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イギリス ロンドン ロンドン自然史博物館
更新日:2020年12月28日

こちらは、ロンドンの「サウス・ケンジントン」にある自然科学の博物館「ロンドン自然史博物館(Natural History Museum)」です!
ロンドンには数多くの博物館・美術館がありますが、中でもトップクラスの人気を誇るのが「ロンドン自然史博物館」なのです。
博物館全体の所蔵品はなんと8000万を越え、年間500万人以上が訪れる大人気の博物館となっています。
世界中から集められた動物の剥製、昆虫の標本など、数億点ものコレクションが所蔵され、特に迫力満点の動く「ティラノサウルス」や「恐竜の化石」が展示されている「恐竜コーナー」は見逃せません!

見学しながら学べる工夫で、敷地内には「科学博物館(サイエンス・ミュージアム)」が隣接し、東には「V&A博物館」、北には「インペリアル・カレッジ・ロンドン」などが集まるアカデミックなエリアにあり、学生やファミリーの観光に大変おすすめです!
何十億年にも遡る生物の歴史を一部有料エリアはありますが、ほぼ入場料無料で楽しむことができます。通常の展示コーナーは写真撮影OKなので、思い出に残ること間違いなしです。
今回はそんな「ロンドン自然史博物館」の基本情報・魅力・見どころ・アクセス・お土産・カフェなどについて詳しくご紹介させていただきます。
【基本情報】
〖歴史〗

「自然史博物館」は、「大英博物館」の一部門として1881年4月18日に開館しました。
「大英博物館」から正式に独立するのは1963年ですが、1992年に「自然史博物館(Natural History Museum)」の名前になりました。そうしたことから日本では長らく「大英自然史博物館」と呼ばれていました。
「大英博物館」は1759年の開館(一般公開)ですが、設立は1753年に遡ります。この年に世界各地の幅広い文物・遺物・美術・工芸などを収集していた医師の「ハンス・スローン」氏が亡くなり、そのコレクション71,000点以上を破格の2万ポンドで政府が買い取り、「大英博物館」の設立へとつながりました。

この時の資料には自然史系のものがかなり含まれており、そういう意味では「自然史博物館」の開館年=「大英博物館」の開館年ともいえるでしょう。
その後、自然史系資料が増えていくにともない、新しい建物の必要性が高まり「大英博物館」開館のおよそ110年後に新しい建物=分館が「サウス・ケンジントン」に建設されることになりました。
建物は1873年に着工し1880年に完成。1881年にオープン。1986年には隣接していた「地質学博物館」を吸収合併し、1989年には二つの建物をつなぐ回廊「今も見られる痕跡(Lasting Impressions)」が完成しました。

開館以降の建築で特に目を引くのが、2009年にオープンした現代的な建築の「ダーウィン・センター」でしょう。
ここでは、植物や昆虫などの標本を収蔵するとともに、200人以上(館全体では300人以上)の科学者が最先端の機器を使用して調査研究を行っています。研究室は一部がガラス張りになっていて見学することもできます。
「英国国営放送BBC」や出版物との連携も多く、英語を武器に影響力は世界中に広がっており、老舗は常に最先端を走り続けています。
〖開館時間〗
10:00~17:50(最終入場は17:30)
〖休館日〗
12/24、12/25、12/26
〖入場料〗
無料 ※特別展は有料
〖所要時間〗

見学にかかる所要時間は、ポイントを絞って回れば1時間、博物館全体を見て回るなら2時間、ゆっくり回るなら3時間以上が目安となります。
また「自然史博物館」は家族連れに人気のため、特に土日や夏休みの7~8月は混雑しています。入場時には並ぶことも多いので、比較的空いている朝一番または夕方頃に訪れるのがおすすめです!
〖アクセス〗
「ロンドン自然史博物館」は、地下鉄「サウスケンジントン駅(South Kensington)」から徒歩5分とアクセスしやすい場所にあります。
「サウスケンジントン駅」には、「ピカデリー線」・「サークル線」・「ディストリクト線」の3路線が乗り入れています。
「サウスケンジントン駅」から「自然史博物館」までは、地下道を歩いて行くことができます。改札を出ると「Natural History Museum」と書かれた看板があるので、それに従って歩きましょう。

5分ほど歩くと、左手に出口がありますので、階段を上って地上に出れば「自然史博物館」に到着です。
この場所には、「自然史博物館」・「科学博物館」・「ビィクトリア&アルバート(V&A)博物館」の3館が隣接していますが、どれも超巨大な施設なので全て行きたい方は最低でも2日間に分けて行きましょう。
〖入場:ヒントホールの見どころ!〗

「ロンドン自然史博物館」には、「正面」・「東側」・「西側」と3つの「エントランス」があります。
「クロムウェル・ロード」にある正面入口は混んでいるため、「エキシビション・ロード」にある東側入口から入場するのがおすすめです!

