- 私の旅行記
イギリス ロンドン バービカン・センター
更新日:2020年12月28日

こちらは、ロンドンのシティ中心に位置するヨーロッパ最大規模の複合文化施設「バービカン・センター(Barbican Centre)」です!
「コンサート会場」・「劇場」・「映画館」・「アートギャラリー」・「植物園」・「図書館」・「大学の音楽学部」なども含む、ヨーロッパ最大の文化施設と言われるこのセンターは、戦後の復興計画として造られた集合住宅が立ち並ぶ「都市型住居街」の一角にあります。
竣工は1982年、建物には20数年前の面影がよく残っており、これらの住宅にはいまも約4,000人の人々が住んでいます。

ほぼ毎日のようにクラシックの演奏会が開かれる「バービカン・ホール」には、ロシア出身の世界的指揮者「ゲルギエフ」氏が率いる「ロンドン交響楽団(LSO)」と「BBC交響楽団」の本拠地。
その他、館内には大小2つのシアターと3つの映画館、図書館、カフェ、レストランといった設備が整っています。
今回はそんな、「バービカン・センター」について詳しくご紹介させていただきます!
【バービカン・センター:基本情報】
〖歴史・概要〗

ロンドン中心部の金融街「シティ(City)」に隣接する「バービカン・センター(Barbican Centre)」は、1965~76年にかけて建設された巨大集合住宅「バービカン・エステート(Barbican Estate)」内に、1982年にオープンした複合文化施設です。
「女王・エリザベス2世」の名の下に「国民へのプレゼント」として建てられた施設で、ヨーロッパでは世界最大級の文化施設として知られています。
かつてこのあたりは路地や倉庫が迷路のようでしたが、1940年12月の「第二次世界大戦」の空襲でほぼ全焼。1955年にこの地域一帯の再開発計画案が提出され、その中で大規模な文化センターが計画されました。

「バービカン・センター」が立地しているのは、「ザ・シティ・オブ・ロンドン(ザ・シティとも呼ぶ)」という1世紀からある英国でも最も古い町の中で、ここは独自の名誉市長と警察がいる【特別自治地区】になっています。
「ザ・シティ地区」の独立自治体は、「コーポレーション・オブ・ロンドン」という法人。「バービカン・センター」は、今日の4~5億ポンド(80~100億円)に匹敵する1億6,100万ポンドという莫大な総工費をかけて、「女王・エリザベス2世」の名の下に「国民へのプレゼント」として建てられた施設で、ヨーロッパでは世界最大級の文化施設として知られています。
日本でいうところの市民会館のような存在で、「コンサート会場」・「劇場」・「映画館」・「アートギャラリー」・「植物園」・「図書館」・「大学の音楽学部」などの文化施設が一堂に会しています。

「Curve(無料のギャラリー)」・「Art Gallery(有料)」の2つのギャラリーでは今話題のアートに出会えます!いずれも話題作やこだわりの展示が多く「故蜷川幸雄」氏の演出による日本の「シェークスピア劇」や「村上春樹原」作「海辺のカフカ」はロンドナーにも絶賛!
「バービカン・シアター(大劇場)」と「ピット(小劇場)」は共に話題の芝居やダンス、音楽などさまざまなプログラムが組まれ、常に注目のエンターテインメント発信地として有名。週末は敷地内で無料コンサートやイベントが行われることも多いため、要チェックのスポットです!
【バービカン・センター内の施設一覧】

・バービカン・ホール:「ロンドン交響楽団」と「BBC交響楽団」の本拠地・1,949名収容。
※「ロンドン交響楽団」は世界で指折りのオーケストラ!皆さんご存知「スターウォーズ」のすべての演奏はこのオーケストラによるものなんです!
・バービカン・シアター:かつては「ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー」の本拠地。日本の演劇・歌舞伎なども上演1,166名収容。
・ピット・シアター:200名収容。
・バービカン・アートギャラリー:1,400平方メートルの「アートギャラリー」と800平方メートルの馬蹄形の「カーブギャラリー」。
・バービカン・シネマ:3つの映画館があり、それぞれ288、255、155名収容。
〖建築:バービカン・エステート〗

「バービカン・エステート」という居住・商業施設内には住宅やオフィス、学校などが、「バービカン・センター」内には、コンサートホールや劇場、映画館、アートギャラリー、図書館から温室まで多彩な文化施設やレストランやバー、カフェなどの飲食店があります。
これらの近代的な建物群は、1097年に造られた「セント・ジャイルズ教会」をぐるりと取り囲むように建てられており、古代と現代が融合したシティの縮図のような場所。
そして同地の特徴は何と言っても、歴史を感じさせるレンガ造りの建物や急ピッチで建設が相次ぐ高層ビルが並ぶロンドンの景色の中で異様を放つ「ブルータリスト(またはブルータリズム)建築(Brutalist/Brutalism architecture)」。

