私の旅行記
フランス パリ モンソー公園:魅力・見どころ・アクセス方法・基本情報まで徹底ナビ!

こちらは、パリ8区にある観賞用に造られた18世紀風の公園「モンソー公園(Parc de Monceau)」です!
「モンソー公園」は元々、中世よりムソーという集落だった場所で、1778年に「シャルトル侯爵」によって前ロマン主義的な庭園として造られました(ナポレオン3世の時代にパリ市の所有に)。いつも多くの子供連れのお母さんやジョギングする人、ピクニックする人で賑わいを魅せています。
園内には世界中の歴史的なオブジェが置かれ、「凱旋門」からも近いため観光の一休みに便利です。まあ、公園の隣には18世紀の家具・タペストリー・美術工芸品を展示した「ニシム・ド・カモンド美術館(Musee Nissim de Camondo)」もあります。今回はそんな、「モンソー公園」の魅力・見どころ・アクセス方法・基本情報まで詳しくご紹介させていただきます!
【モンソー公園:基本情報】
〖歴史・概要〗

「モンソー公園」は8ヘクタールほどの英国風観賞用庭園で、「シャルトル公爵」後の「フイリップ平等公」こと、「オルレアン公ルイ・フィリップ2世(1747-1793)」が私邸の為に購入し、1773年から1779年にかけて造園。ピラミッドやパゴダ、オランダの風車など、フォリー(装飾用建物)の配置によって独自の理想郷を演出。大革命時に接収され、1793年に国営化された後、フランス復古王政を経て再び「オルレアン家」の所有となり、1860年にパリ市が庭園を買収。その一部は新興住宅地建設のため、ユダヤ系資産家「ペレール兄弟(Frères Pereire)」に売却されました。周辺には大使館や美術館、高級ホテルが軒を連ね、通りには「ベラスケス」・「レンブラント」・「ヴァン・ダイク」等、17世紀の巨匠の名が付けられています。
公園入口の「ロトンド(ドーム付き円形建物)」は、フランス革命期の建築家「クロード・ニコラ・ルドゥー(Claude-Nicolas Ledoux)(1736-1806)」による関税徴収所。楕円形の池 「Naumachie」を囲んでいるコロネード(コリント式の列柱)は1559 年に逝去した「アンリ2世」への追悼を込めて、妻の「カトリーヌ・ド・メディシス」が「サン=ドニ大聖堂」に隣接していたヴァロワ家の埋葬堂「ノートルダム・ド・ラ・ロトンド(ノートルダム・ラ・ブランシュ)」に建て加えた記念碑。1719年に破壊されたものが回収され、池の周りに配されました。その近くには1871年5月「パリ・コミューン」の際に焼失した旧パリ市庁舎のルネサンス式アーケードの一部が設置されています。園内にはフランスを代表する作家「ギ・ド・モーパッサン」や「アルフレッド・ミュッセ」の彫像があり、モーパッサンを崇拝していた「永井荷風」も横浜正金銀行リヨン支店員として渡仏した1907(明治40)年に此処を訪れています。また、1786年に「徳川家治」によって造られ、上野の寛永寺に置かれていた石灯篭が1982年にパリと東京の間で結ばれた友好協定の証としてこの公園内に移送されました。
〖住所〗
35 Boulevard Courcelles 75008 Paris
〖アクセス〗
地下鉄2号線「モンソー(Monceau)駅」から徒歩1分。
〖営業時間〗
7:00~20:00(5月~8月は~22時/9月は~21時)
〖公式サイト〗
https://www.paris.fr/equipements/parc-monceau-1804
【モンソー公園:魅力・見どころ!】
〖シャルトル館〗

「シャルトル館」は公園入口に立つ、16本の柱の柱廊に囲まれた古典的なドーリア式神殿の円形搭。かつてのパリは密輸防止のため城壁に囲まれ、所々に税金徴収所が設置されていました。この「ロトンド」もその一環として1787年に建てられ、1 階は税関、2 階は公爵専用の庭園を臨む住まいとして機能していました。現在は公園の管理事務所となっています。
〖世界中のオブジェが立ち並ぶ公園〗