入館するとすぐ右手に「クロークルーム」があります。「クロークルーム」は「東側」・「西側」・「正面」入口の3か所にあり、料金は「バッグ:£2.50(4kg以下)」・「バッグ:£5(4kg以上)」・「コート:£2」・「傘:£1」です。
※スーツケースは持ち込めないので注意して下さい。
【シロナガスクジラの骨格】

最近まで、「ロンドン自然史博物館」といえば、「恐竜・ディプロドクス」の骨格標本、愛称「ディッピー」がお出向けしてくれたことでも知られていました。
1905年にアメリカの「鉄鋼王・アンドリュー・カーネギー」から寄贈されたもので、およそ40年にわたって「自然史博物館」の「エントランスホール」の名物として来場者を迎えてきましたが、2018年からはじまるイギリス各地を巡るツアーのため、2017年1月に取り外されました。

そして現在新しく自然史博物館の「顔」を務めているのが、全長25.2メートルにおよぶ「シロナガスクジラ」の骨格。2015年までは哺乳類ギャラリーで部分的に展示されており、「ヒントホール」に移動する試みは3年がかりで行われたそうです。
大海を潜水するかのような動きを感じさせるポーズはどの角度から見ても美しく、かつて泳いでいたこのクジラの雄大な姿を連想することができます。
「ディッピー」は、2020年末からブロンズ像として博物館の外に展示される予定となっています。

また、「ヒントホール」は展示物以外の見どころもたっぷりあります!「階段手すり」・「柱」・「天井」など、とにかくじっくり観察してみてください!
想像以上に細かく繊細なレリーフ、動きあふれる楽しい彫刻たち、空間を彩る絵画やステンドグラス、、、見どころは無限に見つかっていきます。
【チャールズ・ダーウィンの石像】

「ヒントホール」の守護神のように鎮座するのは、言わずと知れた「チャールズ・ダーウィンの石像」。
生物の進化論を発表し、「種の起源」を出版。ロンドンの「ウェストミンスター寺院」に埋葬されています。
ちなみに、「ダーウィン」は有名陶器メーカー「ウェッジウッド」創設者の孫なのだそうです。
【セコイアデンドロン(別名:ジャイアントセコイア)】

この木は世界最大の樹木「セコイアデンドロン(別名:ジャイアントセコイア)」です。
展示してあるものは樹齢1300年以上で、高さはなんと60mもあったそうです。(この種は50~85mが平均ですが、最大で94.8mの記録があります)

これは「自然史博物館」の建物の一番高い塔をも超える高さで、外から館を眺めた時に姿を想像してみると楽しいですね。
この他にも、外のファサードにもたくさんの装飾、大きな彫刻が至る所に鎮座しており、見どころはたくさん!建築を楽しみたい方は、まず周囲をぐるりと一回りしてみても良いでしょう。
【館内:4つのゾーン構成】

「ロンドン自然史博物館」は、「レッド」・「グリーン」・「ブルー」・「オレンジ」の4つのゾーンに分かれています。
レッドゾーン:人類の進化、地球の地質地形、地震や火山噴火について
グリーンゾーン:鳥、植物、昆虫、鉱物など
ブルーゾーン:恐竜、人間の体、ほ乳類、魚類、爬虫類など
オレンジゾーン:研究センター、ワイルド・ライフ・ガーデン(夏季限定)

また、館内では無料Wi-Fiが利用でき、展示物の写真撮影は許可されています。
「フロアマップ」は用意されていないので、事前に【公式サイト】からダウンロードしておくといいでしょう。
【ブルーゾーン:魅力・見どころ!】
〖恐竜コーナー〗
「ブルーゾーン」は「エントランス」入って左手にあり、4つのエリアの中でも1番の人気を誇ります。
特に「ブルーゾーン」の中でも「恐竜コーナー」はとにかく混み合うことで有名なので、入場したら一番最初に見学するのがおすすめです!
【恐竜の頭蓋骨】

いつの時代、どのエリアにどんな恐竜が住んでいたのかを詳しく知ることができるスペースで、リアリティ溢れる恐竜の映像が流れており、上には大きな恐竜の頭蓋骨があります。
こんなに大きな恐竜が地球を歩き回っていた時代があるのかと、なんだか不思議な気持ちにさせてくれます。
通路の途中で「LOOK UP↑」と書かれたサインを見つけたら、頭上に注目してみましょう。
【動くティラノサウルス】

「恐竜コーナー」で1番人気なのが、こちらの「動くティラノサウルス」!実物大サイズの模型で、音と光に合わせて動き回ります。
映画「ジュラシックパーク」を思わせる迫力満点の展示なので、子供から大人まで楽しめますよ!
【ガリミムスの骨格】