「粗暴な、荒々しい」などの意味を持つ「ブルータル(Brutal)」が語源の「ブルータリスト建築」は、1950~60年代に流行した建築様式で、学校や市役所、文化施設など公共の建物に多く取り入れられており、打放しコンクリートを多用した重厚で無機質なデザインが特徴。
文字通り、どこかしらに生活感と物語(歴史)の排除を感じさせ、いわゆる観光ガイドブックに掲載されているようなロンドンのイメージからかけ離れた印象を与えてくれます。
【敷地内に広がる豊かな空間】

「エステート」内には人工池や心地良い広場の周りに大小さまざまな集合住宅棟があり、その中心に複合文化施設「バービカン・センター」が配置されています。
建物から建物へは、低層部に張り巡らされた歩行橋を使うことにより、車の通行を気にせず安全に移動することができ、各住戸のベランダには花壇が設けられ、色とりどりの花が咲く光景はとても美しいです。
40階建ての超高層タワー3本を含む20棟の住宅棟には全2014室、約4000人が暮らしており、また中世からの教会や音楽学校、女学校なども併設しています。
〖営業時間〗

9時00分~23時00分(日曜は11時~、祝日は12時~)
※上記はセンター全体のオープン時間で「アートギャラリー」・「ライブラリー」は異なるので注意。
【チケット予約】
電話番号:+44 20 7638 8891
月曜日~土曜日:10:00~20:00
日曜日・バンクホリデー:11:00~20:00
【アドバンス・ボックス・オフィス(Level G)】
月曜日~土曜日:10:00~21:00
日曜日・バンクホリデー:正午~21:00
料金:イベント(公演)による
オープン時間
月曜日~土曜日:9:00~23:00
日曜日:11:00~23:00
バンクホリデー:正午~23:00
【アート・ギャラリーとギャリー・ショップ】
土曜日~水曜日:10:00~18:00
木曜日~金曜日:10:00~21:00
〖休業日〗
12/24、12/25、12/26
〖入場料〗
有料大人:10ポンド~
※演目と座席により異なる。
〖アクセス〗
地下鉄「バービカン(Barbican)駅」から徒歩5分。地下鉄のサインの下にもしっかり「Barbican Centre」と書いてありますので、案内表記に従っていけば迷うことは無いでしょう。
ただし、「バービカン・ホール」入口は少々分かりずらく、場所は敷地の東側。「シルク・ストリート」がL字に曲がった中腹あります。
また、「文化センター」である「バービカン・センター(ホール、シアター、シネマ(映画館)」・「アートギャラリー」・「図書館」などがあり、居住エリアもある「ロンドン博物館」とも「2階通路(High Walk)」で連結していますので、天気の悪い日でも、「バービカン」&「ロンドン博物館」共に楽しむことができますよ!
〖バービカンのツアー〗

【Architecture Tours】
「バービカン・エステート」の建物ツアーで、料金は£12.50、Level Gのチケットデスクからスタート。
実施時間:17:00, 19:00, 14:00, 15:00, 16:00, 13:00
予約・詳細はこちらから➡️https://www.barbican.org.uk/whats-on/talks-workshops
【RSC Backstage Tours】
「シアター」のバックステージツアーで、参加は12歳以上から、料金は£12.50。
実施時間:17:00, 11:00
予約・詳細はこちらから➡️https://www.barbican.org.uk/whats-on/talks-workshops
【目的から探す】
・イベントスケジュール➡️https://www.barbican.org.uk/whats-on
・芝居&ダンス➡️https://www.barbican.org.uk/whats-on/theatre-dance
・アート➡️https://www.barbican.org.uk/whats-on/art-design
・映画➡️https://www.barbican.org.uk/whats-on/cinema
・クラシック➡️https://www.barbican.org.uk/whats-on/classical-music
・コンテンポラリー・ミュージック➡️https://www.barbican.org.uk/whats-on/contemporary-music
〖公式サイト〗
【バービカン・コンサバトリー】