「モンソー公園」の特徴は園内に置かれたユニークなオブジェ。18世紀末に「シャルトル公(後のオルレアン公)」がこの土地を買い取り、画家「カルモンテル」に設計を依頼して幻想的な庭園を仕上げました。園内には古代ローマのコリント式円柱や古代エジプト風のピラミッド、中国風のパゴダ、オベリスク、オランダ風の風車、日本の燈籠まで。廃墟のようなコリント式円柱の前には池もあり、ここは模擬海戦場を表現しています。19世紀後半には「オスマン」によるパリ改造により、英国式に庭園になりましたが、これらのオブジェは今も残っています。ちなみに日本の燈籠は上野の寛永寺にあった本物の燈籠。東京都民からパリ市民に寄贈されたそうです。また、園内には多くの彫像も立っており、有名なのは作家「モーパッサン」と詩人「ミュッセ」の像です。「永井荷風」は渡仏した際に、まず敬愛する作家「モーパッサン」の像を詣でるために「モンソー公園」を訪れたと言われています。
〖フランス小説の舞台〗

「モンソー公園」はフランス文学にも登場し、過去の人物への強い憧憬を持つ青年貴族「ジャン・ド・フラノワ」の恋を描く「生きている過去(レニエ作)」では、「チェスキーニ伯爵」が「モンソー公園」を眺める場面がよく登場します。イタリア出身の伯爵の豪勢な館は公園の向かいにあり、当時から「モンソー公園」がブルジョワ階級を象徴するものだったことが分かり、公園内にはローマの遺跡風のオブジェがあり、伯爵はそれを故郷への郷愁を込めて眺めています。他にも、「失われた時を求めて」で知られるフランス作家「マルセル・プルースト」が木曜日ごとに散歩した公園としても有名。更には「ジャン=ジャック・ルソー」が植物採取に訪れています。また、園内にはフランス作家「ギ・ド・モーパッサン」の彫像もあり、彼を敬愛した永井荷風が参拝のため訪れています。
〖セルヌッチ美術品〗

「セルヌッチ美術館」は「モンソー公園」の東に位置する、アジア美術品を扱うパリ市の美術館です。所蔵品は日本、中国、韓国、ベトナムの美術品。美術館の建設は1896年で「アンリ・セルヌッチ」氏の寄贈で行われ、1898年に完成となりました。美術館は「モンソー公園」の敷地にはありませんが、東側の門から出て10メートルくらいで着きます。ここはパリでも一番古い美術館の一つで、パリ市に帰属美術館では6万人の来訪者があり6位となっています。貯蔵品では中国美術品が多いのですが、パリジャンの日本びいきは依然健在で、2019年には京都展として、琳派作品が展示されました。大仏や浄明寺いわくの鐘など、日本美術品も常設展示品で置かれています。この美術館では、宗達のような展示会でなければ、長打の列にはなりませんので、日本の美術品を見に行きたいときには、おすすめです!
【基本情報】
セルヌッチ美術館
名前:Musée Cernuschi
住所:7 Avenue Velasquez, 75008 Paris
営業時間:10時〜18時 (月曜定休)
入場料:9ユーロ

いかがでしたでしょうか。
「モンソー公園」は8区にありながら、17区と隣接する公園で、重厚感がある閑静なたたずまいの公園です。付近のアパートも「オスマン」の建物が多く、散歩をするだけもパリを楽しめる場所ですので、ぜひ訪れてみてください!
【基本情報】
モンソー公園(Parc de Monceau)
住所:35 Boulevard Courcelles 75008 Paris
アクセス:地下鉄2号線「モンソー(Monceau)駅」から徒歩1分。
営業時間:7:00~20:00(5月~8月は~22時/9月は~21時)
公式サイト:https://www.paris.fr/equipements/parc-monceau-1804
※記事内容は執筆時点のものですので、最新の内容をご確認ください。
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