こちらは「ガチョウ」のような見た目だったと推測されている恐竜「ガリミムス」の骨格です。
下から上を見上げるようにして観察できるため、骨の仕組みがよく確認できます。他にも小柄な恐竜から、大きな恐竜まで、様々な骨格が展示されています。
【ステゴサウルスの骨格標本】

こちらは「ステゴサウルスの骨格標本」です。
このような骨格標本のほか、恐竜の化石や恐竜時代について学べるパネルなども展示されています。
【大人も夢中!リアルな説明】

順路沿いでは、「恐竜の爪はどのようになっているのか」や「筋肉や血」など、体内の仕組みがどうなっているのかなど、恐竜のあれこれについて詳しく学んでいくことができます。
館内の説明書きはもちろん全部英語ですが、有料で日本語のオーディオガイドを借りることもできますので、内容を詳しく知りたい方は、「インフォメーションでガイド」を借りてみるのもおすすめです!
【長い首をもつカマラサウルス】

長い首を持つ「カマラサウルス」は、「ジュラ紀後期」に栄えていた草食の恐竜だと言われ、天井まで届きそうなほど長い首は圧巻です。
【恐竜の卵(レプリカ)】

こちらは、可愛らしい赤ちゃん恐竜と卵の模型。
レプリカですが、見ていて何故かドキドキしてしまう不思議な展示品です。
〖哺乳類コーナー〗

「哺乳類コーナー」には、シロナガスクジラの原寸造形、マンモスからカバなど哺乳類の骨格標本や剥製、カピバラ、カンガルー、コアラといった可愛い動物、ライオンやオオカミといった怖い動物までバラエティ豊かなラインナップです。

大きなホールには実物大のクジラ類の骨格標本が展示されており、その周りを囲むように2階が回廊になっており、回廊にはジュゴンやマナティの展示もあります。
ここは2階にも上がれるので上からも標本達を見下ろしてみましょう!上部にはイルカやシャチもいますので、見ているだけでワクワクしてしまいますね!
【グリーンゾーン:魅力・見どころ!】
歴史的な建物の雰囲気を味わいながら展示を楽しめる「グリーンゾーン」!
鳥、鉱物、そして虫がメインの展示となり、そのコレクション量は膨大です!
〖鉱物コーナー〗

部屋の奥まで無数のキャビネットが並ぶ「鉱物コーナー」は、「自然史博物館」発足当時の展示状況を再現している部屋だそうです。
そのため、他のどの部屋よりもシンプルでナチュラルな空間。大きな窓からは自然光が入り、とても居心地が良いコーナーになっています。
【ブルートパーズ】

世界中から集められた化石や宝石が大量に展示されており、特に目を奪われるのが、こちらの巨大な「ブルートパーズ」。
こちらは、ブラジルで発見されたもので、驚異の9,381カラット!重さはなんと2kg近くもあります。
さらに奥へ進むと、宝石がたくさん展示されたスペースがありますよ!
〖虫コーナー〗

「昆虫コーナー」には台所が設置されており、実際にどんな虫が住んでいるかが再現されています。
害虫に属する虫たちの生態が紹介されているので、虫嫌いの方は台所周辺には近寄らないことをおすすめします!
しかし、珍しい昆虫なども沢山展示されているので、昆虫好きの方にはたまらないコーナーとなっています。
〖鳥コーナー〗

「鳥コーナー」では、鳥の進化の歴史を楽しむことができます!
鳥の剥製だけでなく、鳥がどんな巣を作るのか、パーツをクローズアップした展示などもされています。
【ドードー】

見れば見る程ユニークな表情の「ドードー」は、マダガスカル沖の「モーリシャス島」に生息していました。
絶滅したのは入植者による乱獲と(飛べずにヨタヨタ歩くので捕まえやすかった)、地上に作る巣が、島に連れ込まれた豚やネズミなどに荒されたのが原因とのこと。ちなみに、「ドードー」の名前は一説としてポルトガル語で「のろま」という意味からついたようです。
お土産ショップには「ドードー」のTシャツなどグッズも売られており、とても可愛いのでおすすめです!
〖海の恐竜コーナー〗

「レッドゾーン」に向かう通路には「海の恐竜(魚竜や首長竜)」たちの化石も展示が並んでいます。
メインは「ロマレオサウルス」です!
〖メガテリウム〗

「メガテリウム」は、超巨大ナマケモノです!
全長6m、重さ4tもあり、こんな大きい「ナマケモノ」がいたとは衝撃です!
想像復元図は、丸っこくてしっぽの長い熊みたいなイメージで可愛らしいです。
【レッドゾーン:魅力・見どころ!】

