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メキシコ メキシコシティ メトロポリタン大聖堂
更新日:2020年12月31日

こちらは、「セントロ・イストリコ」の中心になるのが「ソカロ」と呼ばれる広場で、イベントやコンサートなどが開催されることも多く、常に多くの人で賑わいを魅せています!
「コロニアル」時代の影響を受け、歴史を色濃く映し出す見事な建築物が圧巻で、特に注目すべきなのがアメリカ大陸最大の「メトロポリタン大聖堂」です。
スペイン人がかつてのアステカ人の大都市「テノチティトラン」を征服する際、そのシンボル的存在だった神殿を徹底的に破壊し、その瓦礫を使って建設したという「メトロポリタン大聖堂」。そんな「メトロポリタン大聖堂」は威圧感があり、その暗い背景を物語るかのような印象を受けます。
今回は「メキシコシティ」の有名観光地の一つ「メトロポリタン大聖堂」をご紹介させていただきます。
【メトロポリタン大聖堂とは?】

「メキシコシティ」の中心部にある「メトロポリタン大聖堂」は、16世紀アステカ帝国を滅亡に追い込んだスペインの「エルナン・コルテス」の命によって、アステカ帝国の神殿である「テンプロ・マヨール」の跡地に建てられた巨大建造物です。
幅は54.5メートル、長さは110メートルあり、2つの鐘楼、中央のドーム、3つのメインポータル、5つの洞窟、51の金庫、74のアーチ、40の支柱で構成されており、大聖堂内部には5つの大きな祭壇、16の礼拝堂、聖歌隊の廊下、回廊、首都部屋、城壁があります。
「コルテス」はアステカ帝国征服後、スペインの植民地「ヌエバ・エスパーニャ(意味:新スペイン)」の首都建設に着手しました。
かつてアステカ帝国の首都だった「テノチティトラン」は、徹底的に破壊されその跡地に中央広場、宮殿などが建設され、その建設された建物の一つが大聖堂でした。1525年に建設が始まった「メトロポリタン大聖堂」は、当初は木造に草葺き屋根の質素な造りでした。
しかし、新大陸の中心に相応しい大聖堂をという声が次第に高まり、1563年に古い建物を壊し、新たな大聖堂の建設が始まりました。
スペインから著名な建築家が何人も招聘され建設された「メトロポリタン大聖堂」は、1818年の完成までにおよそ250年の歳月を要し、「ゴシック」・「ルネサンス」・「バロック」・「新古典主義」などの様式が混在するデザインの建物となっています。
また、礼拝堂や祭壇も数多くあり、宗教絵画や彫刻といった美術品も多数あり、何トンという鐘が25個もあり、正午近くなると鳴り響きます。
【歴史】

時と多くの人の手を経て造られたこの巨大な「メトロポリタン大聖堂」は、1614年に支倉常長の使節団が訪問していることでも有名です。
安土桃山から江戸期にかけて、「桓武天皇」を祖先に持ちながら伊達氏の家臣として活躍し、欧州に使節団を率いて渡航。アジアで唯一のローマ貴族、フランシスコ派カトリック教徒となった人でした。
また、完成後1864年にはハプスブルグ家出身の皇帝「マクシミリアン1世」がここで「戴冠式」を行っています。
その後「プルタルコ・エリアス・カリェス大統領」が「カトリック教会」を迫害し始め、「教皇ピウス11世」がこの大聖堂を閉鎖し、再開されたのは1930年のことでした。
その後も1962年に火災、2007年には民主革命党支持者によって襲撃される事件に見舞われるなど、「メトロポリタン大聖堂」は受難を越えてきたと言えます。
そして別の視点からのエピソードとして覚えておきたいこと、それはこの建物が「アステカ文明のテンプロ・マヨール神殿を破壊した石材の一部を使って建てられたこと」と「この教会の下にはたくさんのアステカ遺跡が眠っていること」です。
【メトロポリタン大聖堂の内部】
「メトロポリタン大聖堂」の中には多くの礼拝堂と祭壇、絵画・彫刻、聖歌隊席などがあります。
中でも、「黒いキリスト像(毒薬のキリスト)」は有名で、言い伝えでは、毒に侵された信者から毒を吸い取ったため肌が浅黒くなったといわれています。
更に、見どころとしては「中央の祭壇」とそれぞれ建築様式や意味合いの異なる「礼拝堂」になります。ちなみに、「メトロポリタン大聖堂」は入場無料で撮影も可能です!
〖中央の祭壇〗

