私の旅行記
スペイン バルセロナ カサ・バトリョ:魅力・見どころ・チケット購入方法・アクセス方法・基本情報まで徹底ナビ!

こちらは、大建築家「アントニ・ガウディ」の傑作の1つで、大富豪「ジュゼップ・バトリョ」のために改築した邸宅「カサ・バトリョ(Casa Batlló)」です!
インパクトのある外観と美しい内装を併せ持つ「カサ・バトリョ」は観光客にとても人気があり、バルセロナに複数ある「ガウディ」建築のなかでも「サグラダ・ファミリア」に次いで人気があります。
今回はそんな、「カサ・バトリョ」について詳しくご紹介させていただきます!
【カサ・バトリョ:基本情報】
〖歴史・概要〗

「カサ・バトリョ」は、1877年に建てられた集合住宅をオーナーの「バトリョ」が「ガウディ」に増改築を依頼、5階建ての建物の地下1階と地上6階、そして屋根裏を1904年から1906年にかけて増築・リフォームし、現在の姿になりました。2005年には【ユネスコ世界遺産】にも登録されています。
隣接する「カサ・アマトリエール」への対抗心から、より豪華に際立たせたいという思いで全面リフォームを行ったそうで、地中海からインスピレーションを受けたという建築は、一切の直線的表現を排除して、全体を自然の曲線美で装飾しています。ちなみに、「カサ(Casa)」はスペイン語で「家」を意味するため、「カサ・バトリョ」=「バトリョ邸」となります。
「ガウディ」が完成させた当時から、別名「骨の家」・「あくびの家」とも呼ばれる、ユニークな外観の建物も長い間、個人所有だったため未公開でした。それが初めて公開されたのが「ガウディ生誕150年」にあたる2002年のこと。ちなみに現在の「カサ・バトリョ」の所有者は、地元バルセロナの企業で世界的に知られた、あの飴玉の「チュパチャプス社」となっています。
〖住所〗
Passeig de Gràcia, 43, 08007 Barcelona,
〖電話番号〗
+34932160306
〖アクセス〗

「カサ・バトリョ」は、バルセロナの目抜き通りである「グラシア通り」に面した場所にあります。最寄りの「パセッチ・ダ・グラシア駅」がすぐそばにあるため、地下鉄でアクセスするのが一番分かりやすくおすすめです!もう一つの「ガウディ建築」・「カサ・ミラ」からも近く、徒歩5分ほどで行くことができます。
【地下鉄】:「2号線」・「3号線」・「4号線」の「パセッチ・ダ・グラシア(Passeig de Gracia)駅」から徒歩1分。
【バス】:「7」・「22」・「24」・「H10」・「V15」番のいずれかでアクセスすることができます。
【Renfe近郊線】:「Renfe」の「パセッチ・ダ・グラシア(Passeig de Gracia)駅」から徒歩1分。
【入場方法】

「カサ・バトリョ」の入場口は、【ブルー】・【ゴールド】・【シルバー】で分かれており、「ゴールド」を予約した方は、並ばずに正面入り口から入ることができます。「GOLD PRIORITY」と書かれた看板が出てます。
「ブルー」を予約した人は「BLUE & AGENCIES」の看板がある列、シルバーを買った人は「SILVER」の看板がある列に並びましょう。当日券を買いたい方は「TICKET OFFICE」という看板がある列に並びましょう。

入口では「オーディオガイド(SmartGuide)」が配布されており、これは通常チケットで受け取る事が出来ます。タッチパネルのスマートフォンタイプになっており、番号をタップするとそれに対応した箇所のガイドが流れる仕組み(日本語対応)。また、「カメラ」と「GPS」が内蔵されていて、館内にカメラを向けると建築当時の内装が映し出される仕組みになっています。
〖入場料金〗

