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スペイン バルセロナ コロニア・グエル教会:魅力・見どころ・アクセス方法・基本情報まで徹底ナビ!


こちらは、数ある「アントニオ・ガウディ」の作品群の中でも最高傑作とも呼び声の高い「コロニア・グエル教会地下聖堂(Cripta de la Colònia Güell)」です!


「コロニア・グエル教会地下聖堂」は、バルセロナ郊外にある「コロニア・グエル(Colònia Güell)」という場所に建つ半地下の教会で、2005年に【ユネスコ世界文化遺産】に登録。「サグラダファミリア」同様、見完成のままになっていますが、「ガウディ」独自の宇宙的な内部のデザインは健在です。


今回はそんな、「コロニア・グエル教会地下聖堂」の魅力・見どころ・アクセス方法・基本情報まで詳しくご紹介させていただきます!

【コロニア・グエル教会:基本情報】

〖歴史・概要〗

1890年にバルセロナ近郊の街「サンタ・クローマ・ダ・サルバリョー」に広大な土地を購入した「グエル」は、共同住宅施設「コロニア・グエル」の建設を計画。この計画は、街の繊維工場で働く労働者のため、住宅、学校、図書館、医療施設などの複合施設を備えたコロニー(共同住宅施設)を建設すると言う大規模なものでした。プロジェクトの順調な進行と共に、コロニーの住人も増加していき、それまで利用していた小さな礼拝堂は手狭となりました。そこで「グエル」が新たな教会とすべく、「ガウディ」に依頼したのが「コロニア・グエル教会」の建設。「グエル」が1890年に共同住宅施設プロジェクトを始動してから、8年後の1898年の事でした。


「ガウディ」はこの建築プロジェクトに早速着手し、見晴らしの良い高台に建設場所を定めますが、実際に工事が開始されたのは1908年の事でした。工事着工まで10年の期間を要したのは、「ガウディ」が「逆さ吊り実験」などを用いて、教会のフレーム構造を徹底的に研究していたためです。「ガウディ」の設計では、地上の教会部分とそれに付属する塔と中央ドーム、更に地下の礼拝堂から成る構成で、「ガウディ」が生前に残した完成スケッチ(画像下)を見ると、正に小型版の「サグラダファミリア」そのもの。しかし、実際に完成できたのは「地下礼拝堂」とその入口となる「ポーチ」のみで、1916年に本プロジェクトは中断を余儀なくされます。

計画が頓挫したのは、「ガウディ」が本件を助手たちに委ねて「サグラダファミリア」の建設に専念した事と、「グエル」が病床に伏せてしまった事などが大きな要因です。更に「グエル」の息子達はこのプロジェクトに強い関心を示さなかったこともあり、最終的に未完成にも関わらずこの教会建設の仕事から手を引いてしまいました。そのため、本来は半地階部と上層の教会堂との2層構成の建物でしたが、ガウディが手を引いた際上部しか完成していなかったため、それまでに完成していた半地階の部分、元々はキリスト教教育を目的とした教室、もしくは講堂として使用するはずであったスペースをやむなく教会として使用することになり、現在に至っています。


後年になり「ガウディ」の建築が再評価されはじめると、「コロニア・グエル教会」は未完成ながら、「アントニ・ガウディ」の作品群として、1984年に【ユネスコ世界文化遺産】に登録されたほか、多くの専門家も「ガウディ」の最高傑作と評す様になりました。現在の「コロニア・グエル教会」は聖堂内部を有料で見学する事ができ、チケットは現地のインフォメーションセンター及び公式サイトのチケット販売ページで購入可能です。見学形式も自由見学、オーディオガイド付き自由見学、ガイド付きツアーから選択する事できます。


〖住所〗


Carrer Claudi Güell, 08690 La Colònia Güell, Barcelona,


〖電話番号〗


+34936305807


〖アクセス〗

「コロニア・グエル教会」は、バルセロナの中心部から西側に約16kmほど離れた場所に位置しています。バルセロナ中心部からのアクセスは、地下鉄L1線が走る「Espanya(エスパーニャ駅)」から、「カタルーニャ公営鉄道 (FGC)」を利用して、「コロニア・グエル教会」の最寄り駅である「Colònia Güell(コロニアグエル駅)」まで所要約25分ほどになります。駅からから教会までは徒歩約10分ほど、トータルで所要約40分になります。


〖入場料金〗

一般:€8.5/学割・シニア:€6.50/オーディオガイド付き:9.5€


【チケットはインフォメーションで購入しよう!】

「コロニア・グエル教会」へ行くには、チケットを購入する必要があり、現地で購入される場合は教会から徒歩3分程のところにある「i」の表示のあるインフォメーションへ向かいましょう!ちなみに、オンラインでも購入可能ですが、完売することはまず無いためわざわざ予約する必要はありません。下手に予約してしまうと入場時間に縛られるため、かえって不便になる可能性もあります。また、オンライン予約した場合でも結局はインフォメーションに立ち寄って、予約確認書をチケットに交換しなければならないので2度手間にもなってしまいます。

建物の中へ入ると正面にチケットカウンターがあります。オーディオガイドがプラス2€で借りれるので、必要な方はチケット購入時に借りて下さい。ただし、パスポートを保証に預けなければならないのでお忘れなく!教会での解説は少なく、その大半は村の建物巡りの音声ガイドになっています。更にチケットと共にMAPも貰えますが、日本語のもあるので便利!少し分かり難い日本語ですが、詳しい概要も書かれています。

また、インフォメーションの奥には簡単な無料展示場があります。一階は繊維工場が稼働していた当時の様子の展示。二階はガウディ建築の資料展示になります。ただし、どちらもこじんまりとした展示ですので、時間の無い方は飛ばしても大丈夫です。また、ここには絵葉書などの「コロニア・グエル教会」に関するグッズが販売されいるショップもあります。


