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イギリス ロンドン カムデン・タウン〖PART①〗:概要・歴史・アクセス・魅力!
更新日:2020年12月28日

こちらは、「ロンドナー(ロンドンに住んでいる人たち)」がこぞって楽しむと言われる「カンデム・タウン」です!
「カムデン・タウン」は、建物全体がアートチックなデザインで、「原宿」を彷彿とさせる一際「若い」雰囲気の街が特徴的な街です。
ロンドンでは、街中の通りや倉庫など様々な場所でマーケットが行われていますが、その中でも上位の人気を保つ「カムデン・マーケット」には、ヴィンテージやオリジナルデザインの衣料品、日用品、家具、手作りのアクセサリー等を売るお店、更にはライブハウスやカフェ、レストランなどが所狭しと並びます。

周辺のマーケットと合わせと、その店舗総数は何と1,000軒以上!週末にもなると、なんと10万人もの人が訪れるとも言われています。
また、「カムデン・タウン」は音楽やインディー、トランス、ジャズを現在も発信する地として有名で、多種多様な文化が集まるロンドンの縮図さながらのマーケットなのです!
今回はそんな、地元民が集い、観光スポットも豊富な活気溢れる街「カムデン・タウン」についてご紹介させていただきます。
【歴史】

大英帝国の枢密院議長であった「チャールズ・プラット」は1791年、この地域に教育を受けた上流階級と中流階級のための場所を作りたいと考え、道路の両側にゆっくりとビルを建設し開発を始めました。
町の主要部分が完全に建設されたのは60年後のことで、「チャールズ・プラット」の貴族名は「カムデン男爵」であり、この地を「カムデン」と命名しました。
しかし、「カムデン・タウン」は「チャールズ・プラット」が考えていた静かな住宅街にならず、1820年に「リージェント運河」が開通し、町を2つに分ける鉄道が建設されたことで、「カムデン」は倉庫、工場となり労働者階級が多数住居する街へと変貌していきました。

「カムデン」は地理的にだけでなく文化的にも2つに分割され、「上流階級(リージェントパーク周辺に位置地域)」と「労働者階級(セントパンクラス方面地域)」の2つの地域が繁栄していくことになりました。
「産業革命」時代に鉄道と運河により、低コストのホテルが建ち始めその場所は蒸気機関が出す黒煙と騒音激しい産業が栄える街へと変貌していくのです。
その後は「ピアノメーカー(カムデンの主要な産業の1つ)」・「ワイン醸造」・「ジン蒸留」・「ソフトドリンクメーカー」は「カムデン」に腰を据えて営業しており、19世紀の終わりには工業地帯として活況のある街となっています。

工場で労働を終えた従業員は、一日の終わりにパブで集まり、ビールと地元のジンを楽しみ賑わいを見せると様々なショップが立ち並び酒と女が交差する猥雑な街へとなり、ロンドンでも有数の繁華街になってしまったとか。
1910年頃には多くの劇場や映画館が立ち並び、ショッピングタウンとしての評判が徐々に向上していくと共に、新しい文化が入り込む現在のような若者が好んで出かける街として繁盛していきます。

1960年代は、「カムデン・タウン」の歴史の中で最大の変化が起こりました。もともと機関車小屋として建てられた「ジン蒸留所」の跡地に、「ラウンドハウス」が営業を始め、ロックとサイケデリアが流行し「音楽」・「文化」・「政治」・「若者」がすべて集まった場所としてロンドンで最も有名な街となっていきます。
ここは英国最大のバンドとミュージシャンが集い、世界で最も革命的なファッションムーブメントとサブカルチャーであるパンクが誕生した地であるため、今でも若者を引き付け、活気に満ちた場所なのです。
【アクセス】
「カムデン・マーケット」はじめ、複数のマーケットが集まる「カムデン・タウン」は、ロンドンの中心部から少し北に位置します。
アクセスは、地下鉄の「カムデン・タウン駅(Camden Town Station)」が最寄駅になりますが、混雑を避けるために少し離れた「チョーク・ファーム駅(Chalk Farm Station)」から歩くのもおすすめです!
また、「カムデン・タウン」を横切るように流れる「リージェンツ・カナル(Regent’s canal)」という運河に沿って歩けば、「ロンドン動物園」まで約15分で行ける距離です。
【衣食住・観光が全て揃う街!カムデン・タウン】

