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メキシコ メキシコシティ ルイス・バラガン邸と仕事場

更新日:2020年12月31日


「ルイス・バラガン邸と仕事場」は、20世紀メキシコを代表する建築家の一人である「ルイス・バラガン」が、後半生を過ごした自宅兼仕事場で、2004年に「ユネスコの世界遺産」に登録されました。

設計家やデザイナーの作品が「世界遺産」に登録される例はいくつもあり、「世界遺産」に登録された20世紀の邸宅は、他にもチェコの「トゥーゲントハット邸」や、オランダの「シュレーダー邸」、ベルギーの建築家「ヴィクトル・オルタ」の主な「都市邸宅群」などがあります。

20世紀後半に活躍した現代のアーティストたちの場合は、才能や作品の素晴らしさと「遺産」のイメージがどうにも結びつきにくいですが、いつかは「遺産」になっていく貴重なものです。「メキシコシティ」には、有名建築家「ルイス・バラガン」の作品がたくさんあります。

そこで今回は、その中で唯一「世界遺産」にも登録された、「ルイス・バラガン邸と仕事場」についてご紹介させていただきます。

 

【ルイス・バラガンについて】

 

「ルイス・バラガン」は、20世紀を生きた建築家であり設計家であり、都市計画家でもありました。「ルイス・バラガン」は、1902年ハリスコ州に生まれ、「グアダラハラ」の工科大学で水力工学を学んだ後、独学で建築とデザインを身に付け、生涯を終えた86歳まで建築家として活躍しました。

大学で土木工学技士となるべく学んだものの、建築やデザインの分野は全て独学で身につけたと言います。

ただし、裕福な家庭の出であったことから、アジアやヨーロッパの広い範囲を遊学する形で、さまざまな建築やデザインに触れ、その作り手たちとも繋がりがあり、彼の後の成功に大きく影響を与えたと考えられています。

一般住宅からその集合体である住宅地開発を手掛け、地元メキシコの業界では非常に知られた存在だったものの、世界的にその名が知られるようになったのは晩年になってから。

アメリカ・ニューヨークで、世界的なデザイナーのエミリオ・アンバースのサポートのもとで開催された彼の作品展が世間から大きな反響を得たことがきっかけでした。

1976年の作品展で世界デビューを果たしたが、1982年には病気のため引退、1988年に自邸である「バラガン邸」で亡くなり、そして「バラガン邸」と隣接するアトリエとは2004年に「世界遺産」に登録されました。

〖作品の特徴〗

「ルイス・バラガン」は「光の魔術師」として知られ、白を基調とする建物にメキシコらしいピンクや黄色などのビビッドカラーを大胆に取り入れ、巧みに「光」と「水」を緻密に計算して取り込んでいます。

また、直線や平面を多用したすっきりとしたフォルム、シンプルなのに居心地のよさと適度な高級感を醸し出すデザインが特徴だと言われており、「バラガン建築」はその独特な世界観と圧倒的な迫力で訪れた者を魅了します。

そんな「バラガン建築」の中でも、特に重要とされている「ルイス・バラガン邸」は、オレンジとピンクの大きな壁を直角に組み合わせて囲んだ中庭、そこに置かれるのは金や銀の壺や塑像。

室内に目を向けると、白い壁が途中から真っ青にかわり、中央に立つ大きな柱は真っ赤というコントラストという色彩。

モダニズムとメキシコの伝統建築を少しずつ要素を取り込み、そこへ「ルイス・バラガン」独自の3Dと色彩の間隔をプラスした空間が、メキシコの青い空と乾いた赤い土と見事に調和しています。

 

【ルイス・バラガン邸と仕事場の歴史】

 

「ルイス・バラガン」は、1939年頃に「メキシコシティ」郊外に土地を購入し、その一部に1948年に「自宅兼仕事場」を建てました。

「フランシスコ・ラミレス将軍通り」の12番地と14番地に位置し、12番地は「仕事場」、14番地は「自宅」に当たります。それぞれの建物は結ばれているが、通りに面した入り口もそれぞれについています。

コンクリート作りの三階建てで、総面積は1161m²。彼の建築は内部空間の使い方や庭園に特色があり、伝統とモダニズム建築を融合させたそのスタイルは、他の建築家たちにも影響を及ぼしました。

そんな「ルイス・バラガン」は1988年にこの邸宅で亡くなり、現在の所有権は、「ハリスコ州政府」と「バラガン財団」にあります。

 

【魅力・見どころ!】

 

メキシコ出身の建築家「ルイス・バラガン(Luis Barragán)」が住んでいた「邸宅と仕事場」は、別々の玄関を持つものの、内部では繋がっています。玄関を入ると係員が現れ案内してくれます。

※事前にホームページか電話での予約が必須です。

ちなみに、写真撮影禁止という情報が多く出回っていますが、所定の金額を払えば撮影は可能ですので、せっかく訪れたのならケチらずに撮影費用を払って入場することをおすすめします!