【VISIT CASA BATLLÓ(一般チケット)】
「カサ・バトリョ」の「VISIT CASA BATLLÓ(一般チケット)」には、【ブルー】・【ゴールド】・【シルバー】の3つのランクがあり、ランクが高いチケットほど、混雑時に優先入場できたり、特別な特典が付与されます。
※()内はオンライン予約した場合の割引料金になります。
【BLUE -ブルーチケット】:一般29 €(25 €)/学生26 €(22 €)/7〜12歳26.00 €(22 €)
・優先入場なし、最も安価なチケット。冬場のローシーズンなどはこのチケットでもほぼ並ばずに入場できる事が多いです。スマートフォン型のビジュアルガイド(日本語 / イヤフォン付)がセットになっています。
【SILVER -シルバーチケット】:一般37 €(33 €)/学生34 €(30 €)/7〜12歳34.00 €(30 €)
・SILVERチケット専用のレーンから優先入場が可能。夏場のピークシーズンは多少並ぶこともありますが、BLUEチケットよりは優先的に入場が可能です。スマートフォン型のビジュアルガイド(日本語 / ヘッドフォン付)の付属はもちろん、「BLUE」では入場できない「プライベートホール」への入場特典も含まれています。
【GOLD -ゴールドチケット】:一般39 €(35 €)/学生36 €(32 €)/7〜12歳36.00 €(32 €)
・GOLDチケット専用のレーンから最優先で入場が可能。スマートフォン型のビジュアルガイド(日本語 / ヘッドフォン付き)の付属はもちろん、プライベートホールへの入場、当時の衣装に着替えて写真撮影、キャンセル料金無料などの特典が付帯しています。
【MAGIC NIGHTS(夜間入場チケット)】※夏の時期の水曜~土曜日限定
「夜間入場チケット(MAGIC NIGHTS)」は、「夜間見学」+「カサ・バトリョ」内でのコンサートがセットになったチケットです。所要時間は計2時間。コンサートの内容はフラメンコ、ジャズ、ルンバなど予約日によって異なります。一般チケットと同じく、【ブルー】・【ゴールド】・【シルバー】の3つにランク分けされています。ゴールドチケットには、プライベートホールへの入場、優先入場(ファストパス)、キャンセル無料、プレゼント特典が含まれています。
・ブルーチケット:39ユーロ
・シルバーチケット:47ユーロ
・ゴールドチケット:49ユーロ
【BE THE FIRST!(早朝入場チケット)】
「早朝入場チケット(BE THE FIRST!)」は、開館時間の30分前(朝8時30分)に入場できるチケットです。混雑を避けて、館内をゆっくりと見学・写真撮影できるのがメリット!チケットのランク分けはなく、料金は一律39ユーロです。
【THEATRICAL VISIT(ガイド付きツアーチケット)】
ガイド付きツアーチケット(THEATRICAL VISIT)は、ガウディに扮したガイドが館内を案内してくれるツアーです。ガイドの言語は英語とスペイン語なので、参加するメリットは低いでしょう。チケットのランク分けはなく、料金は一律37ユーロです。
※【事前予約は必ずしていこう!】※
「カサ・バトリョ」は、バルセロナでも屈指の人気観光スポットです。そのため事前に入場チケットを予約していかないと、希望の時間に入場できないどころか、チケットが売り切れて入場できないこともあります。通常であれば「ブルーチケット」を予約していけばOKです!夏の観光シーズンや週末に訪れる場合は、優先入場付きの「ゴールドチケット」の方が並ばずに済みます。いずれも現地のチケット売り場で当日券を購入するとネット予約よりも4ユーロ高くなるので、節約のためにも予約していくのがおすすめです!
【チケット予約・購入方法】

「カサ・バトリョ」の【公式サイト】から購入する場合は、英語での予約となります。以下では最もポピュラーな「VISIT CASA BATLLÓ(一般チケット)」の「ブルーチケット」の予約方法を紹介していきますが、「シルバーチケット」や「ゴールドチケット」でも基本的な手順は同じです。
①:まずは【公式サイト】を開き、「VISIT CASA BATLLÓ(一般チケット)」の「BUY(Tickets)」を選択クリック。

「VISIT CASA BATLLÓ(一般チケット)」を選択すると【ブルー】・【ゴールド】・【シルバー】にランク分けされたページが表示されます。購入するチケットが決まったら「BUY TICKETS」をクリックします。