市街地や商業地がある広大な街ロンドンには33の地区があり、「カムデン・タウン」がある「カムデン区」はその1つで、ロンドンの中心部から少し北に位置します。
街を横切るように流れる運河や鉄道の発展にともなって人々が移り住み、街を形成していき、1960年代にこの地で起きた反体制文化の盛り上がりは今の街にも残り、マーケットや周辺のお店、ライブハウスなどから聞こえる音楽、また、行き交う人々のファッションからも垣間見ることができます。
そんな賑わいをみせるタウンですが、路地裏に一歩踏み込めば静かな住宅地が広がり、タウンを横切るように「リージェンツ・パーク」へと流れる「リージェンツ・カナル」の運河が水辺の景色や木々の緑をもたらし、賑わうタウンに静寂さと豊かさを与えています。
【カムデン・タウンの魅力!】

「カムデン・タウン」の中心部にあるハイストリート周辺では、いくつかのマーケットが開かれています。
それぞれのマーケットには、古着やヴィンテージの衣料品、アンティークの小物から家具、古本、手作りのアクセサリー、レコード、そして屋台やバーなどがあり、連日多くの人が集まり、その店舗数はなんと合計で1,000軒を超えるほど!

実は「カムデン・タウン」の中には「インヴァネス・ストリートマーケット(Inverness Street Market)」・「ステイブルズ・マーケット(Stables Market)」・「カムデン・ロック(Camden Lock)」・「カムデン・ロック・ヴィレッジマーケット(Camden Lock Village Market)」・「バックストリート・マーケット(Back Street Market)」の5つのマーケットが存在します。
「バックストリート・マーケット」を「カムデン・マーケット」と呼ぶこともありますが、現在では上記5つのエリアをまとめて「カムデン・マーケット」と呼ぶのが一般的です。
〖リージェンツ運河沿い〗

「カムデン・タウン」の特徴の1つは、街の中央を流れる「リージェンツ運河(Regent’s Canal)」です!
産業革命真っ只中の19世紀初頭に、石炭や製品を運ぶために造られたものですが、早くも19世紀半ばには、鉄道そして道路に置き換えられ、今日の運河には遊覧船が静かに流れるのみになります。
運河沿いには、かつて馬がボートを牽引する際に走った引き船道「タウパス(towpath)」があり、お散歩やサイクリングを楽しむ人で賑わいを魅せています!
〖インヴァネス・ストリート・マーケット(Inverness Street Market)〗

新鮮な野菜やフルーツが手に入るマーケットとして1900年頃から親しまれてきた「インヴァネス・ストリート・マーケット(Inverness Street Market)」は、その姿を残しつつ、現在では衣類や観光のお土産を売るお店が並んでいます。
この周辺にあるレストランやバーは質が高いところが多く、マーケットの人気を保っている理由の一つです。

周辺のマーケットに比べると規模は小さいのですが、街の路地に広がる露店などマーケットのイメージに一番近い雰囲気が楽しめます。
「カムデン・タウン」に数あるレコード店の中で、特に長年のファンが足繁く通うのが、こちらの「OUT ON THE FLOOR RECORDS」というお店!60年代から70年代のロックやパンクを中心に、幅広いジャンルのレコードが集まります。

レコードに詳しい英国人の知人もおすすめする場所です!
営業時間:
月曜日〜日曜日:8:30〜17:00
〖ステイブルズ・マーケット(Stables Market)〗

「ステーブルズ・マーケット(Stables Market)」は、「カムデン・タウン」最大規模で、建物としても面白いおすすめのマーケットです!
「Stable」とは馬小屋の意味で、実はこのマーケットがある建物はかつて、運河でボートを牽引した馬たちのための病院だったのです。

今日では、洋服、エスニック雑貨、アンティークや手作りクラフトの他、屋台も豊富に入っている賑やかなマーケットで、建物内の至る所に馬の銅像があり、建物の歴史を感じることができます。
もちろん、お土産にちょうどいいロンドンらしいグッズもたくさん売られていますよ!

また、「サイバー・トランス・ミュージック」が好きな人はもちろんのこと、特に興味のない人でも絶対に入ってもらいたいのが前衛的なファッションアイテムを売る「CYBER DOG」。今までに見たことのない衝撃のお店であること間違いなしです!
営業時間:
月曜日〜日曜日:10:00〜18:00
※お店によって異なります。フードマーケットは深夜まで
〖カムデン・ロック(Camden Lock)〗

「カムデン ロック(Camden Lock)」内には、世界のフードを楽しむことができる屋台が軒を連ねています。
多くのお店が料理を店頭に並べ、メニュー名を大きく張り出しているので、何が入っているか目で確認できて安心。
屋台店舗のほとんどがテイクアウト(イギリスではテイクアウェイという)方式ですが、ちゃんと座って食べられる場所も併設されているので、心配は無用!

