- 私の旅行記
イギリス ロンドン ロイヤル・ボタニック・ガーデンズ・キュー:見どころ21選!歴史・アクセス・チケット購入方法・カフェ・お土産まで徹底ナビ!
更新日:2020年12月28日

こちらは、ロンドン南西部の「キュー」という街にある植物園「ロイヤル・ボタニック・ガーデンズ・キュー(通称:キュー・ガーデン)」です!
「キュー・ガーデンズ」は「王立植物園」として世界で最も有名な【ユネスコ世界遺産】であり、元々は宮廷併設の庭園でした。
世界有数の研究結果を残しており、現在も園内の様々なところで研究作業が行われ、その研究の様子を見ることができるブースもあります。
132ヘクタールもの広大な敷地には世界中の植物種の10分の1以上およそ700万種にものぼる植物が展示されており、「キュー・ガーデンズ」に建設されている庭園は、大陸別に気候や温度を細かに調節され、世界中の様々なガーデンスタイルを楽しむことができます。

特に有名なのが「パーム・ハウス」と呼ばれる温室。写真を撮ろうとすると、カメラが曇るほどの湿気と共に、熱帯ジャングルが目の前に広がります。日本の植物も多く見られ、英国に造られる日本庭園はなかなかの趣深さがあります。
また、園内のレストランやお土産屋さんは、ほかの公園と比べてかなり綺麗に整備されており、おしゃれなエコバッグや植物図鑑等、グッズも豊富なのでぜひ立ち寄ってみてください!
今回はそんな、「ロイヤル・ボタニック・ガーデンズ・キュー(通称:キュー・ガーデン)」について詳しくご紹介させていただきます。
【歴史】

「キュー・ガーデン」は、1759年に「オーガスタ皇太子妃」によって創設された、英国の「王立植物園」です。
1759年に「ジョージ3世」の母で后「プリンセス・オーガスタ」が宮廷の庭園として、庭師の「ウィリアム・アイトン」に命じて整備しました。
その後、「キャプテン・クック」に伴って世界各地を旅し、様々な植物を収集したバンクスのコレクションが加わり充実した庭園となりました。
「ジョージ3世」は、「ウィリアム・エイトン」や「サー・ジョゼフ・バンクス」に命じて、その後も庭園の植物を充実させました。「旧キュー・パーク」は1802年に廃止されています。

「ウィリアム・チェンバーズ」の設計による建築物がいくつも建てられ、1840年には植物園として開放され、植物園の園長を務めた植物学者の「フッカー父子」が植物標本館や図書館を充実させました。
その功績もあり、現在は植物園としての役割の他に、植物研究機関としても活動し種子を収集し貯蔵する「シード・バンク」としても有名です。また、品種改良を行い、育成条件が整っている植民地に移植するなどの実績も残しています。
植物コレクションの多様性においては世界一と言われ、また植物と菌類に関する最高峰の学術機関として、世界をリードしています。2003年には、【ユネスコ世界文化遺産】の指定を受けました。
【アクセス方法】
「キュー・ガーデン」は、ロンドン中心部から地下鉄の「ディストリクト線(District Line)」で30分ほどです。
ここでご注意いただきたいのが、「キューガーデン(Kew Gardens)駅」へ行くには必ず「リッチモンド(Richmond)行き」の電車に乗る必要があります。
終点が「イーリング・ブロードウェイ(Ealing Broadway)」や「ウィンブルドン(Wimbledon)」などの電車もあるので、お間違えのないように!

なお、終点駅は「プラットホーム」の電光掲示板および各電車の車体に明記されています。
「キューガーデン駅」で下車後、地下道を使って駅の反対側へ。線路と直角に走る道を5分ほど行くと「キュー・ガーデン」の「ヴィクトリア・ゲート」に到着します。
大勢のロンドンっ子や観光客が同じ方向に歩いていくので、それについて行けば大丈夫です!