②:入場日と入場時間を選択

カレンダーの日付をクリックし、予約日を選択します。

その後、予約時間の候補が表示されるので、希望の入場時間を選択します。上の部分に表記されている時間帯「09:00~11:45」/「12:00~14:45」/「15:00~17:45」/「18:00~19:45」をクリックすると、候補の時間帯を切り替えることができます。
※時間帯の下に表示されている緑の線は、チケットの残数を表しています。残りわずかの場合は赤、少し減っている場合は黄色、十分にある場合は緑で表示されます。
③ :人数(枚数)の選択

大人は「General」/65歳以上は「Senior」/7~12歳は「Junior」となり、それぞれ右側にある+ボタンをクリックして枚数を決めます。6歳以下の入場は無料ですが、予約は必要なので「Children」も忘れずに入力して下さい。購入枚数を選択し終わったら「CONTINUE」ボタンをクリックします。

するとプロモーションコードの入力画面が表示されるので、何も入力せずに「CONTINUE」ボタンをクリックします。
④ :個人情報の入力

ここからの予約者情報の入力画面から予約完了までは、制限時間15分以内で済ませないといけません。時間内に予約を完了させないと、最初からやり直しになるので注意して下さい。※印の付いている箇所が必須の入力項目になります。

①Name:名前
②Email address:メールアドレス
③Repeat your email address:確認用にもう一度メールアドレスを入力
④Country:国籍(Japanを選択)
※電子メールアドレス宛に電子チケットが届くので、間違がないかよく確認してください。
予約者情報入力欄の下にある「Is this purchase a gift?」は、ギフトにする場合の選択項目なので無視して構いません。
また、支払方法の欄でクレジットカードが選択されているかを確認します。次に「利用規約に同意する」の□に2カ所チェックを入れます。真ん中の□は「メールマガジンの配信希望」なのでチェックを入れなくて大丈夫です。最後に画面一番下の「PAY」をクリックします。
⑤ :カード情報入力画面&通貨の選択
※「VISA」・「MasterCard」・「JCB」・「AMEX」が使用可。

「クレジットカード番号」を16桁スペースを空けずに入れ、「有効期限(月/年)」、「セキュリティコード(クレジットカード裏にある3桁の番号)」を入力し「Accept」を押します。
次の画面では「円」もしくは「ユーロ」のどちらで決済するかを選びます。
※クレジットカード会社の決済が2,3日遅れて反映されますので、その間に発生する為替レートの変動で微妙に変わります。
⑥:購入完了・チケットの印刷(推奨)

登録したメールアドレス宛にPDFで電子チケットが届きます。入場時は、QRコードを読み取らせるので、スマホでPDFを表示しても入場できますが、念のため印刷して持って行くことをおすすめします!

以上が公式サイトでの購入方法になりますが、いざ英語サイトでの購入となると、不安がつきものですよね。希望の日時にきちんと予約が取れているか、予約したチケットに不具合がないか、当日まで不安な気持ちで過ごされる方もいらっしゃると思います。
その場合は日本語予約できるツアー会社を利用するのをおすすめします!日本語で購入でき、サポートも日本語ですので安心ですし、また【公式サイト】とほぼ同額で購入できるのも嬉しいポイントです!➡
※【チケット予約の注意点】※
・予約したチケットのキャンセルは不可。ゴールドプライオリティのみキャンセルすると料金が返金されます。
・入場料無料の7歳未満の子供もチケットを予約する必要があります。
・無料チケットや割引チケットを購入する方は、当日年齢などを証明する公的書類(パスポートなど英文のもの)が必要。学生は国際学生証が必要。
・4月~9月頃まではオンシーズンで、特に夏は非常に混むので数日前には予約しておきましょう。前日だと希望の時間の予約が取れない場合もあります。
・人気スポットのため非常に混み合います。人混みを避けたいならば朝の9時頃、もしくは開館時間前に入場できる「BE THE FIRST!」がおすすめ!特に写真撮影を重視しているなら、混む時間帯は避けた方がいいでしょう。
・印刷したチケットは、QRコード部分を傷つけたり折り曲げたりしないように注意してください。
〖営業時間〗

