- 私の旅行記
ハワイ ハワイ島 ポロル渓谷
更新日:2020年12月31日

こちらは、ハワイ島・ノース・コハラの終点にある、壮大な眺めを楽しむことができる絶景ポイント「ポロル渓谷」です!
青い海と空がどこまでも広がり、周りを緑に囲まれた「ポロル渓谷」は、ハワイ島の中でも有数の絶景スポットと言われています。
「ポロル渓谷」の展望台からは「リアス式海岸」を思わせる断崖の連なりを展望することができます。
海は貿易風の影響もあって波が高く、泳ぐのには不向きですが、サーファーたちは波の高い日にやって来ます。
【歴史・魅力】

「ポロル」とは、ハワイ語で「長い槍」を意味しており、ここはかつてハワイアンたちが暮らしていた場所として知られています。
「ポロル渓谷」の産業といえば「タロイモ畑」と言われており、「キャプテン・クック」が到来する頃にはタロ畑は姿を消していましたが、当時、真紅の茎を持つタロは極上の品種としてハワイ島全土に知れ渡っていたと言われています。
「ポロル渓谷」は、19世紀に中国人移民がこの地を開墾して米作を試みましたが、度重なる津波の被害で水田と集落は打ち棄てられました。
度々津波の被害を受けていることから、次第に住んでいる人たちも減っていますが、今でもこの渓谷に住んでいる人達がいます。

第二次世界大戦中には、米軍が上陸演習を行ったことはありますが、このように厳しい自然環境のせいで、今日にいたるまで開発の手を免れてきました。
かつてここには多くの日系移民が集められ、「ポロル渓谷」から「ノース・コハラ」まで30km近くに及ぶ用水路作りが行われたりもしました。
リゾート地として開発されているハワイ島ではなく、ハワイ島の原点を楽しむことができる場所こそが、ここ「ポロル渓谷」なのです。
【ポロル渓谷からの景色】

「ポロル渓谷」には、専用の駐車場は数台分しかないため、観光客の大半は山道に縦列駐車をしており、停めにくいのが少々難点です。
また「ポロル渓谷」の周辺にはたくさんの馬がいるので、これもどこかのんびりとした雰囲気を楽しむことができます。
ここポロル渓谷からの眺めは、深いブルーをした荒々しい海で、水しぶきを上げて打ち寄せる波は、豪快でとても見応えがあります。
切り立った崖が連なり標高差はおよそ300メートル、海と森の合い間には美しい黒砂のビーチが広がっており、「ポロル渓谷」は夏には黄色の花をつける「ハウ」と、やわらかな緑色のヴェールをまとう「モクマオウの森」が、まるで手つかずの自然のように広がって見えます。

ここでは、有名なハリウッド映画「ロスト ワールド : ジュラシック パーク (1997年作)」 が、まさにこの崖下の熱帯雨林で撮影されました。
リゾート地ハワイというよりも、ありのままのハワイアンたちの息吹が聞こえてきそうな雰囲気があります。
ちなみに、付近の民家には「シェル・ジンジャー」や「コアリアヴァ」がそこかしこに見られ、晴れた日には「イオ(ハワイアン・ホーク)」が海上を飛ぶのを観察できるかもしれません。
【トレイルで楽しもう!】

展望台からの景色を堪能した後は、 歴史を思い返しながら「ポロル渓谷」のトレイルを下りてみてください。
眼下にはわずかに黒砂の海岸が見えますが、展望台とこの海岸を結ぶのが「ポロル渓谷」のトレイルになります。
車を道路脇に停めたら道の突き当たりまで行き、トレイルは突き当たりの少し下にあるガイド標識のところから始まります。
雨が多い土地のせいで道はたいてい滑りやすいので下りはとくに注意しましょう。

