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ハワイ ハワイ島 プウコホラ・ヘイアウ国立歴史公園
更新日:2020年12月31日

こちらは、ハワイ島北西部「北コハラコースト」の「カワイハエ」にある石造りの神殿「プウコホラ・ヘイアウ国立歴史公園」です!
このエリアは「国立歴史公園」に指定されており、他にも2つの「ヘイアウ」があります。
ハワイ島(ビッグアイランド)は五つの火山から成り立つ、ハワイ諸島では生成年代の一番新しい島です。
その中では最も古く、島の北に突き出ている火山が「コハラ山」で、その南西の麓に「カワイハエ」と云う入り江が在ります。

北緯20度に位置する「ハプナビーチ」の北側にあたり、現在は、貨物船や艀も入港する大きな港になっていて、11月から3月にかけては、「ホエールウォッチング」の船もこの港を利用しています。
「カワイハエ」には、「カメハメハ」が島々の統一を目論むにあたり造った縦75m、横33mもの巨大な「ヘイアウ(祭祀場)」の石積みが、当時そのままの姿で残されています。
この「ヘイアウ」は「プウコホラ」と呼ばれており、ハワイ語で「プウ」は「丘」、「コホラ」は「鯨」を意味し、直訳すると「鯨の丘」です。
【歴史】

「カメハメハ大王」が30km以上離れた「ポロル渓谷」からこの地まで、手渡しで石を運ばせて建立したという「石造神殿(ヘイアウ)」は、予言に基づいて建造されたもので、「この地に戦いの神クカイリモクをまつれば、ハワイ諸島を統一することができる。」という「神官(カフナ)」の予言に従って、1790年から91年にかけて「ヘイアウ」を建造した「カメハメハ大王」は、予言通り1810年にハワイ統一を成し遂げました。

「カメハメハ」は、この海を見下ろす丘の上に1790年から1年間かけて、新しいヘイアウを造り、叔父でありハワイ島全土とマウイ島東部の「ハナ」を治めていた王、「カラニオプウ」から受け継いだ戦闘の守り神「クー・カ店イリモク」を祭り、戦いの準備を進めます。
大砲を仕入れ、島に留め置かれた英国人「ジョン・ヤング」と「アイザック・デービス」等の力も借りて戦術を練り、〖マウイ島〗・〖オアフ島〗攻略の機会を虎視眈々と窺っていました。

「カメハメハ」は、マウイの王であった「カヘキリ」が〖オアフ島〗に居る間に、その息子の「カラニクプレ」と〖マウイ島〗の「イアオ」で戦い勝利を収めましたが、その後「カヘキリ」に再度取り返されてしまいます。
1794年当時〖マウイ島〗と〖オアフ島〗を支配していた「カヘキリ」が亡くなり、「カメハメハ」はハワイ全島統一の意思を強く持つようになりました。

この時点で「カメハメハ」は、千艘近くの戦闘用カヌーの他に、大砲や西欧の帆船も有していたと伝えられています。
1795年2月には〖マウイ島〗・〖モロカイ島〗・〖ラナイ島〗を制圧し、〖オアフ島〗の「ワイキキ」から「カハラ」にかけて上陸し、4月には敵を「ヌウアヌパリ」に追い上げて勝利しました。

「ヌウアヌパリ展望台」の案内板には、敵の兵士四百人が、絶壁から鳥のように落ちていったと書かれています。
その後「カメハメハ」は、1796年と1803年から4年にかけての2度、〖カウアイ島〗攻略を試みますが、最初は嵐に遭い〖オアフ島〗に引き上げ、2回目は部下の多くに病気が蔓延し、攻撃を断念しています。

そして、1810年ようやく〖カウアイ島〗の王であった「カウムアリイ」が降伏し、〖カウアイ島〗と〖ニイハウ島〗も「カメハメハ大王」の手中に納まり、ここで始めて「ハワイ八島」全てがハワイ王国の領土となりました。
「カメハメハ」が、ハワイ全島征服を目論んで造った「プウコホラ・ヘイアウ」の在る「カワイハエ地区」は、現在その一部の土地しか保存されていませんが、昔は「ネイティヴ・ハワイアン」の集落があった場所で、〖ハワイ島〗に留め置かれた後、「カメハメハ大王」の良き腹心の部下となった英国人「ジョン・ヤング」も、「カワイハエ」の山手に住んでいました。

現在、「プウコホラ」の在る地区は、「米合衆国国立公園局」により管理されています。
ハワイ有数の聖地のせいか、圧倒的なエネルギーと日常を逸脱した静けさに満ちあふれており、この「ヘイアウ」では現在もハワイアンの儀式が行われています。
【魅力・見どころ!】

「プウコホラ・ヘイアウ国立歴史公園」の最大の見どころはやはり「石造神殿(ヘイアウ)」であり、1790年から1791年にかけて「カメハメハ大王1世」によって建設されたものです。
「プウコホラ・ヘイアウ」は、ハワイ島最大規模の「ヘイアウ」で、宗教施設ですが「教会」や「寺院」とは違く、日本でいうところの神社に似た存在です。
日本の古代宗教と同じで、ハワイでは神はあらゆる場所に存在しました。