9時00分~20時00分
※最終入場は閉館30分前
〖定休日/休業日〗
なし
〖公式サイト〗
〖所要時間〗

所要時間はオーディオガイドを聞きながらじっくり回ることを想定して、1時間〜1時間30分が目安です。ただし、当日に入場チケットを購入する場合は、行列に並ぶ時間も考慮しておきましょう。
〖注意事項〗
・館内でカメラの三脚は利用できません。
・ベビーカーの貸し出しはありません。
・ベビーカーやスーツケースをお持ちの方は、置くスペースがあるので置いてから見学することができます。
・足腰が不自由な方や妊婦の方はエレベーターを利用することができます。
・建物内での飲食や喫煙、大声を出す、走るといった迷惑行為は禁止されています。
【カサ・バトリョ:魅力・見どころ!】

引用元:公式サイト
「カサ・バトリョ」には明確な見学順路があるため、その順路に沿って行けば自ずと見どこ
ろを全て網羅することができます。以下が最も一般的な館内の見学順路になります。
・玄関ホールの中央階段(バトリョ家専用の階段)➡・中央サロン(暖炉の部屋)➡・ダイニングルーム➡・裏庭(テラス)➡・吹き抜け➡・屋根裏➡・屋上

見学時に配られる「スマートビジュルアルガイド」の再生ポイントは14箇所ほどありますが、上記6カ所の見学ポイントを巡って行けば、自然と網羅できます。館内は小部屋が入り組んでいる場所がありますが、進行方向は限定されているので迷う事はまずないでしょう。

また、館内の至る所にある「VISIT」や見学番号が書かれた星型の「案内板」に従って、1から順番に見学して行ってください。ちなみに各見学ポイントに割り振られている番号は、館内で配布される「スマートビジュアルガイド」の再生番号になっています。
〖外観・ファサード〗

「カサ・バトリョ」最初の見どころは「外観・ファサード」!「カサ・バトリョ」は、「カサ・アマトリェール」と「カサ・リェオ・イ・モレラ」に挟まれており、「不協和音の一画」と言われるくらい、両隣とは一線を画す外観となっています。

「ガウディ」の独特な世界観を表現し、外壁は波をうっており、まるで海面でゆらゆらと揺れる波のようです。それに加え、外から見たバルコニーは骸骨や仮面のようにも見てとれ、「ガウディ」の設計手法である「自然」を思う存分発揮している部分と言えます。

そして、「カサ・バトリョ」の屋根の造形には3つの説があり、その説の背景をイメージしながら館内を回ると非常に楽しく回れます。
1. 聖人「サンジョルディ」の伝説にあるドラゴンである説。石柱が骨、バルコニーが骸骨に見えるため、「骨の家(Casa dels Ossos)」とも呼ばれドラゴンの犠牲になった人たちの骨を表しているとも。
2. 屋根をアルルカンの帽子に見立て、バルコニーは仮面、「ジュゼップ・マリア・ジュジョール」の手に寄る様々な色の破砕タイルが祭りの紙吹雪を表しているとする謝肉祭説。
3. 外壁を含めて海をイメージしている説。
以上の3つがあり、どれもその説が当てはまっているのではないかと思わされるような邸宅になっています。更に、様々な見方ができる外観は、廃棄物をリサイクルして作られているといのも忘れてはいけません。タイルやガラスは、バルセロナの会社から譲り受けた物からできており、デザインに加えて、素材もユニークなのも「ガウディ」の魅力のひとつです!
【外壁のテーマは海】

屋根については諸説ありますが、「外壁(建物全体)」のテーマは「海」と言う事でほぼ間違いないようです。以下では「海」ということを前提に解説していきます。

まず、「ファサード(建物正面)」は海面のように波打ち、その表面には青を基調とした「トレンカディス(破砕タイルのモザイク)」に加え、ガラスの破片も同時に大量に使うことによって、壁面全体がキラキラと輝くまるでサンゴ礁の海を表現しています。