「バービカン・センター」の中で、最近インスタ世代に人気を博しているのが、日曜限定で開園しているロンドンで2番目の規模を誇る温室「バービカン・コンサバトリー(Barbican Conservatory)」です。
※無料で一般公開されています。
「バービカン・センター」内の【レベル3】にあり、人気を博している理由は行って見れば一目瞭然!年月をかけて成長したむせ返るようなツタや南国の草花が、それに相対するように無機質なコンクリート造りの植え込みやバルコニーを覆うようにして生い茂り、とにかくどこを切り取っても絵になるのです。

コンクリート、スチールとガラスで建設されたコンサバトリーには、3つの小さな池もありコイ、ローチやテンチなどが泳いでいるのですが、やはり見応えがあるのは温室に植えられたたくさんの植物です。
コンサバトリー内には、温帯や乾燥した地域の2000種以上の植物が植えられていて圧巻!トロピカルな雰囲気でサボテンや多肉植物も充実しています。

大きな木生シダ、ナツメヤシや日常生活に馴染みのあるコーヒー、ショウガ、レモンやアボカドなどもあります。
まるで過去を見ているような、廃墟となりゆく近未来を見ているような、不思議な世界に足を踏み入れた気分に陥ります。

そして、その廃墟感はスタジオジブリの名作アニメ映画「天空の城ラピュタ」のラピュタ城を想起させる、儚げな美しさを放っており、渡り廊下や小さな池にかかる橋を渡るときは冒険しているかのような気分になれます。
「コンサバトリー」の歴史や詳しく植物のことを知りたいなら、温室スタッフによる有料のツアーがおすすめです!
※要予約:所要時間60分
〖アフターヌーン・ティー〗

「コンサバトリー」では、たくさんの植物に囲まれて「アフタヌーン・ティー」を楽しむこともできます。
※時期限定・要予約・1人35ポンド
この緑にあふれた温室の一角で、毎週日曜日の午後のみ「アフタヌーン・ティー」が提供されており、温室内の植物からインスパイアされた繊細なスウィーツをぜひお試しあれ!
プレーンなパンとヘルシーなライ麦パンを使った、スモークサーモンとキュウリ、卵のクラシックな「サンドイッチ」やコーヒーチョコを使ったエクレアやパッションフルーツの「マカロン」、「フルーツタルト」など、温室内にある植物からアイディアを得たスウィーツの皿がおすすめ!
※シーズンごとに内容は変更されます。

丁寧に焼き上げられたレーズンの「スコーン」には、クロテッドクリームとジャムが添えられています。
「アフタヌーン・ティー」の時間は、「コンサバトリー」の開館日である日曜日の12pm、2:15pm、4:30pm。
予約はこちらの公式ウェブサイトからどうぞ➡️https://www.barbican.org.uk/whats-on/2017/event/conservatory-afternoon-tea

【基本情報】
バービカン・コンサバトリー Barbican Conservatory
住所:The Barbican, Silk St., London EC2Y 8DS
電話番号:020-7638-8891
営業時間:日曜のみ12pm、2:15pm、4:30pm
公式サイト:http://www.barbican.org.uk/restaurants-bars/afternoon-tea/
※イベントなどで開園しない、または日曜以外の祝日に開園する場合もあるので、公式ウェブサイトで要確認!

いかがでしたでしょうか。
「バービカン・センター」では、Wi-Fiが無料で使えたり、フリーアドレスのワークデスクが置かれていたり、カフェが併設されているため、ゆっくり過ごすのに最適です。
ゆったり座れるソファもいくつかあり、休日などにぼんやりと本を読んだるするのも良いですね。
建築ファンや廃墟ファンの方はもちろん、そうで無い方にもおすすめしたい「バービカン」。ロンドン旅行の際はちょっと変わった名所として、訪問先に是非とも加えてみてください!
【基本情報】
住所:Silk St., London EC2Y 8DS
電話番号:(020)76388891
アクセス:地下鉄バービカン(Barbican)駅から徒歩5分
駐車場:有(有料)
営業時間:
9時00分~23時00分(日曜は11時~、祝日は12時~)
※上記はセンター全体のオープン時間で「アートギャラリー」・「ライブラリー」は異なるので注意。
定休日:なし
休業日:12/24、12/25、12/26
入場料:
有料大人:10ポンド~
※演目と座席により異なる。
事前予約:要
クレジットカード:Visa,Master,American Express
※記事内容は執筆時点のものですので、最新の内容をご確認ください。
#Unitedkingdom #London #バービカンセンター #複合文化施設 #歴史 #ロンドン交響楽団 #BBC交響楽団 #建築 #バービカンエステート #ブルータル #バービカンコンサバトリー #アフターヌーンティー #アートギャラリー #photo