〖営業時間〗

11月~4月:10:00~17:00

5月~10月:10:00~19:00

土曜日・日曜日・祝日:10:00~15:00

※日曜日・祝日11:00から1時間程はミサの時間のため内部見学不可。


〖休館日〗


1/1,6・4/9,16・12/25,26


〖公式サイト〗


http://gaudicoloniaguell.org/

【コロニア・グエル教会について知っておきたいこと!】

「コロニア・グエル教会」は、「ガウディ作品」の中でも建築の専門的知識を必要とし、専門家、もしくは建築に興味を持っている方でないと十分に楽しむには難しい観光スポットです。「サグラダファミリア」や「カサ・バトリョ」に比べると、地味ですし規模も小さいため、何も知らずに来ると30分ほどで観光が終わってしまいます。


実際のところさらっと見て周った後、手持ち無沙汰に椅子に座って、スマホをいじっている人が多いです。以下では、せっかく遠い場所に時間とお金を掛け行くのですから、建築について素人の私達でも興味を持って見て周れるように、見学前の予備知識として3つのキーワードをご紹介させていただきます。


〖組積造(積み木工法)〗

現代のビルやマンションはほぼ全てが鉄筋コンクリートもしくは、鉄骨構造により建てられていますが、ヨーロッパで見かける古い石造りの建物や教会は、レンガや石を積み上げて作った「組積造(そせきぞう)」と呼ばれるものになります。


この積み上げ式の建築方法の起源はピラミッドに見られる古代エジプト時代に始まり、その後にアーチが発明され、更にそのアーチを延長したものが「ヴォールト」、「ドーム」へと発展。最終的にヨーロッパ観光の定番となる聖堂の大天井支える工法が編み出されました。


この工法と現代の建築で使われている工法との一番の違いは、建物に複雑にかかる力をアーチ構造を介して全て圧縮力のみで支えること。つまり、バランスよく積んだ積み木で、強いて言えば「積み木工法」と言うところです。また、この工法で教会の様な天井を支えたり、窓のような開口部を支えて建てる時に重要となるのが次の「カテナリー曲線」となります。


〖カテナリー曲線(アーチ)とは〗

「カテナリー曲線(アーチ)」とは、ロープや鎖などの両端を持って垂らしたときにできる曲線を指し、上下逆向きにした形状にすると、全ての部材(ロープや鎖)に均等に圧縮力がかかることになり、力学的に最も安定するため現在でもアーチ橋などに多く用いられています。


「ガウディ」は実際に工事現場で、まずアーチの起点となる2点を定め、そこにロープを張ります。次に、アーチの高さを決め、垂れ下がるロープの下の頂点がその位置に来るように調節。出来上がった曲線の後ろに板を置いて、その曲線を筆などでなぞって板に移すことによって、重力と張力のバランスが完璧に取れた「カテナリーアーチ」を造ります。後はその曲線通りに板を切り抜き、その上下を逆転させれば、職人達がレンガをアーチ状に積んでいく基本になる枠が完成となります。


〖フニクラ(逆さ吊り構造模型)〗

「フニクラ(逆さ吊り構造模型)」とは、錘を入れた小さな袋を多数紐でつるしアーチを造り、建築全体のバランスを見る方法。天井から下がるなわ状に編んだ伸縮しない紐が実際の柱、アーチ、ドームのリブなどに相当します。また、それらの箇所が受ける荷重に相当する鉛玉が布袋に詰められ所定の位置に吊られ、その紐の描く形態を上下反転したものが、垂直加重に対する自然で丈夫な構造形態だとガウディはそう考えました。


この工程を行うことで、ガウディならではの奇妙で複雑な外観でも崩れない頑丈な建築物ができ、当初は4つの棟が建てられる予定で、その塔を造るためには逆さ吊りの模型を作ることが必須だったのです。その後、この逆さ吊り構造模型は、「サグラダファミリア」へと活かされています。ちなみに、建設中に「建物が崩れるのでは?」と疑う職人たちに対して自ら足場を取り除き、構造の安全を証明したという逸話が残っています。

【コロニア・グエル教会:魅力・見どころ!】

〖外観〗

「コロニア・グエル教会」の外観は玄武岩とレンガで構成され、周りの自然との調和が素晴らしい、2層構成の建物になります。丘陵地帯の複雑な場所に建設するため大規模伐採が必要と考えられましたが、ガウディはその木々までも生かすように設計を変更しました。曲線ばかりで左右対称のゆがんだ柱が印象的ですが、これが建物を支えているのです。

「トレンディスカス(破砕モザイク)」があちらこちらに装飾され、独特な形の窓や鐘楼がガウディらしさを表現しています。ちなみに、開口部の防水を兼ねて窓とその庇に、カラフルなタイルが施されていますが、工事が途中で中断し未完に終わったために、教会の裏側の窓の庇はタイルが貼られず代わりにモルタルが塗られただけで終了しています。

ポーチも見どころの一つで、いくつものアーチから成る複雑な構造。また、他のガウディ作品との違いとしては、宗教的なシンボルにトレンカディスが多用されており、「地下礼拝堂」入り口の上のモザイクには、特に小さなピースを使い聖書の言葉を表しています。また、天井の十字架やキリストを表す3匹の魚など、キリスト教やキリストにかかわる装飾が至るところに散りばめられています。

魚の下にある【Α:アルファ】と【Ω:オメガ】は、ギリシア文字の順番では「最初」と「最後」。英語で言えば「AとZ」で、日本語なら「あとん」となり、すなわち生から死までの間に、この場合は「魚(キリスト)」が居るわけで、永遠の存在者である「イエス・キリスト」が生から死までの全てを司ると言うことを指します。