ビーチサンダルではなく靴をはくことをおすすめします!また晴れた日は日差しが強いので、日焼け止めと帽子、水を忘れずに!ビーチには水道などの設備はありません。
歩きはじめるとすぐに「ホワイト・シュリンプ・プラント」の群落が現れ、その後間もなくトレイルは岩が露出しはじめ、足元に気を奪われているうちにいつしか「ハウの森」となります。
「ハウ」や「タコノキ」、「モクマオウ」などの森を歩きますが、ときおり眼下に海岸が見え隠れします。

またトレイル沿いには「ノニ」・「ラッツ・テイル」・「シャンプージンジャー」・「パラパライ」・「アジアンタム」・「ティー」・「ハープウ」・「エアープラント」など、実に多くの植物を見かけることができます。
約20分程度、道は比較的単調ですが、花の観察をしているうちに海岸へと降り立ちます。
海岸からは展望台で見下ろした断崖が立ち上がり、その足元に荒い波が打ち寄せては砕け散るのが見えます。

また、黒い砂一色に見えたのは、実は波に洗われて丸くなった溶岩と、同じようにしてできた珊瑚の小石が磯のように広がっているのだということがわかります。
背後には打って変わって鏡のように静まりかえった沼地があり、沼に向かって右端にも渓谷の奥へと続くトレイルがあり、奥には「カポロアの滝」があります。
一般向けではないので経験者以外にはおすすめできませんが、現地の会社によってツアーが主催されています。

また、海岸を突っ切ると、再び登りの踏み跡があり、これは「アヴィニ・トレイル」ですが、こちらも整備はされていないので探索は避けたほうがよいでしょう。
午後は天候が悪くなることが多いのでトレッキングは午前に行うのが良いでしょう。
トレイルは最近拡幅されずいぶん歩きやすくなりましたが、それでも雨が降るとぬかるみ、すべって転ぶ人がいますので、足元には十分気をつけましょう!
そして、海は潮の引きが強いので泳ぐのはおすすめできず、また沼地へは子どもだけで行かせないようにしましょう。

【基本情報】
トレイル:ポロル渓谷
難易度:★ ★ ☆ ☆ ☆
往復:0.5マイル(0.8km)・下り約20分・上り約25分
所要時間:30分~1時間
※お子様連れの場合は約2時間(遊び時間を含む)
出発地点:島北部の270号線の終点
【アクセス】
「カイルア・コナ」からは、「19号線」を北上し、「カワイハエ」から「270号線」を通って終点まで進みます。
または「ワイメア」から「250号線」に入って「ハヴィの町」の突き当たりまで進み、右折して「270号線」に入ります。
「アコニ・プレ・ハイウェイ沿い」のドライブは、ハワイ州でも随一の景色が楽しめると有名で、道路の片側は「マウナロア火山」の急斜面、もう一方は太平洋が遠く眼下に広がっています。
28マイルマーカーの先で道は終点になり、駐車場があります。

駐車場は無料ですがとても小さく、駐車できる台数が15~20台くらいと少なめなので、ほとんどは縦列でとめることになり、いつも大混雑気味です。
行き止まりのため、満車だった場合はバックで戻らねばならず中々大変です。
そのため、記念写真を撮って景色だけを楽しみたい方は、路上駐車するのが良いでしょう。
ちなみに、「ポロル渓谷」に行く途中で「ハヴィ」と「カパアウ」に立ち寄ることもできます。
「ノース・コハラ」はアメリカ人観光客にとても人気が高く、車を停めるスペースがないほど混雑していることもあるので、時間に余裕を持って出かけることをおすすめします!
※公共の交通機関ではアクセスできない上、タクシーの利用はかなりの高額になります。
いかがでしたでしょうか。
緑に覆われた崖とドラマティックな北東部の海岸線が織り成すポロル渓谷を眺めれば、感動で身も心も震えるはずです!
馬が草を食む丘の上から眺めると、沖の水面には小さな岩礁が顔をのぞかせ、渓谷の湾口部には美しい黒砂のビーチが広がっている「ポロル渓谷」!
ハワイ島旅行の際は是非とも訪れてみて下さい!
※記事内容は執筆時点のものですので、最新の内容をご確認ください。