畔」の「グリニッジ」で展示保存

〖住所〗

Cutty Sark Clipper Ship, King William Walk, Greenwich. London SE10 9HT

〖アクセス〗

最寄の駅:地下鉄「カティーサーク駅 (Zone 2)」

「カティーサーク」へは、「ドックランズ・ライト・レイルウェイ (DLR)」 に乗り、「カティー サーク駅」で下車してください。

「カティーサーク駅」を地上に出て、駅前の商店街を左に入り表通りまで出ます。通りを左折し正面(テムズ川方向)に歩くと右側に「カティーサーク」の帆が目に入ってきます。駅から徒歩約3分。

※「Thames Clipper」のボートで (毎20分ごと)・「City Cruisesボート」にて (毎30分ごと)「 Greenwich Pier」まで行くことも可能です。

※車椅子のご利用は最大3車椅子までとなり「マスターサロン」・「キャビン」・「アンカーデッキ」は車椅子でのご見学ができかねます。

〖営業時間〗

10:00~17:00まで(最終入場16:15)

〖定休日〗

12月24日~26日

〖入場料金〗

大人:£13.50(寄付金込)/£12.15(寄付金含まず)

子供:£7(寄付金込)/£6.30(寄付金含まず)

5歳以下:無料

ファミリー (大人1人): £24(寄付金込)/£21.60(寄付金含まず)

ファミリー (大人2人): £35(寄付金込)

※ファミリー料金は、大人1人につき子供2人まで

【カティーサーク号&王立天文台のセットチケット】

大人:£18.50(寄付金込)/£16.80(寄付金含まず)

子供:£8.50(寄付金込)/£7.70(寄付金含まず)

5歳以下:無料

ファミリー (大人1人):£28(寄付金込)/£25.20(寄付金含まず)

ファミリー (大人2人):£43

※ファミリー料金は、大人1人につき子供2人(5~15歳)まで


【ロンドン・パス】

おすすめは「ロンドン・パス」を事前に購入する方法!市内80か所以上ものスポットで使えるフリーパスでお得に入場でき、一部の観光スポットでは優先入場の特典やお土産の割引などもあります!

〖所要時間〗

1時間~1時間半の所有時間をおすすめします!

〖公式サイト〗

http://www.rmg.co.uk/cutty-sark/

【魅力・見どころ!】

「カティーサーク」は、2007年に改修工事中から出た火により一時公開はされていませんでしたが、後の修復作業を経て2012年に再公開となりました。

「テムズ河」が見えるところに現在では置かれているため、船全体が見え、上部だけでなく船底まで見えるようになっているため、まるで船が空中に浮いているような博物館の設計になっています。

全長86メートル、マストは15.6メートルの高さにもなるので、下から見上げるとその迫力に驚かされます。

デッキや船内はもちろん、1000トン近くもある船の下も展示スペースになっており、まるで海の中から船底や海面を見上げているような気分で楽しむことができるのです。一番下のデッキでは、魅惑される「コッパーハル」がご覧いただけます。

実は1957年の一般公開以来、50年もの間地上に設置されていたため、船本体の重みに耐えかねて船体が変形。これはもう持ち上げるほかないと地上から3メートル浮かせた今回の展示スタイルが考え出されたようです。

ちなみに修復総額は5000万ポンド(約65億円)に上り、国営宝くじの収益金などで賄われました。

船内を見学する前に、海上生活にまつわる冒険と危険性に焦点を当てた、インタラクティブな装置と展示品がありますのでよくご覧ください!原初の厚い木板や鉄製のフレームは、良好な状態で保たれています。

船内は、当時の船荷を再現した中国の茶箱や船の構造や貿易の歴史を紹介したデジタル展示などが見られ、広々としたデッキに上がれば磯の香りがしそうなほどの臨場感!

26人の船乗りが数ヶ月もの間どうやって生活していたのか手に取るように伺うことができ、「カティーサーク」がのようにして数ヶ月にわたり中国、オーストラリア、などまで運航し帰ってきたのか。当時を再現した船上の台所、豪華なマスターサロン、インタラクティブな画像を見ながらまるでタイムスリップしたかのような体験をすることができます!

世界最大規模のコレクションとされている、商船団の「フィギュアヘッド (船首像)」 もお見逃しなく!ほとんどの像は19世紀に制作された木彫で、数々の商船の船首を飾ってきたものです。

歴史上の人物や神話の登場人物をモデルにした像もあり、「フローレンス・ナイチンゲール」や「ランスロット卿」の像もあるので、探してみてください!