私の旅行記
フランス パリ ポンデザール:魅力・見どころ・アクセス方法・基本情報まで徹底ナビ!

こちらは、恋人がお互いの名前を書いた南京錠を橋の欄干に取り付けて、「セーヌ川」へ鍵を投げ捨てることで永遠の愛が手に入れられると言われている「ポン・デ・ザール橋(Pont des Arts)」です!
パリの芸術カルティエの中心にあり、誰もが憧れたフランス映画の代表作『アメリ/Amelie(2001)』にも登場いる、まさにパリの愛の聖地でもあります。しかし、ロマンチックな観光スポットとして知られている「ポン・デ・ザール橋」ですが、2014年6月に南京錠の数が増えすぎてフェンスの一部が倒壊する事態が発生しており、南京錠は全撤去。
現在は南京錠の取り付けができないよう、金網がグラフィティの描かれた板に取り替えられています。今回はそんな、「ポン・デ・ザール橋」の現在の状況、魅力・見どころ・アクセス方法・基本情報まで詳しくご紹介させていただきます!
【ポン・デ・ザール橋:基本情報】
〖歴史・概要〗

「ポン・デ・ザール」はもともと空中庭園をイメージしてデザインされた歩道橋で、橋が完成した1804年はちょうど「ナポレオン1世」が皇帝に即位した年になります。「ポン・デ・ザール」は「ナポレオン・ボナパルト」の肝いりで作られ、設計を担当したのは橋や道路の建設において当時のトップ技術者であった「ルイ・アレクサンドル・セザール」です。彼は右岸にある「ルーヴル美術館」と左岸にある「フランス学士院」の間をつなぐ橋の上にベンチや低木、花壇を設けて空中庭園を実現しました。しかし、パリで最初の鉄製の橋はそう長く持ちませんでした。
最初の1世紀を過ぎた後にやってきた大きな2つの戦争による爆撃で橋は大きな損傷を受けたのです。さらに戦後は川の事故が相次ぎ、ついに閉鎖されることになりましたが、1984年には新たな「ポン・デ・ザール」が開通しています。「ポン・デ・ザール」の名前の由来が、橋の正面にある「ルーヴル美術館」にあることはよく知られています。橋が建設された1804年、「ナポレオン」の治める第一帝政時代にまだ官公庁の建物としても使用されていた「ルーヴル宮殿」は別名「芸術の宮殿」と呼ばれていました。それに合わせて、「芸術の宮殿」へ繋がる橋、すなわち「芸術の橋(ポン・デ・ザール)」と呼ばれるようになったのです。
〖住所〗
Pont des Arts, 75006 Paris,
〖アクセス〗
「ポン・デ・ザール」は、メトロの「Pont Neuf(ポンヌフ)駅」から歩いて数分のところにあります。
【ポン・デ・ザール:魅力・見どころ!】

「ポン・デ・ザール橋」からは「シテ島」と「ノートルダム大聖堂」を眺めることができ、その景観の美しさはパリでも有名です。歩行者専用の広々とした橋は、パリの住民に取っても観光客にとっても憩いの場所。演奏するストリートミュージシャンや、絵を描くアーティスト、写真を撮る観光客で常に賑わいます。そしてパリの住民は寒さが和らぐと橋の上に座り、ワインを飲みながら夜を過ごしています。
〖夏の夜には小さなパーティー〗

昼間の観光で歩く芸術橋も素晴らしいですが、夏ならではの変わった楽しみ方もあります。夏の夜は10時になってもまだ明るいため、長い夜を橋の上で楽しむことができるのです!夜になると「ポン・デ・ザール」は小さなパーティー会場に早変わりします。学生や会社帰りの人たちが、仲間と集まって橋の上に座り、ワインの飲みながら夜を過ごしています。歩行者専用の橋ならではの楽しい過ごし方ですね!
〖愛の南京錠(愛の重み)〗

「愛の重み」とは「カデナ・ダムール」と呼ばれる「南京錠」のこと。恋人たちがお互いの名前を書いただけの普通の南京錠ですが、これを橋のフェンスに取り付けて鍵を川へ流すことで2人の永遠の愛が約束される、、、というロマンチックな噂がいつからか囁かれ始めました。実際には1980年代に東ヨーロッパで始まり、2000年代に西ヨーロッパへ伝わってきたもので、伝統があるようでない新しい伝説です。パリの「ポン・デ・ザール」では2008年頃からその噂と、橋の上で南京錠を売る商売人が現れ出し、瞬く間にフェンスは南京錠だらけになります。南京錠にさらに南京錠が取り付けられ、その厚みは日々増していくばかりでしたが、ついにフェンスの一部が倒壊。それを重大に受け止めたパリ市は2015年6月に全ての南京錠が取り付けられたフェンスごと撤去します。

金網から鍵の掛けようもないガラスパネルに姿を変えた「ポン・デ・ザール」は、愛の南京錠による劣化の危険を寸前のところで回避。そして、恋人たちの橋はすでに別の新たな2つの橋へ移り変わっています。ひとつは「オルセー美術館」と「テュイルリー庭園」を結ぶ「レオポール・セダール・サンゴール歩道橋」。もうひとつが「ノートルダム大聖堂」の裏手に架かる「アルシュヴェシェ橋」で、どちらも南京錠をかけるのにちょうど良い欄干を持っています。2つの橋が「ポン・デ・ザール」のように愛の重みで壊れてしまわないよう祈るばかりです。ちなみに、「ポン・デ・ザール」に取り付けられた愛の南京錠は、最終的に70万以上を数え、その重さはおよそ45トンに達していました。単純に計算すると、平均的な体重の大人が760人以上もフェンスにぶら下っていたことになります。全面撤去された南京錠のうち、10トン分は回収されてパリ市によって保存され難民救助などの支援金に利用されると発表されています。パリ市によると、「ポン・デ・ザール」の愛の南京錠はオークション販売される予定で、その収益はなんと10万ユーロを見込んでいるそうです。

南京錠でフェンスが膨れ上がった「ポン・デ・ザール」は画家にとっても写真家にとっても魅力的な題材、被写体であり5、6年という短い期間ながら多くの作品が残されています。また、南京錠の掛かったフェンスは全面撤去される前からも部分的に外されて川へ投げ捨てられたりしていました。そういった、セーヌに沈んだ愛の南京錠を集めて作品を作り上げるアーティストもいます。「ポン・デ・ザール」の景観を汚している!という批判もあった愛の南京錠ですが、それが巡り巡って新たなアート作品に生まれ変わる様子はまさしく芸術の都の芸術の橋と言えるでしょう。

いかがでしたでしょうか。
「ポン・デ・ザール」は鍵の話はともあれ、この橋自体「シテ島」の先端の公園が目の前に見える景色もいい場所なので、他の橋とはまた変わった景色が楽しめます。景観が美しく芸術の橋として栄えた橋を是非一度ご覧ください!
【基本情報】
ポン・デ・ザール橋(Pont des Arts)
住所:Pont des Arts, 75006 Paris,
アクセス:「ポン・デ・ザール」は、メトロの「Pont Neuf(ポンヌフ)駅」から歩いて数分のところにあります。
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