ちなみに、「キュー・ガーデン」の入り口は4つあるのですが、最寄り駅によって一番近い「キュー・ガーデン」の入り口が違ってきます。
・「Kew Gardens Station(キュー・ガーデンズ駅…District/Overground)」から「Victoria Gate(ヴィクトリア・ゲート)」まで0.5km
・「Richmond駅(リッチモンド…National Rail/District/Overground) 」から「Lion Gate(ライオン・ゲート)」まで1km
・「Kew Bridge Station(キュー・ブリッジ駅…National Rail)」から「Elizabeth Gate(エリザベス・ゲート)」まで0.8km
入場券はゲートで購入可能なので、案内に従って購入してください。
【チケット購入方法・入場料金】

チケットは現地でも購入可能であるものの、当日券は行列ができていることが多いため、事前にネット予約をしてeチケットを印刷しておくとスムーズです。
ネットで予約すると割引があるのでネット予約(£16.5※2019年5月現在)がおすすめです!ロンドン在住の方は、一年通い放題(£71)のお得なチケットもあります。
なお、秋冬はチケットがセールになる場合もあります。
キューガーデン公式サイト予約ページ(英語):http://www.kew.org/buy-tickets
【ロンドン・パス】

おすすめは「ロンドン・パス」を事前に購入する方法!市内80か所以上ものスポットで使えるフリーパスでお得に入場でき、一部の観光スポットでは優先入場の特典やお土産の割引などもあります!
【魅力・見どころ!】
〖パームハウス〗

19世紀ヴィクトリア時代に建てられたガラス温室として貴重な建築物と有名な「パームハウス」は、長い歴史を持ちこの「キュー・ガーデンズ」の象徴とも言えます。
建設は1844年。ビクトリア時代の探検家たちが熱帯から持ち帰った植物を展示するために、「ハイドパーク」も設計した建築家「デシマス・バートン」の設計に基づき、鋳鉄業者の「リチャード・ターナー」が建設しました。
全長110メートル、高さ19メートルもの大温室であり、「パームハウス」の特徴的なカマボコ型の外観は当時の造船技術をとりいれて設計されたものになります。

建造には当時の造船技術が応用されましたが、鉄製のフレームとガラスによって、こんなにも美しい曲線を描けることに感心してしまいます。
また、温室なため実際に室内に入ると予想以上に暖かく、冬に観光に行くと外との温度差を肌で実感出来るくらいです。
そんな「パームハウス」には、「パーム(ヤシ)」という名前から分かるように温暖な地域の様々な植物を数多く見ることができ、温室にはらせん階段が造られており、階段を上がった2階からも生い茂る植物を見ることもできます。

世界中から集められた熱帯植物が大陸別に植えられており、ジャングル探検をしている気分で好奇心を掻き立てられます。
ミストが突如として噴出したり、日替わりのデモストレーションも行われ1年を通して様々な楽しみ方ができますよ!
また、場所によってむっと立ち込めるような湿度と温度のところがあり、地下の水生動物コーナーもなかなかの人気を誇ります。
〖テンパレートハウス〗

1860年に建築が開始され1863年に一般公開が始まった「テンパレートハウス」は現在、「歴史的重要建築物」の「グレード1(同グレードにはバッキンガム宮殿など)」に指定されています。
2013年に修復や新たな植物の展示に向け一旦閉館しましたが、2018年5月に再オープン。60億円もの予算を投じられてよみがえった息をのむような建物の美しさが今話題となっています。
「テンパレート(Temperate)」いう単語は英語で「温帯」という意味で、温室には希少価値の高いものや絶滅の危機に瀕している植物があるなど必見のスポットです!

16mと世界で最も背が高く、さらに成長し続けるチリ産「ワイン・パーム」の木や、160年ぶりに開花したエキゾチックなアフリカの花「プロテア」などが展示されています。
建て物は「パームハウス」と同じ建築家によるもので、今回の大修復で使用された15000枚のガラスが古い建物を一層際立たせています。
「パーム・ハウス」と比べて2倍ほど(4880㎡)の大きさを誇っているため、現在あるビクトリア時代の温室としては、最大クラスのものになります。ギャラリーで上から植物を眺めてみると、生き生きとした植物が美しく見えるでしょう。
〖ウォーターリリーハウス〗

「ウォーターリリーハウス」は、ヴィクトリア朝の園芸家を魅了した、アマゾン原産のオオオニバスを育てる目的で、1852年に建てられました。
建物の中は、直径約10mの丸池でほとんど占められており、池の周りをぐるりと一周しながら、水面に浮かぶスイレンの類や、ふわふわしたパピルス、吊るされたヒョウタンの類といった、熱帯植物を見ることができます。

池では今もオオオニバスが栽培されていますが、葉が大きすぎるため現在は、それより小ぶりなサンタクルス・ウォーターリリーを多く育てられています。
「ウォーターリリーハウス」は、植物の性質上「キュー・ガーデン」で気温と湿度が最も高い建物です。冬の間は閉まっているため、見たい方は注意してください。
〖プリンセス・オブ・ウェールズ・コンサーバトリー〗