そして、「ファサード」から突き出た出窓の左側にある扉から、火山岩が敷かれた「エントランスホール」へと入室すると、自然光に照らされ黄金に輝くドイツ出身の画家「ヴェルナー・マティアス・ゴエリッツ・ブルナー(Werner Mathias Goeritz Brunner)」の絵画がお出迎えしてくれます。

1階には、キッチン・ダイニング・リビング・図書室・仕事場・庭園があり、純木・植物・革・羊毛などの自然素材で制作された家具が置かれた温かい室内となっています。西側に隣接する邸宅の緑を借景することで自分の邸宅の庭園をより広く見せています。

2階には、ベッドルーム・ゲストルーム・礼拝室があり、通りに面したゲストルームにある十字型の窓は安藤忠雄氏の光の教会の原点となりました。

3階には、古代の果樹園を想起させるパティオがあり、メキシコの伝統的な要素とバラガンの哲学的&芸術的要素を融合させた最高傑作となる建築です。

〖外観〗

コンクリートで作られた四角い窓と小さな四角の穴が並ぶ壁が特徴的で、そのコンクリートの奥には「ルイス・バラガン」らしく、オレンジや黄色の壁が見えてきます。

敷地に入ると重なり合う幾何学的な壁が白や黄色、ピンクやオレンジに塗られ、美術館のような洗練された空間が広がります。

その壁につたう植物やメキシコ・シティの空の青さも、この邸宅の美しさを支え、その大きさが異なる重なり合う壁によって造られた影もまた、計算され尽くしたものです。

ちなみに、敷地内の建物の外観については自由に撮影可能ですので、訪れた際には忘れずに記念に撮ってみましょう!

〖インテリアや家具まで美しい室内風景〗

外観を十分に堪能したら次は内部を見てみましょう!内部も白壁を基調にしており、床の木のフローリングと見事に調和しています。

壁は外壁と同様にピンクなどカラフルに塗られ、「ルイス・バラガン」らしさが表れており、特に階段は特徴的です。

彼の他の作品にも登場しますが、階段のカクカクとした段差が目立つように部屋に配置され、幾何学的な印象がとても強くなっています。

外部に比べ全体が影となる室内では光を使用し、窓の形や場所が計算され、内部に「メキシコシティ」の美しい光が差し込みます。また、主にリビングと仕事場である「アトリエ」は天井が高く一繋がりの空間が心地良いです。

「コルビュジエ」などのヨーロッパのモダニズム建築の住宅とも異なり、どこかメキシコらしさがあり、室内風景はインテリアや家具までクオリティが高く洗練されています。

椅子やテーブル、ソファはもちろんですが、棚などと合わせたデザインのオーディオや壁に飾られた抽象絵画など「ルイス・バラガン」のこだわりが伝わってくきます。

まさに、外部・内部共にとても美しく清々しい気持ちになる「メキシコシティ」が誇る「世界遺産」です。

〖十字を描く大開口〗

敬虔なキリスト教信者だった「ルイス・バラガン」らしく、十字を描くサッシの大開口が特徴的な空間です。

白い壁と木のフローリングの単純な構成の空間だからこそメリハリがあり、そこから庭の緑が印象的に見え、「安藤忠雄」もここに来て自身の設計に相当な影響を与えたと言われています。

大開口は外の庭から見ると、サッシが限りなく薄く作られていて外と中がシームレスに見えるよう設計されています。

庭園や池などの外部空間もしっかりとデザインされ、近代的なコンクリート建築ですが、レンガを積み上げて色づけしたような雰囲気を作りだしている部分もあります。

また、平面と平面を直角に組み合わせる方法は、彼が敬虔なクリスチャンであることから、「クロス」の形をあちこちに取り入れた結果だとも言われています。

「家」・「色」・「デザイン」などに関心を持つ方であれば、その奇抜なのに落ち着いた、反発し合う色合わせが美しい空間に感銘を受けることでしょう。

 

【アクセス】

 

「ルイス・バラガン邸と仕事場」は、いきなり立ち寄って、気軽に足を踏み入れることはできません。まず、場所がごく普通の住宅地の中であり、個人で辿りつくのが難しいことと、原則として見学は予約制になっています。

個人で行く場合は、「タクシー」を利用するか、現地の地理に詳しい人にガイドを頼むのがベストでしょう。

予約は前日までに〖公式ホームページ〗からメールで申し込みを行う必要があります。

先着順になるのですが、それほど混雑することはなく、1グループに1人のガイドがつき、説明を受けながら見学することができます。

また、「メキシコシティ」から出ている「ツアー」に参加すれば、面倒な手続きなく、送迎付きで訪れることができるので、おすすめです!