この「中央祭壇」はメインの祭壇であり、この大聖堂の中央に位置しています。
祭壇画は1735年にスペイン人建築家の「ジェロニモ・バルバス」によって作られ、バロック様式で金箔によって仕上げられています。また、両側の柱は人柱を表現しています。
この祭壇は「赦しの祭壇(スペイン語:Altar del Perdón)」と呼ばれており、名前の由来は諸説ありますが、かつて罪人が刑執行前にこの場所に連れてこられ、その際にここで赦しを求めたことから、「赦しの祭壇」と名付けられた説があります。

中央右側には「黒いキリスト像」があります。こちらはトウモロコシのペーストで作られており、「毒の主(スペイン語:el Señor del Veneno)」と呼ばれています。
言い伝えとして、かつてキリスト教信者が毒に侵された際に、このキリスト像が毒を吸い取ったため黒くなったという言い伝えがあります。
〖礼拝堂〗

「礼拝堂」はそれぞれ建造された年が異なるため、建築様式も異なります。それぞれ異なる雰囲気がありますので、全ての礼拝堂を見て周ることをおすすめします!
中でも「グアダルーペ聖母の礼拝堂」と呼ばれている「礼拝堂」は、最初は「洗礼堂」として、そして最後は「ローマカトリック教会」の信心会の会議室として使用されていました。
全部で16の「礼拝堂」がありますので、時間をかけてそれぞれを見て周っていくことをおすすめします!
【地盤沈下の危機】

「メトロポリタン大聖堂」は、現在地盤沈下の危機に瀕しています。
もともと、テスココ湖の小島を中心として築かれたアステカ帝国の首都テノチティトランの上にさらに都市が築かれたため地盤が弱かったと考えられます。
地盤を考慮するより早急に制圧し権力を示すことを目先に置いていたと言えます。その建物の重さは弱い地盤を押し下げていき、現在、深刻な地盤沈下の危機に瀕しています。
250年の間に多くの人が建設と美術品の創造に関わった大聖堂ですが、1990年代に安定化工事を施したものの現在も建物自体は傾いており、地面を掘りつつ水平レベルを調整する懸命な補強作業が行われています。
【大聖堂の鐘】

「メトロポリタン大聖堂」の上には何トンもある巨大な鐘が全部で25も取り付けられています。そして日々11時45分頃からの5分間、この鐘の音色が響き渡りソカロ広場はこの音色に包まれます。
入場料が無料で撮影も許可されているこの大聖堂ですが、15ペソで鐘楼まで登ることができるツアーもあります。月曜日~金曜日の10時から18時まで、土曜日・日曜日は10時から19時まで、30分おきにツアーが開催されています。
鐘の音を聴くには11時半からのツアーがおすすめで、間近で鐘を鳴らす様子を見学することができますよ!また、「メトロポリタン大聖堂」前では先住民の踊りが披露されていることもあります。タイミングが合えば、越えてきた歴史を感じながら大聖堂を背景に観ることができますよ!
いかがでしたでしょうか。
「メキシコシティ」に訪れるのであれば、町の中心街(ソカロ)から一番近くにある世界遺産の一つが、この「メトロポリタン大聖堂」になります。
アメリカ大陸最大かつ様々な建築様式で成り立つこの大聖堂は、ヨーロッパや他の都市で教会を見飽きている方でも楽しめると思いますので、是非とも訪れてみて下さい!
【基本情報】
メトロポリタン大聖堂
住所:Plaza de la Constitución S/N, Centro, Cuauhtémoc, 06000 Ciudad de México, CDMX,
電話番号:+52 55 5510 0440
定休日:なし
営業時間:月曜日~日曜日 8:00~20:00
※入場料はかかりません。
※ 鐘楼に登れるツアーは15ペソ
アクセス:メトロ2番「Zocalo(ソカロ)」から徒歩3分
建設:1813年
建築様式: バロック
設計: クラウディオ・デ・アルシニエガ
公式サイト:http://www.arquidiocesismexico.org.mx/index.php/catedral/catedral-introduccion
※記事内容は執筆時点のものですので、最新の内容をご確認ください。
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