「プリンセス・オブ・ウェールズ・コンサーバトリー」は、あの「ダイアナ妃」によって1987年にオープンした温室で、三角形に重なったデザインがとても魅力的です。
コンピューター管理のもと10の気候の部屋で構成されており、ここでも熱帯の植物を見る事ができ、蘭、蓮、サボテン等の植物がエリアに分けられて栽培されています。
中でも熱帯地方の植物は圧巻で、この世で最も巨大で臭いと言われている「スマトラオオコンニャク(開花時期は不明)」や「パイナップルの木」などがあります。

ちなみに「パイナップルの木」は500年以上前に「コロンブス」がヨーロッパに持ち帰り、イギリスでは貴族の間で富の象徴としてデザートに食べるのが流行ったそうです。
またこの施設には、建設されている最中に、絶滅危惧種となっている植物の種が入っているタイムカプセルが埋められています。
〖ローズガーデン〗

「パーム・ハウス」を出ると、南西側に「ブッシュローズ」と「シュラブローズ」による「ローズガーデン」があります。
「キュー・ガーデン」創立250周年を記念し作られた「ローズガーデン」は、植物園らしくそれぞれのバラに品種名が書かれたプレートが添えられているので、日本でオールドローズがブームになった頃によく耳にした、少し懐かしいオーソドックスな品種にも多々出合えます。

バラは、低く咲くものから背丈以上に枝を伸ばして、重そうに花首を垂らして咲くものまで、品種ごとの樹形を生かしたナチュラルな仕立てになっています。
バラを楽しめるのは、5月中旬から9月頃でピークは6月頃になります。
〖ダブル・ハベーシャス・ボーダー〗

全長320m、3万株の宿根草が植わる花壇は、英国最長の「ダブル・ハベーシャス・ボーダー(小径を挟んで対になってつくられる宿根草花壇のこと)」。
この道は元々「パーム・ハウス」に至る散歩道でしたが、2016年の春に現在のような形になりました。

「リーガルリリー」が今にも咲きそうにつぼみを膨らましていたかと思えば、「アルケミラモリス」がまるで絨毯のように広がっています。
そして、「トリトマ」や「バーバスカム」、「イヌラ・マグニフィカ」といった、オレンジや黄色の元気な色の花が、鮮やかに園路を彩ります。
〖パゴダ〗

「パゴダ」は建築家である「ウィリアム・チェンバース」のデザインで1762年に建設された、高さ50メートルの塔です。
長年にわたり「キュー・ガーデン」を見守っており、8角形の塔は10層に分かれて天高く聳え、内部には253段の階段が設置されています。
「キュー・ガーデン」のどこからでも塔を見る事ができ、4月から9月の間に一般公開されています。
〖キュー・パレス〗

英国王室の領地だった植物園の敷地内には現在も王室の館「キュー・パレス」が建っています。
1631年にロンドンの商人によって建てられたオランダ風のカントリーハウスで、別名「オランダ・ハウス」と呼ばれています。当時、流行していたオランダ式切妻様式で造られています。
18世紀前半に「ジョージ3世」の兄が借り上げた後「王宮」となり、「ジョージ3世」の治世紀である1802年の改築により現在の形となっています。

「ジョージ3世夫妻」には「最も小さいロイヤル・パレス」として愛されていたそうです。
ガーデン内で最も古い建物の内部では、「ジョージ3世」とその妻「シャルロット」、子供たちの生活ぶりやイギリスの政治背景などに関する展示がされています。また、18世紀当時のコスチュームを着たスタッフもとても素敵です。
王家の離宮であった1800年から1888年に実際の様子が展示されており、当時の様子を垣間見ることができるので訪れる価値ありです!

農業が好きだった「ジョージ3世」は、王族にしては地味な生活振りだったようで、屋敷内は意外と簡素な雰囲気です。
1階にはダイニングルーム、「シャルロット妃」の寝室や居間、3階には娘たちの部屋などが展示されています。
王妃の部屋にはカードゲーム用のテーブルやティーセット、天蓋付きのベッドなどがあり、当時の暮らしぶりを伺えます。

たくさん飾られた絵画の中には、王妃たった一人の孫の「ヴィクトリア女王」の小さいころの絵が飾られています。
また、図書室の壁の下からは壁画が発見されており、約1cmの厚さの漆喰が塗られ、18世紀に流行ったジョージアン風の無地の壁にされていた背景も見られます。
3階の娘たちの部屋はまだ改装が行われず、幽霊がでそうな雰囲気ですが、これもまた歴史を感じることができます。

