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イギリス ロンドン 国立海事博物館
更新日:2020年12月28日

こちらは、1997年に【世界遺産】に登録された「ロンドン・グリニッジ」エリアに存在している、世界最大級の海事に関する博物館「国立海事博物館(National Maritime Museum)」です!
1937年に「エリザベス女王」の父「ジョージ六世」によって建てられた「国立海事博物館」は、英国の海運の歴史を学ぶだけではなく、最先端のシミュレーション・システムによる船の操縦体験などを通して、探検旅行気分になれるのが魅力的な博物館です。

また、歴史的に貴重な展示物も多く、1732年に造船された「フレデリック王子の船」、19世紀半ばから20世紀にかけての海上旅行を追う展示エリア、豪華客船「タイタニック号」、「トラファルガー海戦」、「キャプテン・クック」の冒険など、海に関わる出来事を五感で学ぶことができます。
今回はそんな【世界遺産都市・グリニッジ】にある「国立海事博物館」についてご紹介させていただきます!
【基本情報】
〖歴史〗

イギリスは15世紀後半からヨーロッパ各国が海外進出を競う「大航海時代」を迎えており、「英国海軍」といえば、かつて「無敵艦隊」と呼ばれ世界に名を馳せていたスペインの海軍を打ち破った栄光の歴史を持つ軍です。
しかし、当時はまだ運に任せた危険な航海が多く、海難事故が多発。海洋国家として世界に進出を図っていたイングランドは「航海術」の向上にいち早く取り組んでいました。

イギリスの歴史において、海軍の貢献は大きな意味があり、「グリニッジ」にある「国立海事博物館」を訪れると、大人から子どもまで楽しくその全貌を知ることができます。
そんな「国立海事博物館」の建物は、「博物館」と「クイーンズ・ハウス」に分かれています。

「クイーンズ・ハウス」は、1637年に「ジェームズ1世」が「王妃アン」のために完成させた邸宅で、イギリスでも最初のパラーディオ様式の優雅な宮殿でした。
1703年に建設され、1998年までは「国立海軍学校」として使用されていました。共和制時代に多くが破壊されてしまいましたが、増築された部分が現在博物館として解放されています。
※「クイーンズ・ハウス」内も閲覧が可能です(無料)。
〖住所〗
Park Row, Greenwich, London SE10 9NF
〖電話番号〗
(+44)020-8858-4422 / (+44)020-8312-6565(音声ガイダンス)
※英語のみ
〖開館時間〗
10:00〜17:00(入館は閉館30分前)
〖休業日〗
12/24~26
〖入場料〗
「国立海事博物館」および「グリニッジ王立天文台」の「クイーンズハウス」と「天文学センター」は無料です。
※「企画展(エキシビジョン)」は有料。
〖所要時間目安〗
2時間程度
〖アクセス〗
最寄り駅:「カティ・サーク駅(Cutty Sark Station(DLR))」
「国立海事博物館」は、「旧王立海軍大学(The Old Royal Naval College)」の向い側、「クイーンズ・ハウス(The Queen's House)」と並んで建っています。

「セントラル・ロンドン」からの「国立海事博物館」へのアクセス方法は、、、
「カティ・サーク駅(Cutty Sark Station(DLR))」から歩く方法(徒歩10分ほど)
「ナショナルレール」の「グリニッジ駅(Greenwich Station)」または「メイズ・ヒル駅(Maze Hill Station)」から歩く方法(いずれも徒歩10分)
「ロンドン・リバー・サービス」の「グリニッジ・ピア駅(Greenwich Pier Station)」から歩く方法(徒歩6分ほど)
「ロンドンバス」で「ナショナル・マリタイム・ミュージアム(National Maritime Museum)」下車(129, 177, 180, 188, 286, 386)

「セントラル・ロンドン」からですと、「バス」以外は少し分かりにくいため、地下鉄の「ノース・グリニッジ駅(North Greenwich Station)」から「129」または「188」の「バス」で行く方法が一番おすすめです!所要時間は10分ほど。
〖館内マップ〗

館内には海に関するアート作品や海運図、船の模型やイギリス海軍の歴史に関する様々な記録など、海洋に関するものがテーマ別に展示されています。
➡️館内マップはこちらからダウンロードすることができます!
〖公式サイト〗
英語:http://www.nmm.ac.uk/places/maritime-galleries/
日本語:http://www.nmm.ac.uk/languages/nihongo/
【国立海事博物館:魅力・見どころ!】

「グリニッジ」の「国立海事博物館」は、航海に関する200万点以上の事物を収蔵しており、3階にわたって常設展と特別展を催しています。
イギリスとオランダ双方の海洋芸術、地図製作、写本、船のモデルなど、イギリスの海事の歴史に関して世界で最も重要な資料を保有しており、「船の名前」・「活躍した年代」・「大きさ」などのデーターも細かく表示。大きさを比較するための一般の船まで並べられているので、戦艦などの迫力が一目瞭然です!