「レッドゾーン」は別棟にあり、エスカレーターで一気に3階まで、クラシカルな建築から急にスペーシーな空間へと突入します!
「レッドゾーン」には、火山や地震の仕組みを解説しているセクションがあり、地震のエリアでは日本で発生した阪神淡路大震災や東日本大震災などの研究例も紹介されています。
神戸のミニスーパーを模した阪神淡路大震災発生時の揺れを体感できるコーナーも!
〖火山・地震コーナー〗

「火山・地震コーナー」は、映像や模型を見ながら火山と地震の仕組みを学ぶことができます。
当時発見されたものから最近のものまでの化石や鉱石の展示もあるので興味のある人は必見のゾーンとなっています。

ちなみに、3階へ進む長いエスカレーターは燃えたぎる火山の中へ突入して行くのですが、この球体は実際の鉄・亜鉛・銅で作られているため、リアルな質感に注目です!
エスカレーターのっているだけなのにすごいワクワクな演出を体験することができます!

「地震コーナー」では、「阪神淡路大震災」と「東日本大震災」の研究例が紹介され、「阪神淡路大震災」の揺れを体感することのできるスペースがあります。
その名も「神戸スーパーマーケット」と言い、この部屋に入ると数分に一度揺れが起こります。

横のパネルに小さく「実際の震度ではなく展示用に作ってます」という注意書きがありましたが、確かに体感的には震度4弱位です。
大きな地震にあまり縁のないヨーロッパ人は無邪気に地震の揺れを楽しんでいますが、地震の恐怖を身をもって知っている日本人としては、はしゃぐ気分にはならないかもしれません。
〖地球誕生のコーナー〗

3階から2階へ下りると「地球誕生のコーナー」があり、どのようなプロセスを辿って地球が誕生したのか、分かりやすく展示されていました。
暗く硬質な空間の中、ケースに灯る明かりを辿っていくような展示が真っ直ぐに続きます。
【オレンジゾーン】

「オレンジゾーン」は、2009年にオープンした新館で「ダーウィン・センター」と「ワイルドライフ・ガーデン」という場所があります。
西側の入り口から入ることができ、どちらかと言えばあまり人気がなく静かな展示場となっています。

そのため、賑やかな場所よりも人が少なくゆったりと博物館の所蔵品を保管している様子・研究員によるトークイベントを体験することができます。
「ダーウィン・センター」では、最新の生物学研究に触れたり、科学者達の現場を知ることができ、たくさんの生物が生息しているガーデン型の「ワイルド・ライフ・ガーデン」は、夏季のみオープンしています。
【ミュージアムショップ:お土産】

館内には「ミュージアムショップ」が「ブルーゾーン」・「グリーンゾーン」・「レッドゾーン」の4ヶ所あります。
自然・動物にまつわるグッズや、自然史博物館のオリジナルアイテムが販売されています。
「レッドゾーン」にある「The Cranbourne Boutique」というショップは、セレクトショップのような品揃えだったので、大人用のお土産を買うにはぴったりです。

パワーストーンや天然石のアクセサリー、蝶や植物をモチーフにした雑貨など、女性好みのお土産があります。
恐竜グッズが欲しい方は恐竜コーナー向かいの「Dino store」へ!
「恐竜コーナー」の向かい側にある「Dino Store」は、恐竜グッズの品揃えが最も充実しています。

可愛い恐竜のぬいぐるみがたくさんありますので、ぬいぐるみ好きにはたまりません!値段も手頃なのも嬉しいですね!
入口すぐのショップは1番大きく、書籍からおもちゃお菓子など幅広く揃えてあり、時間のない方におすすめ!

全体的にぬいぐるみや知育玩具などキッズが喜ぶアイテムが豊富です。
公式サイトで事前チェックしていく良いでしょう。
【ミュージアムカフェ】

館内には「カフェ」が「オレンジゾーン」・「レッドゾーン」・「ヒントホール」の3ヶ所あります。
「セントラルカフェ」の近くに展示されている、ジャイアントパンダの剥製「Chi Chi」をお見逃しなく!

このパンダは、「WWF(世界自然保護基金)」のロゴマークのモデルになったのだとか。
建築も含めてクラシカルな自然史博物館を味わうならここが最もおすすめです!
「自然史博物館」はとても大きいので、途中休憩しながら見学しましょう。
【レストラン】

館内には「レストラン」が「グリーンゾーン」・「レッドゾーン」の2ヶ所あります。

中でも「T.rex Grill」は、入口から動く恐竜2匹がお出迎えしてくれ、キッズに人気がある場所です!
いかがでしたでしょうか。
今回紹介したのは「自然史博物館」のほんの一部ですが、時間があればいくらでも楽しめます!
大聖堂やお城に見間違えそうな荘厳な建物は全長205mの巨大さを誇り、ロンド