更に別棟には、「キュー・パレス」の別館「ロイヤルキッチン」があり、18世紀のキッチンの様子や事務室、貯蔵庫、地下のワインセラーなどが忠実に再現されています。
中でも調理用の暖炉には煙突にファンが設置され、当時にしては最新型の機材でかなり魅力的です。
またお風呂も公開されており、「ジョージ3世」の精神錯乱は有名な話で、回復期にはここが隠遁所でした。

18世紀の頃は精神科医療に氷の水風呂に患者を入れるという治療が行われており、「ジョージ3世」もここで「水風呂治療」を受けたようです。
当時の時代背景や王族の暮らしぶり、「ジョージ3世」に興味のある方はぜひ訪れてみてください!
ちなみに、今日の「キュー・ガーデン」の原型を作ったのは、「ジョージ3世」の父であった「フレデリック・ルイス王太子」と妻の「オーガスタ王太子妃」と言われています。
〖ザ・ハイブ〗

カモミールなど34種の植物からなるメドウに囲まれて建つ「ザ・ハイブ」は、17万個のアルミ製パーツと1,000個のLED電球からなる「巣」をハチになった気分で体感するという、高さ17mの「インスタレーション・アート」です。
2015年「ミラノ万博」の英国館展示品として、アーティストの「ウォルフガング・バットレス」によって作成されたものが移築されました。

高さが17メートルあり、ガーデン内の非公開エリアにある本物のハチの巣とつながっており、このハチの巣内部のマイクロチップはミツバチの動きを検知し、連動して「ザ・ハイブ」のライトとサウンドスコープを動かします。
ハチの研究にインスピレーションを受けてデザインされたというこのアート作品は、人間が食べる食物の受粉を担っているハチの重要性を訴えかけるものです。

また、ハチ気分が味わえる実験スポットもあり、置かれてある小さな棒を加えてこの柱の指定された穴に差し込み、端を口で加え、そのあと両耳をふさいでみてください。何が起こるのかは、ご自身でぜひ体験してみてください!
ハチの気持ちなるなんて普段中々出来ませんが、ここでは他にもハチの気持ちになって体験出来ることがあるので、是非体験してみましょう!
ちなみに「キュー・ガーデン」では、ハチの食糧となるさまざまな植物を確保するなど、近年危惧されるハチの減少を食い止めようと対策なども試みています。
〖ツリートップ・ウォークウェイ〗

「ザ・ハイブ」の見学後は、「キュー・ガーデン」を横断する「プリンセス・ウォーク」という道を辿って「ツリートップ・ウォークウェイ」へ向かいましょう!
高さ18メートル、200メートルの空中歩道はスチールでできているにもかかわらず錆色と相まって木のように自然と一体化。高所恐怖症の方にはちょっと勇気がいりますが、その高さによりきれいに植物を見渡す事ができ、季節によって景色が変わるので、どの時期に来ても楽しむ事ができます。
〖マリアンヌ・ノース・ギャラリー〗

「マリアンヌ・ノース・ギャラリー」には、その名の通り「マリアンヌ・ノース」という女性が描いた作品が展示してあります。
「マリアンヌ・ノース」は、いわゆる良いところのお嬢さんだったのですが、父親が莫大な財産をのこして亡くなった後、たった一人で世界旅行に出かけ、世界各地で植物の油絵を描き残しました。
「ビクトリアン・レディー・トラベラー(ビクトリア時代の女性旅行者)」の一人で、描いた作品数は13年間で800枚にのぼります。

絵の特徴は、はっきりとした色彩で植物の特徴を描いていることで、植物学的にも価値のあるボタニカルアートになっています。彼女が絵を描いた場所の景色が、開発によって現在どのように変わってしまっているか、という展示もありますのでぜひご覧ください!
「マリアンヌ・ノース・ギャラリー」は、「ビクトリアゲート」をはさんで「パームハウス」とは反対側にあります。
〖グレート・ブロード・ウォーク・ボーダーズ〗

「グレート・ブロード・ウォーク・ボーダーズ」という名前のボーダー花壇。道の両側にびっしりと3万本の植物が植えられており、色彩のレイヤーがとてもきれいです。
アルストロメリア、エルサレムセージ、アリウム、リーガルリリー、フォックステールリリー、セファラリア・ギガンティア、ノコギリソウ、アスチルベなどが植えられ、イギリスのガーデンらしい景色を楽しむことができます!
〖ロックガーデン〗