1732年に造船されたという、「フレデリック王子」の豪華な「艀(平底の船舶)」など、様々な船の模型が展示されています。
また、19世紀半ばから20世紀前半にかけての「海上トラベル」の展示では、当時の海外旅行や海外移住などの背景を知ることができ、中でも1920年代の「オーシャン・ライナー」、「モーレタニア号」の「一等船室」と「三等船室」のモデルでは、その差がはっきりとわかります。

「三等船室」では調理場や寝室などが共同スペースで、プライバシーもない様。映画化された「豪華客船・タイタニック号」についても紹介されています。

「ネルソン提督」が「トラファルガー」の海戦で着ていたという軍服が展示してある「ネルソンズ・ネイビー」では、「トラファルガー海戦」の様子や「キャプテン・クック」の探検した足取りや様子が紹介されています。

ハワイ諸島を発見した「クック船長」や東インド会社の貿易史など、海洋歴史にまつわるアイテム、地図、芸術作品、記念品の数々は比類のない規模であり、世界史や英国史、海事ファンには大変興味深い内容となっています。
更に「ザ・ブリッジ」という最先端の「船舶操縦シミュレーション・システム」が導入されており、船を操縦体験ができ、子供が遊べるスペースや展示なども充実しているため、「グリニッジ」周辺の散策を兼ねて出かけるのにもおすすめの場所です!

海事に興味のある方だけでなく、幅広く楽しむことができると思いますが、イギリスでは珍しく館内での写真撮影禁止が多いのでご注意ください。
「ロンドンパス」の保有者は、「グリニッジ」の「国立海事博物館」を見学すると、お土産になるガイドブックが無料でもらえます。
絶対に見逃せないおすすめの展示物をまとめると、、、
〖ミス・ブリテン3〗

こちらは、1933年に作られた「ミス・ブリテン3」というボート。軽量化を計って制作されたパワーボートで、当時の最高時速は約160キロ。この記録は50年近く破られなかったそうです。
〖P&Oクルーズ・パッセンジャーズ〗

「P&Oクルーズ」の「パッセンジャーズ」は、19世紀半ばから20世紀前半にかけての「海上トラベル」の展示です。
当時の海外旅行や海外移住などの背景がよくわかり、とても面白い展示。中でも1920年代の「オーシャン・ライナー」、「モーレタニア号」の「一等船室」と「三等船室」のモデルには、その身分の差がはっきりとわかります。
「三等船室」では「調理場」や「寝室」など共同スペースなので、ほとんどプライバシーもない様で、まるで映画「タイタニック」の一場面を目にしているかのようです。

また、「パッセンジャーズ」展示のある1階部分には、灯台の光学レンズや船のプロペラなどの巨大な展示品や、北西航路の特別展示もあります。
更に、「パッセンジャーズ」の外には1732年に造船されたという、「フレデリック王子」の豪華な「艀(平底の船舶)」が展示されていますので、こちらも是非合わせてご覧ください!
〖船首像〗

「船首像」の展示は数が多く、その大きさにも驚かされてしまいます。緑色のシャツを纏った「船首像」は「HMS Ajax号」のもので、「大アイアース」という「ギリシャ神話」の人物を起用し、「ゼウス」の曾孫で「トロイア戦争」に参加した英雄をモチーフにしています。
中には「こんなものを本当に船の首に飾っていたのか?」と首をかしげたくなるようなセンスの像もありますが、外国ならではの面白い展示です。
〖ザ・ブリッジ〗

3階にある「ザ・ブリッジ」も絶対に見逃せない見どころの一つ!最先端の「船舶操縦シュミレーション・システム」が体験でき、五感で海上旅行を感じることができます。
【AHOY! children’s gallery】

「国立海事博物館」では、0歳から7歳の子供が参加できる遊び場「AHOY! children’s gallery」を企画しており、船、網、魚などを利用した内容の濃いツアーが用意されています。
もちろん、6歳から12歳までの子どもにも同様のツアーが用意されており、そちらの名前は「All Hands children’s gallery」。いずれも毎日開催され、参加料は無料。現地でのお申し込みとなります。
ツアーに申し込むのは少し面倒という方は、お子さんが思いっきりはしゃげる2階のスペースをご利用になることができます。床一面の巨大な世界地図の上を海軍気分で走り回って航海をしてみるのも楽しいですよ!

いかがでしたでしょうか。
館内は写真撮影禁止のところが多く残念ですが、パッラーディオ様式のファサードを持つ素敵な外観や広大なスペースに飾られた展示の数々は魅力的なのに、無料で気軽に楽しめます。
裏口の外には「ネルソン提督」の「ボトルシップ」が飾られており、イギリスがどれほど彼の功績をたたえているかが伺えます。
博物館前には「国立海洋博物館公園(National Maritime Museum Gardens)」が広がり、ピクニックなどにも最高の環境。ここはロンドンっ子が週末、家族やカップルで遊びに来る人気の公園です。近くにある「グリニッジ・マーケット(Greenwich Market)で食べ物は調達できるので、是非ご利用ください!
「国立海事博物館」は、とても充実した博物館ですので、見学時間には2時間割いて訪れてほしいスポットです!
【基本情報】
国立海事博物館(National Maritime Museum)
住所:Park Row, Greenwich, London SE10 9NF
電話番号:(+44)020-8858-4422 / (+44)020-8312-6565(音声ガイダンス) ※英語のみ
営業時間:10:00-17:00(入館は閉館30分前)
休館日:12/24~26
料金:無料(寄付制)
※企画展(エキシビジョン)は有料
アクセス:
最寄り駅:「カティ・サーク駅(Cutty Sark Station(DLR))」
公式サイト:
http://www.nmm.ac.uk/places/maritime-galleries/
http://www.nmm.ac.uk/languages/nihongo/
※記事内容は執筆時点のものですので、最新の内容をご確認ください。
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