建物の最上部にある小さな穴は屋根裏部屋の窓で、その左右横にある2つの鉄のアームは、大型の家具を入れる際に滑車を取り付けてクレーンの様に使った昔の名残。また、その間にある小さな窓と白いチューリップ型囲いは屋根裏部屋のバルコニーです。

そして建物の下部を見ていくと、まず目につくのが「開口部」が異常とも言えるほどに大きな「窓」です。「ガウディ」は改装するにあたり、可能な限り陽の光を取り入れるため、元々あった2,3階部分の外壁を大胆に取り壊しました。建物の端から端まで広がり波打った窓枠その上部を見るとちょうど、それはコウモリが羽を広げた様にも見えます。
〖玄関ホールの中央階段(バトリョ家専用の階段)〗

「オーディオビジュアルガイド」を受け取り先へ進むと現れるのが、不思議なデザインをした「青い壺」と「ドラゴンの背骨」をイメージしたと言われる「玄関ホールの中央階段」です。この階段は、「バトリョ家専用」のもので、それ以外の居住者達は、館内に入ってすぐの「居住者用の階段」を利用していました。

ちなみに、階段のすぐ側にはもう一つの入り口があり、オーナーの「バトリョ家」と上階に住む「借家人(店子)」の入り口がそれぞれ独立していたことがわかります。また、「バトリョ家」の入口横には管理人の小部屋があり、その右手には掃除用具などを入れる収納スペースとして物置が配置されています。そこには特別にあつらえた専用の縦長楕円形の扉が2つあるのですが、ただの物置にも一切手抜きしない「ガウディ」の職人魂が感じ取れます。

階段のデザインは一切の直線を廃し、手すりなどは人間工学に基づいて手に馴染みやすい様に設計されました。更に手すりの下には波打つ板があるのですが、これは手すりの間から幼児が落下するのを防止するためのものです。

階段横の壁面を注視して見ると、竜のウロコ模様になっているのが分かります。壁面の模様部分は凹凸がある様に見えますが、全て手書きの平面です。ちなみに、階段に「ビジュアルガイド」をかざすと、ドラゴンが天に登っていく映像が現れます。

更に頭上に目を向けると、亀の甲羅をイメージした天窓があります。これは日中、建物中央吹き抜けのパティオに降り注ぐ太陽の光を、本来最も暗くなるこの空間に取り込むようにしたものです。楕円の窓枠はトネリコと呼ばれる木を使ったもので、テーブルや椅子などの制作にもガウディはこの木材を好んで使いました。

階段から天窓にかけて「ビジュアルガイド」をかざすと、可愛らしいウミガメが泳いでいく映像が現れますよ!
〖暖炉の部屋〗

階段を上がると「暖炉の部屋」があり、ここはオーナーの「バトリョ氏」の「執務室」として使われていましたが、「ガウディ」はここが下の入り口から階段までの「パブリックスペース」とこの部屋の奥にある「バトリョ家」のプライベートスペースへの移行空間として位置付け、その様な役割を与えていました。

「カサ・バトリョ」の装飾は海をイメージした寒色系の部分が多いですが、このエリアの壁一面に施されたモザイク模様には金箔が使われており、メルヘンチックなキノコ型の暖炉が設置されています。暖炉のみならず部屋を壁に埋め込むという発想は、キノコ型と共に「ガウディ」らしさが表れていますし、何らかの意味を秘めているとも取れます。

また、両脇の木製のベンチをよく観察すると、片側が2人掛けで反対側が1人掛けと変則的になっています。これには理由があり、暖を取ることはもちろんですが、同時に一寸した談話室にもなっており、時に閉ざされた小さな空間で年頃の男女が2人きりになることもありました。そのため、暖炉を挟んで向いのベンチにお目付け役の女中が座るための1人掛けベンチとなり、変則的になっているのです。

部屋の窓や扉も「ガウディ」自身がデザインしたもので、その場所にある扉や窓の開口部分にしか合わない一点ものとなっています。素材にはオーク材などが使用されています。
〖中央サロン〗

「暖炉の部屋」の先には、「グラシア通り」に面した「中央サロン(主広間)」があります。広さ450m2ある主階の