「ロックガーデン」は、1882年に3,000株の高山植物の寄付を受けたことをきっかけに作られました。
「ピレネー山脈」の生息環境を模して、階段状に砂岩を組んだ花壇の中に草丈30㎝もないような、小さな高山植物が植えられています。
普段なら見落としてしまいそうな小さな花の繊細な咲き姿が、ここではよく観察できます。綿のような花や針のような花など、これまで見たことのない植物にもたくさん出合えるコーナーです。
〖ローズパーゴラ〗

「ロックガーデン」を眺めながら歩くと、鮮やかなバラに彩られた「ローズパーゴラ」の入り口に到着します。
長い「パーゴラ」には、数多の花を咲かせるつるバラが何種類も絡んでいて、豪華な回廊を形作っています。
〖プラント・ファミリー・ベッド〗

「プラント・ファミリー・ベッド」と呼ばれる102に区分けされた花壇には、シソ科やナデシコ科というように様々な植物が93の科に仲間分けされ、紹介されています。
学術的な花壇ですが、ガーデンとしての見応えも十分の美しい場所です。
また、「プラント・ファミリー・ベッド」の一角には、デザインの異なるハチの巣箱が3タイプ並んでおり、これはマルハナバチやミツバチの巣箱になります。ただし、メドウに囲まれていて近くに寄ることはできません。

「キュー・ガーデン」では、近年危惧されている受粉を担うハチの減少を食い止めようと、ハチの好む植物を植えるなど、生育環境を整えています。
ここで待っていれば、ころんとした可愛らしいマルハナバチを観察できるそうですよ。
〖キッチンガーデン〗

その昔、ここは「キュー・パレス」に住まう「ジョージ3世」のために食物を育てた畑でしたが、現在は「BBC」のテレビ番組のために作られた新しい「キッチンガーデン」があります。
有名フレンチシェフの「レイモンド・ブラン」が案内役となって、250種の野菜や果物を一年を通じて収穫しながら、料理や食の歴史を紹介する番組で、この「キッチンガーデン」はテレビを通じてとても人気があるのだとか。

小さな実をつけた、エスパリエ仕立てのリンゴやナシの仲間、これから支柱に絡まるであろう、まだ小さな苗のインゲン類や花茎を立ち上げ始めたラベンダー、ハーブも野菜も花も実も一緒に楽しめるガーデンになっています。
支柱の先端には、作業中にかがんでも怪我をしないようにと、小さな植木鉢がかぶせてあり、本当に庭づくりを長年続けた国の植物園だと実感させられます。
〖グラス・ガーデン〗

騙されたと思って一目ご覧頂きたいのが「プリンセス・オブ・ウェールズ・コンサーバトリー」の近くにある草の庭園「グラス・ガーデン」です!
なんと500種類以上もの「草」が植えられており、ガーデニングのプロによってこのようにセンス良く配置されると、なんともオシャレですよね!
そよ風で優しく揺れる草が奏でる音色は究極の癒しサウンド。5月から9月までが見ごろです!
〖民間ハウス〗

「キュ・ーガーデン」内を散策していると、思いがけず日本らしい景色に出会うことができます。
中でもロンドンっ子や観光客に絶大な人気を誇るのが「民家ハウス」です。もともとは岡崎市に立っていた民家を、2001年に「日本民家再生リサイクル協会(現・日本民家再生協会)」が寄贈したもの。
周りはアジアやアメリカなどたくさんの国から収集された竹林に囲まれ、楚々とした風情を醸し出しています。囲炉裏や機織りなどがある内部もご覧ください。
〖勅使門〗

民家に比べると小規模ながら「ジャパニーズ・ゲートウェイ」と呼ばれる「勅使門」も人気のスポットです。
これは京都の「西本願寺勅使門」を縮小したレプリカであり、周辺には灯篭なども建てられ日本情緒たっぷり。1910年に行われた「日英博覧会」に出品されたものが、この「キュー・ガーデン」に移されて今に至ります。
5000平方メートルの広く、美しい「ランドスケープ」が表現されており、1976年には「天皇皇后両陛下(当時皇太子御夫妻)」が「ヒノキ_」を植栽されています。
〖桜〗

「キュー・ガーデン」では桜を見る事もでき、1980年に日本から送られた「八重桜」を含め、57品種の桜が植えられています。