 

〖個人で行く場合〗

 

「ルイス・バラガン邸と仕事場」の入場には、予約が必須ですので、しっかり予約をしてから行くようにしましょう!➡公式予約ページ:【CASA LUIS BARRAGÁN

〖タクシーで行く方法〗

「タクシー」を利用する場合、ドライバーさんに「Casa de Barragan(カサ・デ・バラガン)に行きたい。」と伝えれば、「メキシコシティ」ではだいたいのドライバーさんが場所を知っていますので、難なく連れて行ってくれます。

もし知らない場合は、ドライバーに以下の住所と地図を見せましょう。

【住所:General Francisco Ramírez 12-14, Colonia Ampliación Daniel Garza Ciudad de México 11840】

「バラガン邸」は、少し入り組んだ住宅街の中にあり、すぐ北にある大通りからは入ることが出来ません。

回りこむことになるのですが、少し複雑ですので、ドライバーさんに下の地図を参考にするよう伝えてあげましょう。

【北東から行く場合】⇓

【南西から行く場合】⇓

※注意事項※

「タクシー」で行くときに通ることになる「Constituyentes(コンスティトゥジェンテス)通り」は、以下の時間帯は通勤ラッシュで非常に混雑します。

朝:(8:00~10:00)

夕方:(17:00~19:00)

「メキシコシティ」の交通渋滞は、想像以上に酷いため、この時間帯に「タクシー」で向かう場合は、入場時間に遅れないように時間に余裕をもって向かいましょう。

〖メトロで行く方法〗

「バラガン邸」の最寄駅は「メトロ7番線」が通る「Constituyentes(コンスティトゥジェンテス)駅」になります。

マップで見ると「バラガン邸」と「Constituyentes(コンスティトゥジェンテス)駅」間はとても近いのですが、繋がっている道がないため、マップのように少し遠回りして行くことになります。徒歩約5~10分ほどで、治安のいいエリアですので、安心して歩いていきましょう。

 

いかがでしたでしょうか。

「ルイス・バラガン」は、メキシコが誇る建築家で、「ルイス・バラガン邸と仕事場」は、遊び心はありながらも、温かさや暮らしやすさを感じる空間です。

建築的に何がどうしたという理由ではなく、「光線が美しい」・「色が凄い」・「形が綺麗」など、そんなシンプルな感激を与えてくれる存在です。「メキシコシティ」から少し離れていますが、見に行く価値は充分にあります!

「メキシコシティ」を訪れることがあれば、少しの時間をインターネットに割いて、見学日程を調べてみましょう!それが面倒であれば、「ルイス・バラガン」の作品群を巡る「ツアー」に参加するのがおすすめです!

ちなみに個人的には、「ツアー」に参加するほうが圧倒的におすすめです!他の「世界遺産」とは趣向が違う建築物なので、「メキシコシティ」に訪れた際は是非とも立ち寄ってみてくださいね!

 

【基本情報】

ルイス・バラガン邸と仕事場

住所:General Francisco Ramírez 12-14 Colonia Ampliación Daniel Garza Ciudad de México CP 11840

電話番号:

(52) 55 5515-4908

(52) 55 5272-4945

※バラガン邸に関する問い合わせ電話は、10:00~17:00の間に対応してくれます。

※日本語は不可ですが、英語、スペイン語とスペイン語で対応してくれます。

入場(内部ツアー):要予約

※満員になってしまうことが多いので、早めの予約をおすすめします!

年齢制限:子どもは10歳以上から入場できます。大人がつき添ってください。

駐車場:専用駐車場はありません。

※こちらの住所【José Morán 144 and José Morán 185】にある駐車場を利用しましょう。

ツアーの時間帯:

月曜日~金曜日(平日):10:30、11:30、12:30、15:30、16:00(1日5回)

土曜日・日曜日(週末):10:30、 12:00(1日2回)

入場料:

普通料金:300ペソ

メキシコの学生:150ペソ

その他の学生(※):200ペソ

※国際学生証を持っている人は、200ペソです。

※記事内容は執筆時点のものですので、最新の内容をご確認ください。

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