ちなみに、「カムデン」の中のマーケットには「ロック」という名前が付いているものがありますが、この「ロック」とは「リージェンツ運河(Regent’s Canal)」の水位を調節する「閘門(こうもん)」を意味しています。
これは、産業革命真っ只中の19世紀初頭に、石炭や製品を運ぶために造られたものになります。
営業時間:
月曜日〜日曜日:10:00〜18:00
※お店によって異なります。フードマーケットは深夜まで
〖カムデン・ロック・ヴィレッジマーケット(Camden Lock Village Market)〗

「カムデン・ロック(Camden Lock)」と道路を隔てて存在する「カムデン・ロック・ヴィレッジ(Camden Lock Village)」には、「カムデン・タウン」を流れる「リージェンツ・カナル沿い」にフードエリアや手作りの作品を主に出店しているお店が軒を連ねており、「カムデン・ロック」とは違った雰囲気に包まれています。
インド料理、中華、メキシカン、ハンバーガー、地中海料理、和食、デザート等、何でもあり、どれもボリューム満点!ロンドンのファーストフードチェーンで食べるより断然安くて美味しいです。
試食をさせてくれるところも多いので、失敗する心配もありません!

そしてもう一つ、注目すべきは古いイタリアンスクーター「ベスパ(Vespa)」が備え付けられているエリアです!
バイクの座席が椅子になっており、ユーモアに溢れていて、食事が楽しくなりそうですよね。タウパス沿いに座って、運河を眺めながら食べることも出来ますよ!
営業時間:
月曜日〜日曜日:10:00〜18:00
※お店によって異なります。フードマーケットは深夜まで
〖バックストリート・マーケット(Back Street Market)〗

駅から歩き始めてすぐ右手に見えてくるのがこの「バックストリート・マーケット(Back Street Market)」です!
ハイストリートに面している大きな「The Camden Market」の表示が目印。
マーケット内では世界的に有名なバンドがプリントされたTシャツや、ジーンズ、アクセサリーなどのお店が細い通路に約200店舗立ち並んでいる他に、ライブ音楽や屋台、バーが並ぶエリアもあり、この場所だけで1日過ごすことができるほどのボリュームです。

そして注目して頂きたいのは、それらのお店の上に掲げられた、迫力満点の面白オブジェの数々!今にも落ちてきそうな、巨大なスニーカー、椅子、飛行機などが、建物に貼り付けられており、観光客を楽しませてくれます。
若手デザイナーのお店もちらほら入っているのでチェック必須!このマーケット内でのスリが一番多いと言われているので注意も必要です。
営業時間:
月曜日〜日曜日:9:30〜18:00
〖ハイストリート(High Street)〗

「カムデン・タウン駅」と「チョーク・ファーム駅」を結ぶ約1キロの「カムデン・ハイストリート(Camden High St)」には、個性的な外観で人々を魅了する数々の店舗が軒を連ねます。
ハイストリートやパンク、ゴス系のファッション店、タトゥーやアクセサリー店、そしておしゃれなカフェなどがあります。
注目していただきたいのは、お店の外装!日本ではなかなかお目見えしないエキセントリックなお店の外装には目を奪われるはず!オシャレな飲食店も並んでいるので是非トライしてみてください!
営業時間:
月曜日〜日曜日:10:00〜18:00
※お店によって異なります
いかがでしたでしょうか。
「カムデン・タウン」は、情緒的な運河、活気溢れるマーケット、迫力のあるお店のディスプレイなど、実にユニークで魅力的な街です!
「カムデン・タウン」にお出かけの際は、お腹を空かして時間もたっぷりとっていかれることをおすすめします!
また、常に人で溢れかえる人気の観光地なので、その状況を狙ってやってくるスリが潜んでいる可能性があります。手荷物には十分に配慮を払い、被害にあわないようにご注意くださいね!
クリスマス以外の364日、毎日10時から18時まで営業。人混みが苦手な人は平日午前に「カムデン・タウン」の一番「熱い」時を見たい人は、週末の昼下がりに行ってみて下さい!
続きの記事【PART②】では、「カムデン・タウン」のおすすめお洒落ショップ・グルメについて詳しくご紹介しています。是非ご覧ください!
続き【PART②】はこちらから!☛イギリス ロンドン カムデン・タウン〖PART②〗:おすすめお洒落ショップ・グルメ21選!【ショップ・グルメ】
【基本情報】
カムデン・タウン
設立: 1791年
市外局番: 020
特別区: カムデン・ロンドン特別区
住所:CAMDEN MARKET, CAMDEN LOCK PLACE, LONDON NW1 8AF
電話番号:+44-20-3763-9900
アクセス:「カムデン・タウン駅」から徒歩5分
営業時間:10:00~19:00
※店舗によって異なります。
定休日:なし
公式サイトURL:https://www.camdenmarket.com/
※記事内容は執筆時点のものですので、最新の内容をご確認ください。
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