代表的なのが四大神「クー(戦いの神)」・「カネ(生命の神)」・「ロノ(収穫と平和の神)」・「カナロア(海の神)」になります。
現在見ることができる神殿は復元されたものであり、内部を見学をすることはできませんが、近くでその外観を見るだけでもとても厳かな雰囲気があります。
神殿の前にはまだ置かれたばかりと思われるお供えものがあり、今でもこうしてハワイ島の人たちによって大切に守られている場所であることを、伺い知ることができます。

毎年夏には「カルチャー・フェスティバル」が行われ、その日は当時の様子を再現しています。
石壁の入り口には、「カメハメハ1世」の時から使われた王のシンボル「プーロウロウ」が置いてあります。
これは白いボールのようなものが棒に付き、2本を交差させて置いてあり、この「プーロウロウ」の奥は王がいる神聖な場所で、王以外は入ってはいけないという目印になっています。

「ヘイアウ」の石壁は溶岩で作られていますが、ここの溶岩は「コハラコースト」の「ポロル渓谷」から20マイル(約30km) の距離に人を並べ、手に手に溶岩を運んだとされ、その溶岩のサンプルが「ビジターセンター」に展示されています。
「ビジターセンター」には、ハワイアンの武器や道具など興味深い展示を楽しむことができますよ!

また、「プウコホラ・ヘイアウ」の敷地内には「マイレキニ・ヘイアウ」と「ハレ・オ・カプニ・ヘイアウ」もあります。
「マイレキニ・ヘイアウ」は「カメハメハ王」の先祖により、農業の寺として作られたものであるようです。
「カメハメハ1世」の時代に「ジョン・ヤング(カメハメハ王に西洋の知恵をアドバイスした、王からとても信頼されていた英国人)」とともに、この寺を砦に換えました。

「ジョン・ヤング」はこのヘイアウの土地から道を挟んだ山側に住居を構えていました。
「ハレ・オ・カプニ・ヘイアウ」はサメの神を祀っており、沖合に沈んでしまい今日では見ることができませんが、ハワイアンにとってサメは身近な存在であり、海からの伝言者であったことから航海の守り神でもあったようです。
この「ヘイアウ」は1950年代頃までは原型をとどめていたようですが、雨や風などにより、今では海中に入ってしまっています。引き潮の時には土台が少し見えるくらいになっています。

「ヘイアウ」内はトレッキング用の道もあり、地図を見ながら、セルフガイドツアーで歩くことができます。ガイドツアーも行っていますが、10名以上の団体で予約が必要となります(英語のみ)。
「ヘイアウ」のまわりには、ハワイの固有種の植物などもあり、スケールの大きなヘイアウの散策は、ハワイの歴史や文化、自然を目の当たりにできる貴重な体験になります。
公園内は日陰が全くなく、公園際は海となっているため、とても日差しが強いので、水分補給を小まめにしながら見学するのがおすすめです!
【アクセス】
「コナ国際空港」からのアクセスは、「ハイウェイ19号線」を約27マイル北上し、「ハイウェイ270号線(カワヴァイハエ・ロード)」を左折し、約0.5マイルで左側に公園の入り口が見えます。「コナ空港」から車で約1時間。
ガイドブックなどでは紹介されていなかったり、ハワイ島の中ではマイナーな観光スポットであることから、ほとんど観光客はみかけずほぼ貸切状態となっています。
駐車場も入場料も無料となっているので、このエリアにドライブをする場合には、是非とも立ち寄ってみましょう!
入り口にはハワイの溶岩で造られた小さな資料館があり、館内は英語での解説となっていますが図解などもあるので、古来からハワイの先住民族たちによって大切にされている、とても神聖な場所であることを感じとることができます。

いかがでしたでしょうか。
「プウコホラ・ヘイアウ国立歴史公園」は「ヘイアウ」以外に大きな建物はなく、視界が広いため解放感に溢れています。
何もないという贅沢を味わえる場所でもあり、公園内は日陰になるような場所はありません。
帽子やサングラスなどの日除けは必須!朝早く行くか、夕暮れどきがおすすめです!とくに夕暮れ時は幻想的で、タイムスリップしたような感覚を味わえるかもしれませんね。
歴史好きな人はもちろん、散歩やただただぼーっとするだけでも癒されることでしょう。
ハワイ観光で詰め込みがちなスケージュールに、神聖な場所での空白のような時間を組み込んでみてはいかがでしょうか。
【基本情報】
プウコホラ・ヘイアウ国立歴史公園
住所:62-3601 Kawaihae Road, Kawaihae, Hawaii 96743, United States of America
電話番号:+1-808-8827218
営業時間:8:00~16:45(入場は16:30、駐車場は17:00まで)
定休日:なし
入場料::無料。ガイドツアーは$2(10名以上の団体向け)
アクセス:コナ空港から車で約36分
公式サイト:http://www.nps.gov/puhe/index.htm
※記事内容は執筆時点のものですので、最新の内容をご確認ください。
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